🍉しいたげられたしいたけ

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「開窯300年 マイセン 西洋磁器の誕生」@愛知県陶芸資料館というのを観てきた

幸か不幸かやるべき仕事はいっぱいあって(収入に結びつくかは別問題)、一日アパートにこもっていてもよかったのだが、持病の季節性鬱を悪化させることは請け合いなので、外出することにした。

大都市近郊はだいたいどこでもそうだろうけど、名古屋周辺も放射状の移動は便利だが円周の移動は苦労する。最寄りの名鉄本線の駅前にちっちゃなかわいいバスターミナルがあり、そこから名鉄豊田線の赤池という駅までバスがけっこうな本数出ている。名鉄バスのHPで調べたら、多いときには毎時3本!
さらに赤池駅前から、リニモの長久手古戦場という駅前まで、日進市のコミュニティバスの路線があって、これもHPで調べたら毎時1本とまあ使える本数が出ている(コミュニティバスの本数って一日2〜3本とか「使えねぇ〜!」ってケースが多いんだよね)。愛知県陶芸資料館はリニモ沿線にあるのだ。
いらんことだが、なぜだかこの路線があることは知っていて、最初名鉄バスだと思い込んでいて名鉄バスのHPを調べたのだが、いくら調べても出てこなかった。実際、運行を任されているのは名鉄バスで、manacaも使える。会社バス・コミュニティバスを問わず検索してくれるシステムはないものか。
寒いけど天気がよく、ぼ〜っとバスに揺られるにはうってつけの日だった。抗鬱剤何錠分かの効果はあったかな?

追記:
参考のため、愛知陶芸資料館の「開窯300年 マイセン 西洋磁器の誕生」の新聞広告を引用、紹介します。

追記おわり

愛知県はやきものの盛んな県でもあって、門前の小僧習わぬ経を読むじゃないけど、「瀬戸黒」「黄瀬戸」「織部」「志野」といった銘柄を、いつのまにやら覚えてしまった。
西洋の陶磁器は、日本のやきものと比べると「白はあくまで白く」「丸はあくまで丸く」…といった特徴が明白である。今回の企画展は、日本や中国の陶芸から影響を受けたという作品を中心に集めたのだそうだが、欧米人には日本と中国の区別なんてつかないから、ポットやソーサーに描かれている細密な人物画や風景画は、日本人が見るとどう見ても中国のものなんだけど。
いやそれだけじゃないエキゾチシズムが…

いくつか作品を見ているうちに、それが言葉で説明できるものであることに気づいた。
日本のやきものにも、白地に鮮やかな色彩で絵付をした作品は、いくらでもある。
しかし日本の色彩は、スペクトルが狭いのだ。ちょうど鮮やかに見える花札でも、使われている色は赤・黄・青(青紫)・黒の4色に限定されるように…ってやきものの説明をするのに花札の例を出すのは我ながらいくらなんでもと思うが、それしか思いつかなかったから仕方がない。
いっぽう西洋陶磁器は、そういった「縛り」がないのだ。例えば紫を基調とした絵付には、青紫から赤紫まで自由闊達に色使いをしている。
セピアをベースとしたものだと、ほとんど黄色に近い色から赤茶色まで、幅広く色を使っているのだ。

日本のやきものを再確認したいと思った。こういうときに常設展があるのはありがたい。有田、九谷、柿右衛門といった作品が、数は少ないが並んでいた。
青と緑を多用した作品があった。グラデーションはある。青と緑が重なっているというか混じっている部分はある。しかし青は単一の青だ。緑も単一の緑だ。思った通りだった。
この手の「縛り」を無意識のうちに自分自身に課してしまうのが「日本文化」なのだろうか?いわゆる「空気を読みすぎる」というやつ。それともヨーロッパは石の文化。岩を砕いた顔料の扱いに関しては、一日も二日も長があるのかも知れない。つまり単なる技術的な要請なのかも知れない。

帰りは結局、リニモ経由で地下鉄を使った。毎時一本のバスはやはり不便だし、日が短い12月のこと地下鉄を使うデメリットもあまり感じられない時刻であった。
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