🍉しいたげられたしいたけ

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エドマンド・リーチ、吉田禎吾・訳『レヴィ=ストロース』(ちくま学芸文庫)

レヴィ=ストロース (ちくま学芸文庫)

レヴィ=ストロース (ちくま学芸文庫)

ハイデガーの『ニーチェ』、アルチュセールの『マルクス』みたいなもんで、すげー人の書いたすげー人の本。なんでこんな本を買ったのかよく覚えていない。
『現代思想のパフォーマンス』を読んで、また裏表紙の内容紹介に「レヴィ=ストロース入門」と書いてあったので、とりあえず読んでみる気になった。
あかん、私には難しすぎる。特に後半のほうは、視線が活字を上滑りしっぱなしであった。言い訳めくが、構造主義の本ってのはこういう傾向があって、導入はわかりやすくいかにも魅力的である(本書では第二章の色の三角形、母音三角形、料理の三角形あたり)。だが詳細な分析に入ると、とたんにワケワカメなのだ。とくにこの著者の場合、レヴィ=ストロースに容赦なく批判を浴びせながら論を進めてゆくので、読者としては自分がどこに連れて行かれようとしているのかわからなくなる。例えば「レヴィ=ストロースの神話の構造に関する議論は、たしかにきわめて手際の鮮やかなものである。それが巧妙な議論以上のものであるかどうかについては、実はいまのところまだ分からない。」(p89〜90)なんて書いてくれちゃっている。
そう、以下は自分の読解力と理解力を棚に上げて言うのだが、えてして人文・社会科学は何をもって「巧妙な議論以上」と言うのか?ぶっちゃけ何をもって「科学」と言うのか、という問いを我々に突きつける。これが自然科学であれば、ある程度自明なのだ。応用というものがあるし、応用から最も縁遠いと言われる純粋数学においても、「谷山・志村予想」などの解説を聞くと「ほぉ〜っ」と思う。自然科学以外でも、例えば語学は「その言語を母語とする集団とコミュニケーションが可能になる」という明確なブレークスルーが存在する。
著者は別の本で、(彼の専門とする)社会人類学においては、再現性や反証可能性など一般に科学に必要とされる要素すら「必要ない」と斬って捨てているそうである…ううむ…
ニーチェ〈1〉美と永遠回帰 (平凡社ライブラリー)

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マルクスのために (平凡社ライブラリー)

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