🍉しいたげられたしいたけ

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非正規労働者の雇い止め裁判の、傍聴という名の支援に行く

前置きが長いです。
今年の冬に、私の属する業界の、誰でも入れるという非正規労働者向け地域ユニオンに加入した。
かつて私は、自営業を名乗っていた。だがそちらは二年くらい前からほぼ休止状態で、収入の柱は「副業」と呼んでいた非正規雇用のほうに、とっくにシフトしていた。「本業」と呼んでいた仕事の内容については、いつまでも伏せている理由はないから気が向いたら近いうちに何か書きます。
この際自らのアイデンティティを「自営業者」から「非正規労働者」に変えることにした。
それで、遅ればせながら地域労組にも加入しておこうと思った。
一番の動機は、改正労働契約法による5年雇い止め問題に対して、何らかの手を打っておくことはできないか、少なくとも情報を仕入れることはできないかということだった。

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ご存知の方も多いと思いますが、一応雑な説明をしておきます。2013年より施行された改正労働契約法には、「有期労働契約が通算で5年を越えた場合、労働者から申し出により無期雇用に転換できる」というルールが加わったのです。ところがこれが逆効果になって、有期雇用への転換を嫌がる雇用主により、5年未満で雇い止めになるケースが多発するのではないかという心配が広がっているのです。
詳しくは「改正労働契約法」あるいは「5年ルール」で検索すると、解説がいっぱい出てきますので、そちらをご覧ください。
で、以前にネットでHPを見たことのある地域労組にメールして、定例会に参加させてもらうことにした。
第一印象、人数少なっ!
定例会の参加者は、片手で数えられる程度。春先に総会というのがあったけど、10人とちょっとだったかな。組合員数は幽霊組合員を含めて30人ほどだということだった。
だいたいこの組合が銘打つ「東海」というエリアに、同業の職場がいくつあるか数えたことないけど、一つの職場からの組合員がゼロか一人なのだ。ゼロの方が圧倒的に多い。
これではストライキはもちろん、デモもできないではないか?
日本人って労働運動苦手だよね。「しんぶん赤旗」だけど、直近にこんな報道があった。
全米150都市 ファストフード労働者/最低賃金上げ求めスト
ではこの組合がどんな活動をしているかというと、メインは裁判支援だった。雇い止めとか一方的に雇用条件を引き下げられた組合員が、撤回を求めて雇用主を訴えた裁判を、傍聴したりする。
幸い私はこれまでの人生で当事者になったことはないけど、裁判というのは、ものすごい精神的プレッシャーを受ける場なのだそうだ。だから傍聴席が自分の味方で埋まるだけでも、心の支えになるという。
裁判はとてつもない時間と費用がかかるから、誰もが雇用主を訴えることができるわけではない。ほとんどのケースは泣き寝入りだと思う。しかし裁判になる可能性があるというだけでも、あまりに理不尽な雇い止めや雇用条件引下げに対しては、多少の抑止力が期待できるんじゃないだろうか?
というわけで、スケジュールさえ合えば傍聴には参加したいと思っている。だが裁判はウィークデーにあるから、実際に傍聴できる機会はなかなかない。
今度が二度目だ。そう言えば前回の1月の傍聴はエントリーに残していたのを、すっかり忘れていた。

watto.hatenablog.com

ここまでが前置きで、ここからがようやく本題です。前置きより短いです。
今回は「最終弁論」というものだそうだ。地裁の裁判官の椅子が三つある法廷のうち、裁判官が座ったのは一つだけで、あとの二つは空席のままだった。なにか資料の名称を読み上げで確認し、原告側が署名を提出し、それでおしまい。10分かからなかった。次回が判決だそうだ。
傍聴者数は20人弱。閉廷後、裁判所の中庭みたいなところで立ったままミーティングみたいなことをした。こちらの方がよほど長かった。1時間に満たなかったけど。
弁護士さんから今回の裁判の意味の説明があり、原告からのお礼があり、あと参加者が一言ずつ何かしゃべった。それによると、うちの組合の他からも、いろんな裁判に関わっている人が、互助会のようにお互いの裁判を傍聴して、この人数になったようだ。中にはニュースで聞いたことがあるような事件の、裁判を支援している人もいた。
「はてなブログ」で、ブログ主同士がお互い訪問し合ってPVを増やしたり☆つけたりブコメをつけ合ったりしてるのと、ちょっと似てるかなと思った。全方面に失礼な感想ですみません。

追記:
そうそう、「5年雇い止め問題」に関しては、組合の人から話を聞いたり自分で調べたりしているのだが、今のところ「打つ手なし」すなわち「雇用側の意のまま」というのが現実のようだ。どーすんだこれ?

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