しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを要求しない

晴|森護『英国王室史話〈上〉』(中公文庫)

英国王室史話〈上〉 (中公文庫)

英国王室史話〈上〉 (中公文庫)

いい本だとは思う。しかし歴史書の常として、大量の人名が登場するため、読むのに時間がかかります。また下巻(英国王室史話〈下〉 (中公文庫))にしか載っていない系図がないと、人間関係の把握がつらい(しかも私にとってはこの系図は詳細すぎで、『イギリス王室物語 (講談社現代新書)』p217の系図くらいがちょうどいい。関係ないけど、『イギリス王室物語 (講談社現代新書)』の系図に誤植発見。プランタジネット王家の祖・ヘンリー2世の父親ジョフリーがノルマン王家のヘンリー1世になっているけど、正しくはジョフリーの配偶者・マティルダがヘンリー2世の娘)。
本朝で言うと藤原不比等の次男にして藤原北家の祖・房前のような、いわば系図上の重要人物と言うべき存在があって、英国王室ではプランタジネット朝末期の王・エドワード三世の王子たち、とりわけ四男のランカスター公ジョン・オブ・ゴーントが重要である。この人からの系譜をたどると、「ばら戦争」で血まみれの抗争を繰り広げるランカスター王家とヨーク王家、そしてテューダー王家の関係がわかる。ジョン・オブ・ゴーントなんて、日本人にとってなじみ深い人名と言えるのかな?まだブラック・プリンス(黒太子)のニックネームで知られる兄のエドワード皇太子の方が、多少は知られているのではないか?
それにしても英国王室の同属相食む抗争は陰惨の一言で、まあ一族同士の醜悪な抗争という意味では藤原摂家にしても徳川将軍家(特に吉宗以降の紀州系)にしても大同小異だろうが、さすがに戦火を交えるまでは至らなかった。現代の英国王室は、日本の皇室を含む世界の王室のモデルとまで言われているが、けだし王制自体がろくでもないものであろう。
英国王室史話〈下〉 (中公文庫)

英国王室史話〈下〉 (中公文庫)

イギリス王室物語 (講談社現代新書)

イギリス王室物語 (講談社現代新書)