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加藤徹『漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?』(光文社新書)

漢文の素養   誰が日本文化をつくったのか? (光文社新書)

漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか? (光文社新書)

そんなことを考えていたタイミングで書店で見かけたので、同じ著者の『西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)』がよかったこともあり、読んでみた。うーん、漢語を学ぶことは、和語を学ぶことでもあるんだね。

 和語の赤は「明〔あか〕し」、青は「淡〔あわ〕し」、白は「著〔しる〕し」、黒は「暗〔くら〕し」という明暗濃淡を示す語の転用である。現代日本語でも、明るい太陽を「真っ赤な太陽」、淡く輝く月を「青い月」などと言うのは、古代の名残である。現代日本人の目には、太陽の色がレッドに見えたり、月がブルーに見えているわけではない。

(p26)
内容の濃い本で、目から鱗の連続であるが、同じ漢文でも本家の文法に忠実な「純正漢文」から日本語の文法の影響を色濃く宿した「和化漢文」までさまさまであることと、大正以前のいやしくも歴史に名を残した人物はほぼ例外なしに漢詩を書けるほどの漢文の素養を持っていたらしいことは、特に備忘的にメモっておくことにしよう。

西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)

西太后―大清帝国最後の光芒 (中公新書)