🍉しいたげられたしいたけ

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大量販売=大量廃棄?

久しぶりに生協で買い物をした。
インスタントコーヒーを切らしていて、いちばん手近な店が某大学の生協購買部だったのだ。
高さに唖然とした。いや、普段は近所のごく普通のスーパーで買い物しているのだが、それに比べても高い。値引きが少ないのだ。それから古さ。長いこと店晒しになっていたのだろう。賞味期限切れではないが、賞味期限までの残り期間を見れば、だいたいの見当はつく。あと、商品のキャップにホコリがたまっていた。
買ったけどね。一番安かった「coopオリジナルブランド」というのを。
いや、それでも生協はまだマシなほうなのだ。自分の仕事でご縁のある、個人経営の商店の苦戦ぶり…というより惨状…もっとはっきり言うと死屍累々ぶり…の理由を、かいま見た気がした。
いろんなケースに適用できる経済学の理論に「限界効用」というのがある。きちんと勉強したわけじゃないので間違っているかも知れないけど、店頭の在庫の場合に適用すると、商品がそこに「ある」というだけでも、人件費とか光熱費とかコストが発生する。ある程度のスピードで回転しない商品は、廃棄するしかない(保管コストが仕入れ原価を上回る)。店の利益を確保するためには店頭在庫の期間をいくら以下にしなければならないかというのは、店の商品棚の総面積や、人件費・光熱費などの固定費、そして原価と利益率などから、厳密に計算可能なはずである。はずである、っつーのは、私自身はやったことがない(^^;
しかし、いくらなんでもそれは、一年とか二年とかの単位には、ならないだろう。ところが個人商店では、一旦仕入れた在庫はとことん店頭に並べておく、という経営方針をとっているとしか思えないところが、いくらでもある。出先のひとつの近所にある薬局の店頭には、真っ白に日焼けした五箱入りのティッシュのケースが、何年も前からうずたかく積み上げられたままになって、「こりゃ歩いて数分のスーパーで買うわな」という値段が手書きされた値札が下げられて、いっしょに日焼けしている。
実際に現場に身をおいたことがあるわけじゃないから正確なところはわからないが、スーパーなど大手小売店では、商品ごとに在庫の期間がきっちり計算されてるんじゃないかな?そしてその期間を過ぎても売れない商品は、廃棄して、次は仕入れない。いかな大型店でも、スペースに限りはあるのだから、そのスペースを有効活用することが利益率を上げる手段である。
かと言って個人商店でもいきなりそれができるかと言うと、なかなかそうはいかないであろうところが、つらいところである。在庫を廃棄することすなわち損失の発生なのだから。要点は「保管コストが廃棄コストを上回る損益分岐点があるんだよ」あるいは「売れない在庫をいつまでも置いておくのは損だよ」ということなんだけど、その損益分岐点というのは、何もしなければ目には見えない、ってことやね。
例外に属するのはコンビニで、あれは個人商店がフランチャイズで衣替えしたところが多いのだが、フランチャイズ本部の指示で在庫期間が過ぎた商品はどんどん廃棄させられていると聞く。ところが廃棄する商品は原価ではなく販売価格で損失処理をさせられるため、フランチャイズ本部から見たら「売れたもの」と同じであり、コンビニ店主から見たら損失額が余計に大きくなるというカラクリがあるんだそうで、要するにこれは「本部ばかりが儲かる仕組み」ということで、あちこちで紛争のタネになっているのだそうだが、それはまた別の話…
そういう自由が利かないフランチャイズはともかく、資本力の小さい個人商店は、どうしたらいいものかね?在庫管理のいいフリーソフト(つまり損益分岐点を視覚化してくれるソフト)でもあればいいのだが(あるだろうね)、とか、いろいろ考えてみるのだが、なんかどうにも立つ瀬がないような気がする。
coopブランドのインスタントコーヒーは、おいしくいただいています。