前回の関連記事はこちら。共謀罪法案がテロ対策に効果ないばかりか弊害の方が多いことを述べるため、近年の日本における凶悪犯罪の一覧を作ろうとして、自分のメンタルにダメージを受けてしまった。それでなかなか筆が進まなかった。
言いたいことは、「単独犯」「非政治的、非宗教的」「対象が弱者に向かう」といった共通点が見られ、これは例えば今年に入ってロンドンで相次いで起きたテロのような事例とは、本質において違うということだ。
とりあえずウィキペディアの「大量殺人」の項から、2001年以降の事件を抜き出して記事へのリンクを貼る。
相模原障害者施設殺傷事件 - Wikipedia … 2016(H28)年
熊谷連続殺人事件 - Wikipedia … 2015(H27)年
大阪個室ビデオ店放火事件 - Wikipedia … 2006(H18)年
秋葉原通り魔事件 - Wikipedia… 2006(H18)年
加古川7人殺害事件 - Wikipedia … 2004(H16)年
歌舞伎町ビル火災 - Wikipedia … 2001(H13)年
附属池田小事件 - Wikipedia … 2001(H13)年
これらの他に
尼崎事件 - Wikipedia … 2012(H24)年発覚
北九州監禁殺人事件 - Wikipedia … 2002(H14)年発覚
も思い浮かぶ。ウィキペディアの項に含まれていないのは、犯行が長い期間をかけて行われたことと、単独犯ではないからだろうか? しかしこれらも政治的または宗教的な目的を持った組織が起こした犯罪とは言えまい。宗教団体が起こしたテロは1995(H7)年発覚の オウム真理教事件、政治テロは1974(S49)年の 三菱重工爆破事件、1972(S47)年発覚の 連合赤軍事件 に遡るんじゃないかな?
犯罪の傾向が、時代によっても国や地域によっても異なるのは、当然のことだ。例えばメキシコでは、麻薬組織との抗争がメキシコ麻薬戦争と呼ばれるほど熾烈を極めていることが知られている。しかし日本の凶悪犯罪対策には、直接の参考にはなるまい。
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凶悪事件のタイプが、背景となる時代や社会によって変化する一方、権力側の弾圧、暴走が戦前から断絶なく連綿と続いていることには注意を払っておく必要がある。批判を込めて「官製テロ」と呼びたいところだが、コトバンク「テロリズム」の項によると、もともとテロリズムは国家による国内の敵対勢力に対して用いた暴力(「白色テロ」)が起源とのこと。
こちらもリストアップすると、長い長い項目になる。法華狼(hokke-ookami)さんの「tadataru氏は自分の無知さを相手が認めなければ話を聞く気にならないらしい」や、 id:Vergil2010 さんの「共謀罪に賛成しようとしている議員たちへの戦争体験者からの問いかけ」およびこれらの記事へのブコメが、期せずしてそれらのリストになっている。大逆罪事件 、甘粕事件 、 小林多喜二虐殺 、宮澤・レーン事件、ホーリネス弾圧事件、横浜事件 … 終戦をまたいで、三木清獄死、菅生事件 … キリがないから中略するが、これらは昨今ネットで話題になっている数々の「痴漢冤罪事件」や、あるいはマンション建設に反対した住人がマンション業者の証言だけで逮捕、起訴されてしまうという現在の状況に、連続的につながっていないか。連続的につながるというのは、制度が十分反省されないまま維持されているという意味である。
共謀罪法案の成立により、凶悪犯罪を未然に防ぐ効果と、治安維持、住民監視の自己目的化、公権力の暴走が拡大する危険と、どちらが大きいだろう? 私は現代の日本社会においては、公権力に対して、情報のさらなるオープン化と、より強力なブレーキ機能を求めることこそが必要ではないかと考える(またそれは、凶悪犯罪を未然に防ぐ努力と矛盾せず両立すると考える)。だが世の中は、その真逆の方向に向かっているようにしか見えず、たいへん気がかりなのだ。
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そんなわけで、自宅から最寄りの駅前で共謀罪に反対する集会があるというので、参加人数を一人増やしに行ってきた。
署名集めがメインだったみたい。
参加者はざっと25~6名というところか。
顔消し失礼。いつものピントボケボケのスマホ写真だから、顔消ししなくても個人特定にはつながらないと思うけど(つながるかな?)、まずかったら写真外します。
署名に応じてくれた人は、お子さん連れのお母さんが多かったように思う。
もちろんお母さん方の中には、共謀罪成立こそが自分の家族を守るという考えをお持ちの方もいるだろう。
集会で配布されていたチラシから、四コママンガの部分を。今回は冒頭で書いた通り、いろいろ調べる過程で自分のメンタルにダメージを負って、あまり元気の出ないまま書いた。
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