正確には 「ある医療系大学長のつぼやき」の人気エントリー と、弊エントリー です。
言及ありがとうございます。当該エントリーにもリンク追加させていただきました。しかし、拝読してまたちょっと書きたくなったので、新たにエントリーを起こします。
弊ブログはアフィリエイト広告を利用しています
漣 さんは、医学部の研究室で「テクニシャン」(技術補佐員)と呼ばれる非正規職に5年雇い止めを前提とした任期制が拡大することによる悪影響について書かれていた。ご興味をお持ちになった人は、ぜひご一読ください。以下の私の駄文より、はるかに読む価値があると思います。
駄文であることを自覚しながら、少し思い出語りを。
私は工学部出身だが、「テクニシャン」に該当するのは何と呼ばれていただろうかと思い返してみると、辛うじて「技官」と呼ばれる職が思い当たった
私がいたのは古いだけが取り柄みたいなところで、今はどうなっているか知らないが、当時は「講座制」と呼ばれるシステムを採用していた。教授の名を冠した「○○研究室」なる独立した組織を単位として、当時の名称によると教授-助教授ー助手ー院生―学部生というヒエラルキーで構成されていた。一言で言えば教授の独裁制で、予算の執行は教授の一存で決められていた。
で、研究室によって違うのだが、中には「技官」と呼ばれる職員を採用しているところがあった。その実態は、まぎれもない研究者だった。ポスドクに対して圧倒的に不足するアカポスを少しでも補うために、そういう方便を活用していたのだろう。つか簡単に想像がつくことだが、配分される研究予算は…
医学部>>工学部
であろう。工学部の研究室で、本来の意味での「テクニシャン」を雇うことができるところは、あったかも知れないが稀少だったのではないだろうか?
繰り返すけど、今はどうなっているか知らないよ。知らないけど、もし同じ制度が続いていたとして、そこに5年雇い止めを前提とした任期制が広がったとしたら、研究に対する影響は…
よけいに悪いじゃないか!
現在はどうなっているのだろう? 私が仕事先を通してかいま見ることができるところは、同じ国立大学というだけで、地方も違うし、理系ではあるが工学部という名称でもない。そこでは教授、准教授、講師ら常勤の教員が、「ゼミ」という名称で、かつて私が在籍したところとさして変わらぬ人数の院生と学部生をそれぞれ指導している。組織は階層的ではなくフラットなのだ。非正規でも研究者の受け皿となるポストを用意するとしたら、非常勤講師という肩書くらいしかないのだ。
これも容易に想像がつくことだが、配分される予算は
医学部>>工学部(あと多分理学部)>>その他の学部
であろう。無理からぬところである。
ややこしいことに、研究職ではなく共通科目(昔で言う「教養課程」)で学生の指導に当たる、元々の意味での非常勤講師も必要なのだ。そういう人も、やはり昔からいた。横文字を使うなら「インストラクタ」職ということになるのか?(無駄に 漣 さんに張り合って横文字使いたかっただけなんちゃうかい>自分
「技官(テクニシャン)」の予算を割いて研究員にポストを提供するのと、「非常勤講師(インストラクタ)」の予算を割いて研究員にポストを提供するのと、どちらが厳しいだろう? 研究員にとっては、技官として採用されたのであれば自分の研究だけしていることも許されるかも知れないが(実態はどうだったか知らないよ)、講師として採用されたら、まさか講義をしないというわけにいくまい。その分シビアなような気がする。
そこにまで5年雇い止めを前提とした任期制が広がったとしたら、研究に対する影響は…
よけいに悪いじゃないか!!
いつもの天丼芸で失礼しました。
え? 文系? 私学? やめてくれ、私に言わせんな。つかマジで知らないんだ。あえて書くなら前回のエントリーにリンクを貼った「東海圏大学非常勤講師組合」に敗訴の報告が上がっているのは、そういうところの人です。
おちゃらけている場合じゃないような気もするが、おちゃらけついでに、2ヶ月前にホッテントリ入りしたこの togetter も貼ってしまおう。
研究の現場はどこも、あらゆるリソースが不足する中「今日より明日の方が少しは楽になるはず」という幻想を抱くことによって現状に耐えつつ、実績を上げてきたのではないだろうか? だが予算を配分する側は「やればできるじゃないか」とばかり、四人分の仕事を三人どころか二人、一人とさらに容赦なく削減しているのが現実なんじゃないかと思う。
弊ブログはアフィリエイト広告を利用しています