橋下徹のことではない。
実家に帰っていたとき、母親から、ネズミが壁板に空けた穴をふさいでくれと言われた。放っておくと、夜中に家の中をネズミが走り回るのだそうだ。廊下にネズミのフンが落ちていたこともあったとのこと。
3年前に亡くなった父親が、家業で使っていたスペースで、現在は物置になっている。戦前世代でモノが捨てられない父親が、そこに大量のガラクタを溜め込んでいた。あえてガラクタと言い切ってしまう。
モノが捨てられないと言えば母親も五十歩百歩だが、それでも父親が亡くなって以来、少しずつ少しずつ不用品を処分してきた。
それでようやく壁が露出したのだが、そこにネズミが空けた見事な穴が見つかった。
『トムとジェリー』に出てくるジェリーの穴は、きれいなアーチ型でときどきミニチュアの扉がついていたりしてかわいらしいが、現実のネズミの穴は、土くれやフンが周囲にいっぱい散らばっていて、ケモノの臭いがして、とても近寄りたいものではない。
あの臭いは何と表現すればいいのだろう?アンモニア臭も混じっているし、我々人間も動物だから身に覚えがあるタンパク質の腐敗臭というか、とにかくケモノの臭いなのである。
生理的嫌悪感で文字通り総毛立った。
廃材の薄いべニア板があったので、やみくもにクギを打ち付けた。
ネズミは齧るから、この程度では再び穴を空けるのは造作もないことだろう。しかし父親の存命中で家業を営んでいた時期ならともかく、家の中にはネズミのエサになるようなものは、簡単に手の届くところには置いてないはずだから、これを機に賢いネズミにはもっとエサが簡単に手の届くところに移住してもらうことを期待するしかない。
さもなくば殺鼠剤を撒くとか、さらに対策を講じざるを得ないのだ。殺鼠剤ってどこで買えるんだ?業者に頼むしかないのか?