『神仏習合』(岩波新書)

- 作者: 義江彰夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1996/07/22
- メディア: 新書
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仏像を見たことのない人は少ないだろうけど、神道の神像というものは、仏像ほどにはお目にかかる機会はないんじゃないだろうか。
言葉で説明するより、写真を示した方が早かろう。

新春特別展のちらしより、松尾大社の男神坐像と、

「熱田神宮宝物館だより」1月1日号より、熊野速玉大社の熊野速玉大神像です。
何というか、これ、仏像だよね?
仏像のゴテゴテした特長…螺髪とか白毫とか、光背とか蓮華台とかいった…は、当然ながら排除されているが、逆にそれでベースが仏像だということがよくわかる。
なんとなく神仏習合というものも、そんなものじゃないかという気がした。もともと神道というのは呪術的なものであったが、当時の先進地域で発達した外来思想である仏教の、いかにも仏教然とした教義を取り除いたエッセンスの部分すなわち「罪業の認識とそこからの救済」(p75他)を取り入れることによって、支配層にとっていわば「都合のいい」教義ができあがるという説明が、すんなりと腑に落ちるような気がしたのだ。
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