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恒例の遅い初詣は今年は一畑山薬師寺と豊川稲荷で(後編:豊川稲荷編)

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豊川稲荷に対しては、先方からすれば「知らんわそんなこと」と言われそうだが、一方的に恩に着ていることがある。

話は少し長くなる。田舎の実家は古いだけが取り柄だが、古いだけあってヘンなものが出てくることがある。かつて裏庭に、大人の腰の高さほどの小さな古い社があった。なんでそんなものがあったかは、よく知らない。よそでも古い民家では、たまに見かける。うちの地方には「屋根神様」というのまである。

父親が亡くなる前に取り払ってしまったが、社の中にあったという、高さ10cmにも満たない小さな一対の狛ギツネの焼き物だけが残されていた。父親が亡くなった後、老母が気味悪がっていたが、モノがモノだけに捨てることもできず、長い間持て余していた。

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何かの機会に(と言って参詣以外にありえないのだが)豊川稲荷を訪れたとき、門前の土産物屋で、実家にあるのとそっくりな狛ギツネを売っているのを見つけた。なんのことはない量産品だったのだ。

新品を売っているということは、処分の方法もあるだろうと考え、店の人に尋ねたり、社務所、いや寺務所か、そんなところに尋ねたりした。結局、奥の院というところに納符堂というところがあって、そこに持っていけばいいらしいとわかった。

実際に納符堂というところに行ってみると、「紙や木でできたもの以外は持ち込み禁止」みたいなことを書いた張り紙があった。

一瞬、失望を感じながらも、たまたま寺の職員らしき人が堂に詰めていたので、「これこれこんな焼き物があるんですが、どうしたらいいですか?」と質問してみた。

そうしたら、大変ありがたいことに「持ってきてもらえばいいですよ」と言ってくれた。

次の年明けだったか、老母を連れ出して参拝した。老母はここぞとばかりキツネ以外の縁起物も、紙袋に一杯分くらい持って行き、全部そこに置いていった。物わかりの悪い年寄りのことで、連れ出すまでは、それでもなんやかんやと心配事を言っていたが、土産物屋の店頭で新品のキツネの焼き物を見せたら、納得してくれたようだ。

長年の懸案というものは、誰しも一つや二つは抱えていると思う。そういうものが綺麗に解決するというのは、なかなかあることではない。だがもしそういうことがあると、大変気分がいいものなので、印象に残っているのだ。

自ブログ検索したら、以前にも同じようなことを一度書いていた。

watto.hatenablog.com

そんなわけで…と言いつつ読者の方々は納得していただけますでしょうか? 私としては恩を感じないではいられないので、時間に余裕があれば参詣くらいしようと思うのだが、二、三年に一度くらいのペースでしか訪れることができない。

名鉄にて移動。豊川稲荷駅前ロータリー。

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境内へは、表参道を歩くのがいいと思う。だが駅からは、表参道の名前にそぐわない細い道を入っていかなければならないので、土地勘のない人は見つけにくいかも知れない。

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時計店が福袋を売っていた。ただし私は福袋は買わない主義。

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山門に接近。まだまだ人出はあるようだ。とは言え三が日に来たこともあるが、三が日とは比べようもないくらい人は減っている。

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山門をくぐったところ。露店まで出ていた。

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一の(?)鳥居。よく知られているように、豊川稲荷は正式名称を豊川閣妙厳寺という曹洞宗の寺院なのである。

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寺院に鳥居というのは珍しいでしょ、と書こうとしたら、マミー(id:mamichansan)さんのところの最新エントリーに、たまたま大阪四天王寺の西門の鳥居の写真が載っていた。

mamichansan.hatenablog.com

四天王寺は一度だけ訪れたことがあるが、これは見た記憶がない。明治以前の神仏習合と明治期の廃仏毀釈に関連して、現在どれくらいの寺社に神仏習合のなごりが残っているか、いずれちょっと調べてみたいと思う。

 

一の鳥居をくぐって本堂を望む。三が日にはこの通路が参拝客でいっぱいになるので、露店が出せる余地はないはず。交通整理ポリスマンが派遣され、場内整理アナウンスまで流されるのだ。

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二の鳥居と本堂。

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本堂。柏手を打ってる参拝者がいたが、寺院なので柏手は打たず静かに合掌するのが正解のはず。

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本堂前を右手に折れると、回廊があり、その下をくぐると奥の院に通じる。

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奥の院にも建物や参拝すべき場所はいっぱいあるが、有名なのは霊狐塚かな。奥の院の、さらに奥まったところにある。キツネの石像がぎっしりと並んでいて壮観である。新年のためか、キツネの赤い前掛けがみな新品になっていた。交換する手間は大変なことだったろう。

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本稿の最初で述べた納符堂。案内板には納 “付” 堂と書いてあるが、堂の表札の文字は納 “符” 堂なので、拙記事は後者に従った。細かいことだが。

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コンパクトな三重塔もある。

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参拝後の楽しみの一つが食事である。豊川稲荷は「いなり寿司」の元祖も称している。山門の真向いの店に入ってみた。

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「稲荷門前きしめん」というのを頼んでみた。

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実物。かき揚げや野菜の天ぷらの乗ったきしめんに、いなり寿司とかんぴょう巻きがついている。

歩き回った直後なので、お茶が急須でもらえたのが嬉しかった。

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門前の土産物店街。縁起物が多い。写真にはダルマばっかり写っているが、他にも熊手や、キツネのぬいぐるみも、人気商品なのか多く並んでいた。

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今回はなんとしてもこれは撮らねばと、狛ギツネの焼き物も探して撮ってみた。撮らなくてもよかったけど(どっちやねん?)。

田舎の実家にあったのがこれと同じものだったかは、忘れてしまった。だいたいこんなようなものだったと思う。解決済みの問題は、すみやかに忘れ去るのが吉であろう。

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