しいたげられたしいたけ

空気を読まない、他人に空気を読むことを要求しない

お百度参り三社め(15/100)

いつも多数のコメントやブックマークコメントをいただき感謝しています。数が多くて全部にはとても応答できません。どうしても、自分の興味、関心に合ったもののつまみ食いになってしまいます。すみません。

前回の お百度参り記事 に、b:id:xevra さんから次のようなブコメをいただきました。ありがとうございます。

お百度参り二社め(100/100) - しいたげられたしいたけ

言語学的に言うとやや無理がある。韓国語と日本語はかなり近いがそれでも単語が全然違う。弥生人が植民地化したなら日本は韓国語を使ってないとおかしい。遺伝子が大きく変わる位多量に来ながら言語が違うのは要検討

2018/02/12 16:53

b.hatena.ne.jp

おお、こういう話、好物じゃ好物じゃ! 「google:聞いてない 誰もそこまで 聞いてない」というオタク川柳があるそうですが、こちらのブコメを枕に、また好き勝手なことを書かせていただきます。

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まず言語というものが、現代の日本人がイメージするような「一国一言語」のようになったのはごく近年のことであり、また現代でも世界的に見たら、そのような状況にあるのは限られた一部の国であることを、前提として示したい。

前近代においては、言語は狭い地域ごとに「方言」ということで分化していた。それら「方言」は、語彙は互いに意思疎通が困難なほど異なっているが、文法的には相似していることが多い。

手元に『日本人は何処から来たか』(NHKブックス)という本がある。1992年初版と、ちょっと古い本だ。(当時としては)新たに発見された「血液型Gm遺伝子」というものの分布に基づいて、日本人の起源を探った本である。

その口絵を引用する。広い範囲の分布がわかりやすいと思ったからだ。

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松本秀雄『日本人は何処から来たか』(NHKブックス)口絵

画像が小さくて見づらいが、円グラフの青が “ag” 、黄 が “ab3st” 、赤が “afb1b3” 、緑が “axg” という血清型因子を表すとのこと。数字はすべて上付き文字ですが、「はてなブログ」ではうまく表示されないのでご容赦を。同書では、この分布をもとに「日本人の源流はバイカル湖畔のブリアートという民族ではないか」という推測を行っている。

どうなんだろう? 中国古代史好きの私としてはむしろ、中国大陸の中南部に赤の割合が多く分布し、中国大陸の北部というか北縁に、日本列島と似た割合が多く分布していることに興味を引かれた。

中国の歴史は、北方民族との衝突を繰り返した歴史でもある。漢と匈奴、南北朝、北宋と梁・金、南宋と元、明と清…南方の歴代政権が圧倒的に多くの文字による記録を残してきたから、何となくいつも南が北にボコられているという印象を受けるが、実際には人口に勝りそれだけ経済力でも文化でも優勢であった南方が、北方民族を圧迫、分断していた期間のほうが長いと想像される。

『日本人は何処から来たか』には言語の話題は出てこないが、上掲の口絵を見ると、日本人の分布に近い円グラフが、文法的に日本語に近いと言われる言語の分布に、よく重なっているように見える。韓国語、満州語、モンゴル語、ブリアート語…「膠着語」とか、「アルタイ語族」とか呼ばれる諸言語である。文法的に近いと言っても、互いに外国語であり意思疎通が不可能であることは、我々自身がよく知っている通り。

いっぽう、中国大陸中部から南部にかけての言語はもちろん中国語だが、「孤立語」という特徴は共通しているものの、やはり方言が大きく異なりトレーニングなしでは互いに意思疎通が難しいことは、日本においてもよく知られていると思う。

念のために繰り返しますが、膠着語と孤立語の分布が、Gm遺伝子の円グラフの分布に似ているというのは、私が受けた印象にすぎず何か検証したわけではありませんよ。世界地図上での分布を示すために引用した次第です。

 

もう一つ指摘しておきたいのが、アイヌ語の存在である。アイヌ語は日本語とは別系統の言語だと言われる。そしてアイヌ語起源と言われる地名が北海道のみならず本州にも数多く存在すること、「wikipedia:マタギ言葉」「山言葉」とアイヌ語の類似が指摘されることを考え合わせると、縄文系先住民のうち、少なくとも日本列島の北方に居住していた一部は、アイヌ語に近い言語を喋っていたのではないかと、強く推測される。もしアイヌ語が北から南へと浸透したのであれば、交易語として陽に使われていたはずで、山言葉のような隠語として残ると考えるのは無理がありそうだ。アイヌ語は南から北に圧迫されたと考える方が自然であろう。

ただし琉球語は、標準的日本語と大きく隔たっているとは言うものの、系統的には日本語と同じだと言われる。もし琉球語がアイヌ語と同一系統であれば、それこそ動かぬ証拠になっただろうが、一方もしそうだったとしたら、論争にははるか昔に決着がついていたとも想像される。

言語の系統が非常に広い範囲に分布する一方で、方言はごく狭い地域ごとに進化、分化が進むようだ。

2月12日の記事に引用した マイナビニュース には、『蝸牛考』、「google:方言周圏論」に言及するブコメがいくつかついた。だが実は、方言周圏論に典型的に合致する例は、そんなに多くは見つかっていないという。私もすぐに思い浮かぶのは、ぐぐってすぐ出てくる「アホバカ考」の他には、松本清張『砂の器』に、山陰の出雲地方のイントネーションが東北弁によく似ている、というのが出てきたことくらいだ。むしろ「カタツムリ」にしろ「アホバカ」にしろ、全国分布図を見ると細分化の方が目立つ。

近代において、「一国一言語」のような広い範囲で用いられる共通語が出現したのは、国家の教育を用いた強制と、マスメディアの普及によってもたらされたものである。

日本人は何処から来たか―血液型遺伝子から解く (NHKブックス)

日本人は何処から来たか―血液型遺伝子から解く (NHKブックス)

 

異民族支配と言語というテーマでは、六世紀ほど遅れてユーラシア大陸の反対側で発生した一大イベント、すなわちノルマン人のイギリス侵攻と英語の変化についても、自分なりにまとめたくなった。六世紀遅れというのは、前回の司馬遼太郎説に依拠しています。だが、すでに前置きとしては本文よりずっと長くなってしまったので、次回以降回しにしよう。

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勝手にお百度参りの三社目である。どこにしようかとちょっと迷って、市役所のそばにある八劔社というところにした。自宅からは少しずつ遠くなっている。自転車を使いたくなる距離だ。今回は歩いて来たけど。

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実はここは、以前も記事にしたことがある。自転車通勤の経路なので、寄り道は簡単なのだ。

watto.hatenablog.com

 

宮の杜が立派だが、ここは平地である。手前は市役所の駐車場だ。

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門柱。「村社」という字がコンクリで雑に埋められている。

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由緒書。恒例の文字起こしをやろうと思ったが、帰宅してパソコンで写真を開いたら、フォーカス悪くて字がぜんぜん読み取れなかった。文字起こしは次回回しにします。

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鳥居越しに見た本殿。由緒書きはこの左手にある。

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拝殿。いつもの通り、これまでの拙記事にいただいたスターとブコメを一通りスマホに表示させてから、ブログの最新記事を表示した状態でポケットにしまって参拝スタート。

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失礼して扁額を撮らせてもらった。ここは熱田神宮系なのだ。

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拝殿左の摂社末社。長屋みたいになっているが、実は全国の有名神社名がズラリと並んでいるのだ。

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宮の杜ごしに撮った市庁舎。逆光で見づらくてすみません。

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鳥居の外に、仏像を収めた小さなお堂がある。仏像といっても、頭巾をかぶり寛衣をまとった居士の姿である。 

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地元の方と思われる年配の男性の参拝者がいたので、「何さまが祀られているのですか?」と尋ねてみた。

「役行者だ」と教えてくれた。

この市に住むようになって十年以上経つのに、知らなかった。なんでも聞いてみるものだ。

 

ここにも百度石なんかないから、宮の杜のある区画をぐるりと一回りすることにした。

こんな石板が立っていた。ここも社名がコンクリで雑に埋めてある。

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この日は予定があったので、参拝回数は十五回と少なめ。予定と言っても車を車検のためディーラーまで持って行くだけだったが。

おうちに帰れるまで続けるので、決して急ぐつもりはないことも、毎回書いている通り。

 

市営のコミュニティバスが通りがかったので撮ってみた。

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左の黄色い花はヒマワリで市の花、真ん中のお地蔵さんは「切られ地蔵」、右の人物は市のゆるキャラの「よしもとくん」で、いずれも市の名物だそうだ。よその人は誰も知らないぞそんな名物。

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