🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戊争反察Ceasefire Now! 䞀刻も早い停戊を

自炊の䜙犄創䜜を掚進する最重芁゚ネルギヌの䞀぀はパクリじゃないかずいうこずその

むろん䜜家自身が「パクリ」ずいう単語を䜿っおいるわけではない。䟋えば栗本薫は、惜しむべきこずに未完に終わった倧長線小説『グむン・サヌガ』シリヌズの第11巻『草原の颚雲児』のあずがきで、読者の「この䜜品の䞋じきになった䜜品があるのかどうか」ずの質問に答えお、こう曞いおいる。

答えは䞡方――ありたす、でもあり、ありたせん、でもありたす。この䜜品に先行しおいる、神話、䌝説、サヌガ、その他はたったくありたせん。いろいろな神話から神や人の名をかりおはいたすし、たた北欧神話の䞀郚などは少しむメヌゞしお、意識的にずりこんだ郚分もありたすが、党䜓ずしおはたったく私の創䜜です。むロン写本やアレクサンドロス兵法、「ケむロンの曞」等に関しおいうず、ラブクラフトにおけるネクロノミコンず同じこずです。しかし、いろいろな神話をかさねあわせるこずで、むメヌゞがふくらむのだったら、それもいいこずだず思うのですが。
しかし、䞋じき、ずいうのを、そういうものの䞭から生たれおきた、ずいうようにずらえるのなら、むろんいろいろなものがありたす。「䞉囜志」「氎滞䌝」「氎滞埌䌝」はいわずもがな。「デュヌン」「゚ゞプト人」「倧地」そしお特に、「䞉銃士」「女王の銖食り」「モンテ・クリスト䌯」などのアレクサンドル・デュマの䜜品。そしお私の奜きなたくさんのマンガ、映画。「アラビアのロレンス」やら「アンゞェリク」やら、「ロマン」やら。そしおむろん、コナン、火星シリヌズ、・・スミス「折れた魔剣」など。ノヌスりェスト・スミスやクトゥルヌ神話。

『グむン・サヌガ11 草原の颚雲児』P287

『グむン・サヌガ』シリヌズは、巻を远うに぀れお「あずがき」の文䜓がどんどん倉わっおいく。22巻『運呜の䞀日』のあずがきには、こんなこずが曞いおあった。

前回はおくめんもなく、ゎッドマヌズごっこをしたしたが、今回はさらにハレンチに「北斗の拳」ごっこしおるから、さがしおみお䞋さい。目いっぱい「オルフェりスの窓」ごっこもしたし、満足、満足。

『グむン・サヌガ22 運呜の䞀日』P280

“「北斗の拳」ごっこ” ずいうのは、これのこずかな

パルドゥヌルは激昂しお云った。
「ずもかくきさたのそのぞらずロずいうものは、䜕があっおもぞこたれない、どんなこずがあっおもうわおに出る、どんな悪人だろうずゆるし、理解しおやろうずいうんだから恐れ入る。しかし、いいか、グむン、少くずもさいごの勝ちはおれさたのものだぞ。おたえはわかるたいが、もうずっくに、勝負は぀いおるのだ。おたえはもう死んでいるのだぞ」

䞊掲曞 P165

グむンずいうのはシリヌズの䞻人公、パルドゥヌルずいうのは、た、雑魚キャラである。マンガ『北斗の拳』の䞻人公の決めれリフが「おたえはもう死んでいる」だずいうのは、䞖間では今でも芚えられおいるだろうか

あらずもがなの説明を重ねるず、『六神合䜓ゎッドマヌズ』ずいう1980幎代アニメは、忘れ去られたず蚀っおいいんじゃないだろうか。忘れ去られたずいうのは、同時代の芖聎者以倖ぞの広がりは獲埗しおいないんじゃないか、ずいう意味だ。キャラクタヌの造圢がよかったので、䞀郚の、今でいうずころの「ヲタ」ずか「腐」ずか呌ばれる局ぞの受けはよかったように蚘憶しおいる。だがストヌリヌ的には、さほど芋るべきものはなかったんじゃなかったかな だから私には探せない。

なお『オルフェりスの窓』は、池田理代子が『ベルサむナのばら』に続いお、ロシア革呜に取材しお描いた歎史マンガだが、こちらは私は読んでいない。17巻『䞉人の攟浪者』のあずがきに、こんな郚分があったので匕いおおく。私にはわかりたせんが、ご存知の人は楜しめるかも、っおこずで。

いや、぀いに「オル窓」しおしたったでせう。するおえず、マリりスがむザヌクで、シルノィアが、アネロッテさんで、クラりスが――たさかグむンっおこずはない。

『グむン・サヌガ17 䞉人の攟浪者』P288

豹頭の仮面―グむン・サヌガ(1) (ハダカワ文庫JA)

豹頭の仮面―グむン・サヌガ(1) (ハダカワ文庫JA)

 

栗本薫以倖で思い぀くのは、ミステリ䜜家の殊胜将之が、い぀も著曞の巻末に「参考・匕甚文献」ず称しお膚倧な文献リストを䞊べたこずだ。その早すぎる晩幎に刊行された䞀冊である『キマむラの新しい城』では、P458462の5ペヌゞ、60冊あたりに及ぶ。

最初の2ペヌゞ分だけ匕甚しおみる。

参考・匕甚文献


○マむクル・ムアコック『メルニボネの皇子』安田均蚳、ハダカワ文庫
○マむクル・ムアコック『この䞖の圌方の海』井蟻朱矎蚳、ハダカワ文庫
○マむクル・ムアコック『癜き狌の宿呜』井蟻朱矎蚳、ハダカワ文庫
○マむクル・ムアコック『暁の女王マむシェラ』井蟻朱矎蚳、ハダカワ文庫
○マむクル・ムアコック『黒き剣の呪い』井蟻朱矎蚳、ハダカワ文庫
○マむクル・ムアコック『ストヌムブリンガヌ』井蟻朱矎蚳、ハダカワ文庫
○マむクル・ムアコック『ルヌンの杖秘録額の宝石之巻』深町眞理子蚳、創元掚理文庫
○マむクル・ムアコック『ルヌンの杖秘録赀い護笊之巻』深町眞理子蚳、創元掚理文庫
○マむクル・ムアコック『ルヌンの杖秘録倜明けの剣之巻』深町眞理子蚳、創元掚理文庫
○マむクル・ムアコック『ルヌンの杖秘録杖の秘密之巻』深町眞理子蚳、創元掚理文庫
○マむクル・ムアコック『タネロヌンを求めお』井蟻朱矎蚳、創元掚理文庫
○マむクル・ムアコック『剣の階士』斉藀䌯奜蚳、ハャカワ文庫
○マむクル・ムアコック『剣の女王』斉藀䌯奜蚳、ハャカワ文庫
○マむクル・ムアコック『剣の王』斉藀䌯奜蚳、ハャカワ文庫
      
○フラン゜ワ・むシェ『絵解き䞭䞖のペヌロッパ』蔵持䞍䞉也蚳、原曞房
○『ザ・シェヌクスピア』坪内這遙蚳、第䞉曞通
○ゞャン・ド・ゞョワンノィル『聖王ルむ』䌊藀敏暹蚳、ちくた孊芞文庫
○須田歊郎『䞭䞖階士物語』新玀元瀟
○新倉俊䞀『䞭䞖を旅する』癜氎瀟
○橋口倫介『十字軍階士団』講談瀟孊術文庫
○ゞャン・フロリ『䞭䞖フランスの階士』新倉俊䞀蚳、文庫クセゞュ、癜氎瀟
○レゞヌヌ・ペルヌヌ、ゞョルゞュ・ペルヌヌ『フランス䞭䞖歎史散歩』犏本秀子蚳、癜氎瀟

 ã€Žã‚­ãƒžã‚€ãƒ©ã®æ–°ã—い城 (講談瀟文庫)』P458459

しかし䜜者自身がこういうこずを明蚘できるのは、元ネタが原型をずどめぬほど䜜者の䞭で消化されおいるずいう自信があるからだろう。この想像は、倚分間違っおないず思う。読者にパクリず指摘されるのは、未消化の元ネタが原圢のたたゎロリず出おきたケヌスなのだ。䜜者自身も気を䜿っおいるこずであろうが、そういうこずもたた、たたある。

なんか喩えが汚いけど気にしない。 

キマむラの新しい城 (講談瀟文庫)

キマむラの新しい城 (講談瀟文庫)

 

『グむン・サヌガ』に話を戻すず、『オルフェりス』『ゎッドマヌズ』に限らず、マンガやアニメが叀びるスピヌドの速さに驚かされるこずが、しばしばある。二、䞉日前にネット某所で、若い人倚分に『巚人の星』が通じなかったので衝撃を受けたこずがある。仕方ないよな。あのマンガが珟代の県の鑑賞に堪えるずは、ずおも思えない。たた新䜜は、䞖代亀代のサむクルが早すぎお、幎寄りには぀いおいけないのだ。その点、小説などの掻字は、䜕䞖玀もの幎を越えお読み継がれる叀兞の存圚をひずたず棚に䞊げるずしおも、䜜品寿呜の心配をあたりしないで枈みそうに思われる。

しおみるず、パクるずしたら「マンガ」→「掻字」ずいうのが狙い目だろうか マンガからマンガぞのパクリは、あたりにも事䟋が倚すぎお、もはや䌝統芞ずいうべきものだろう。䞀぀二぀具䜓䟋を出すず、かえっお䞍自然に感じるくらいだが、すぐに思い぀いたのは、぀げ矩春の『李さん䞀家』ずいう短線である。あのオチをパクったマンガ家は、ずり・みき、山本盎暹森山塔など枚挙にいずたがない。これらのヘンなマンガを、それからどうしたかずいうず、実はただ読んでいるのです。

 

「マンガ」→「掻字」で、「あ、コレはアレのパクリにちがいない」ず思った䟋ずしお、癜戞䞉平『忍者歊芞垳 圱䞞䌝』→隆慶䞀郎『圱歊者埳川家康』ずいうのを思い぀いた。䟋によっお根拠は「私がそう感じた」ずいうだけである。『圱歊者埳川家康』は『北斗の拳』の䜜画家原哲倫によっおコミカラむズもされおいるが、本皿では小説版のみに沿っお話を進める。

『忍者歊芞垳』の終盀に、こんなシヌンがある。䞻人公圱䞞の効にしお自身も忍者であるヒロむン明矎が、敵の忍者集団に囲たれ呜を狙われるのだが、敵の陣圢を芋お即座に「 侊 右 *1に逃げるしかない。だが片腕は斬られる」ず぀ぶやく。

そしお次のコマで、たさしく自らが予枬した通りになるのである。

マンガ史に残る屈指の名シヌンだず思っおいる。そう思っおいるのは倚分私だけではなく、盞原コヌゞの忍者マンガ『ムゞナ』には、序盀のほうで䞻人公ムゞナの父が暗殺される盎前に、これずそっくりなシヌンがある。

盞原コヌゞには『ムゞナ』に先行しお『サルでも描けるたんが教宀』ずいう䜜品があり、これがたさしく「パタヌン分類によっおマンガを描こう創䜜しよう」ずいうのがテヌマなのだが、そっちの話を始めるず長くなるので、さっさず『圱歊者埳川家康』からの匕甚を瀺す。

もずもず忍びの特色は、その決断のよさにある。たずえば、どうしおもかなわぬ盞手ず立ち合う砎目になっお、十䞭九たで斬られるこずになったらどうすればよいか。忍びは自ら進んで斬られろ、ず教える。自ら進んで、ずいうずころに、忍びの智恵ず決断がある。自ら進んで、ずいうこずは、盞手が斬ろうず思う郚分を斬らせるのではなく、自分がここなら斬られおいい、ず思った郚分を斬らせるこずだ。たずえば巊腕である。巊腕を切断されおも即死はしない。だが䜕人もわざず腕䞀本斬らせはしたい。だからこそ故意に巊腕を切断させるこずは盞手の意衚を぀くこずになる。その䞀瞬の隙を぀いお逃げろ、ずいうのだ。考えるこずはだれにでも出来る。だが咄嵯に実行に移すには、倧倉な決断が芁る。おふうは忍びであるために、垞時倧きな決断を匷いられおいたわけだ。 

『圱歊者埳川家康〈䞭〉 (新朮文庫)』P293

どうでしょう やっぱり䞡方の元ネタを知らないず、ピンず来ないかな

ずきに隆慶䞀郎は『䞀倢庵颚流蚘』がやはり原哲倫によっお『花の慶次』のタむトルでコミカラむズされおいたりする。䜜颚がマンガずの芪和性高いのかも知れない。

隆慶䞀郎に察しおは、もう少し蚀いたいこずがあるが、長くなるのでここでたた䞀旊皿を改める。

この項続く。

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*1:ご指摘あっお修正したした。ご教瀺に感謝したす