弊ブログでたびたび書いている通り、私は30年来の朝日新聞読者である。これは拙宅に配達された昨夕の、すなわち最新の夕刊(名古屋版)だ。
Twitter のタイムラインに、妙なツイートが流れてきた。元は作家の百田尚樹という人のツイートだそうだが、直接リンクする気にもなれないので、こちらを貼る。朝日新聞社広報の抗議ツイートである。
「朝日の読者も日本の敵だ」と作家の百田尚樹さんが発信していますが、特定の新聞の読者を敵視するような差別的な発言に強く抗議します。私たちはこれからも建設的で多様な言論を尊重し、読者とともにつくる新聞をめざします。 https://t.co/gPrAqMeM14
— 朝日新聞社 広報 (@asahi_koho) 2018年1月15日
ブログに貼ると元ツイートが見えなくなるのか。仕方がないな。
論理も論拠もあったものではない。まず百田氏は、日本を代表するいかなる立場にもない。僭称である。また朝日新聞が中国の肩を持つという根拠が全く示されていない。ただの想像でしかない。首を賭けるというのは全くの意味不明である。担保は何もないのだ。つまりこの文章は、百田氏による朝日新聞とその読者に対する悪口雑言でしかない。
しかし、かようにナンセンスな発言であっても、知名度のある人間によってなされたものに対しては、きちんと抗議の意思を示しておく必要を感じるのだ。
ルワンダ虐殺においては、ラジオ・ルワンダに代表されるヘイトスピーチが過激派を虐殺に駆り立てたことが広く知られている。また一連のユーゴスラビア紛争においても、指導者自らが民族間憎悪を煽ったことにより惨禍がいちじるしく拡大した。
ウィキペディアより。
Twitter などネットに流れるヘイトスピーチを見る限り、現代の日本社会がルワンダや旧ユーゴスラビアに比べて安定したものとは、とても思えない。なんでもないことが理由で、いつ暴行、脅迫、ヘイトの標的にされないとも限らないという危うさを感じるのだ。
よって百田氏のような知名度のある人間が、憎悪を煽る発言をすることに対しては、一個人として強く抗議するものである。
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