最近読んだのはというと…
海野凪子、蛇蔵『日本人の知らない日本語』
くらいか。
帯によると「60万部のベストセラー」だそうだ。さもありなん、売り方が上手いのだ。
例えばこんな本文の一部を、新聞広告に載せたりしている。
(p36〜37)
なんと鮮やかな解説だろう!もし自分が同じことを質問されたら、こんなに明快に説明できるだろうか?絶対無理!さすがプロの日本語教師は違うと思う。もっと読みたくなるでしょ?ちなみにamazonのページにも、本文の一部をスライドショー化した動画が掲載されている。
http://www.amazon.co.jp/gp/mpd/permalink/m22RRPQ6P10YOI
で、読んでみた。
新聞広告やamazonの動画のような短くてわかりやすいエピソードが、次々と紹介される。絵柄もかわいくて読みやすい(あえて難を言えば、メガネで優秀で無表情というかぶったキャラクターが3人くらい登場するのが気にならないでもないが)。外国人に対する醜悪な偏見が一切出てこないことも好感が持てる。
だが最大の難点は、情報量が少ないことだ。
「あれっ、もう終わりなの?」という感じで、あっという間に読み終わってしまう。もっともこれはこの作品のせいではなくて、マンガというメディアの持つ宿命的な特性であろうが。
だから、例えば飲食店などで注文の待ち時間に目を通すにはよいが、自分で買って読むにはなんとなく物足りない。
同じ日本語インストラクターが書いた本なら、ベストセラーにはならなかったけど
佐々木瑞枝『日本語ってどんな言葉? (ちくまプリマーブックス)』
のような活字の本のほうが、自分で買って読んだときの満足度が大きい。
そんなわけでマンガからどんどん遠ざかっているような気がする。

- 作者: 蛇蔵,海野凪子
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- 発売日: 2009/02/18
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