難しいけど、考えてみた。「算数」タグは作ってないから「数学」タグを使うしかなかった。
ごくま@mtchac(id:go_kuma)さんのこちらの記事に、言及失礼します。
例えば 52 ÷ 4 を筆算で計算するとしたら、計算の過程で…
のように「4を引く」という操作が出てくる。
小学3年生だった ごくま@mtchac さんは、なぜ割り算の筆算で引き算が出てくるのかに疑問をもち、お母さまにその疑問をぶつけたそうだ。
だがお母さまは、ごくま@mtchac さんに対して筆算の手順を繰り返し説明するだけで、なぜ引き算が出てくるのかという疑問には答えてくれず、ついに ごくま@mtchac さんは「なんでここで引くのかって聞いてんの!」と癇癪を起こしてしまったとのことだった。
このくだりを読んで、私もはたと考え込んでしまった。
なぜこうすると正しい答えが得られるのかを、小学生にわかるように説明するのは、至難の技というものではないだろうか?
私だったらどう説明するか、例によってあれこれ愚考を巡らせてみた。
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まず「割り算」というものがどういうものであるか、おさらいから始めるのがいいだろうか?
52 ÷ 4 より易しい 20 ÷ 4 というのを例にとって、反故紙の裏にこんな図をざっと描いてみよう。
「20 ÷ 4 というのは、『20個の黒丸を4つのカタマリに分けたら、ひとつのカタマリの中には黒丸がいくつあるか』ということだよね?」
そして、こんな言い換えを行ってみる。
「でも、『20個の黒丸から4個ずつ黒丸を引いていったら何回引けるか』と言っても同じだよね?」
ここであざとく「引く」という言葉を忍ばせている。20個の黒丸を 4行 × 5列 に並べて描くのも、相手を丸め込む、もとい、理解を促す工夫のつもりである。
「コンピュータでは割り算を『引き算を何回繰り返して実行できるか』で計算している」という説明は、相手を混乱させるだけだから、よしといたほうがいいかな?
小学3年生くんは、ここまで納得してくれるだろうか? もし納得してくれたら、いよいよ「52 ÷ 4」の説明に入る。
「52というのは、黒丸10個のカタマリ5つと、黒丸2つということだよね? だからこんなふうに描いてみるよ。いいかな?」
10個の黒丸をちまちま描くのは大変そうに見えるかも知れないが、10という数はあんがい少ないのでなんとかなるはずだ。
「4で割るということは、黒丸を4つずつ引いていくということだろ? だったら本当に4つずつ引いて行ってもいいけど、面倒だから10個のカタマリをまとめて4つ引いちゃってもいいよね? ダメ?」
子どもはあんがい面倒臭がりだから、同意してくれる…はず。
「筆算記号の横線の上に『1』と書いたのは、10個まとめて引いたということを覚えておくためなんだ。『10』と書かないのはなぜかって? 1の位の数字がゼロじゃないかも知れないから、『1』は10の位のところに書き込んで、1の位のところは今はあけておくんだ」
この説明は難しいかもしれない。
「そして残った10個のカタマリの袋を開け、2個の黒丸と合わせる」
「最後にそこから黒丸を4つずつ引いてゆく。何回引ける? 3回だね。だから『3』を1の位のところに書き込むんだ。これで正解」
うーん、書いてみて思ったけど、こういう説明って実際に相手がいなくちゃダメだよね。どこまでついてきてくれて、どこで立ち止まるかがわからない。そして相手が立ち止まったところで、なぜそこで立ち止まったかを理解しなきゃならない。
どこで立ち止まるかは予測不能だし、もし立ち止まってもゴールまで相手の手を引っ張っていくということだけは、やっちゃいけない。
つまり臨機応変に対応しなくちゃいけないのだ。そうするとこのエントリー自体の意味があまりないように思えてきたけど、書いてしまったので公開することにします。
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