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磯部潮『人格障害かもしれない』(光文社新書)

人格障害かもしれない (光文社新書)

人格障害かもしれない (光文社新書)

途中まで読んでいて「あれっ、なんか読みづらいな」と思って気づいたのだが、構成がちょっと複雑になっている。
第三章で「DSM」(アメリカ精神医学会による診断基準)というのを紹介して、第四章でDSMに基づく人格障害の基本的な4タイプ…すなわち、A群:統合失調症、B群:境界性人格障害、C群:回避制人格障害=いわゆる「ひきこもり」、それにもう一つ、なぜかアルファベットはついていないが解離性人格障害=いわゆる「多重人格」の、診断基準と症例を紹介する。
で、第二章というのが、このうちB群:境界性人格障害(著者によると「最も中核的」p90なのだそうだ)の症例にまるまる一章当てられているのだ。察するに、内容が具体的でインパクトが強い部分でもあり、読者に早く目を通してもらいので、こうした破調な構成をとったのだろう。
それに気づけば、あとはさらっと読める。DSMと著者が実際に診療した症例、それに有名人の事例という材料の組み合わせは、この手の本の王道なのだろうか?以前にもほかの新書で同じような材料の本を読んだ記憶がある。本が出てきたら書きます。
第七章は「新潟少女監禁事件」や「池田小児童殺傷事件」など世間を騒がせた事件の犯人に対する著者の診断である。自分に関係ない出来事を「自分もそうではないか」と自分に関連づけて考えることを「関係念慮」というのだそうだが(p155)、これらの事件の詳細を読むことは私にとってはいまでもトラウマである…
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