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テスラバルブ・ブリッジを用いて波力発電を実現する素案

はてなホッテントリ経由で、とても興味深い記事を読んだ。

nazology.net

ナゾロジー さんの記事によると19~20世紀に米国で活躍した天才技術者 ニコラ・テスラは 、可動部を一切持たないバルブを発明していたという。 以下「テスラバルブ」と呼称する。

テスラバルブ の画像を ウィキメディア さんよりお借りします。コモンズ表示これでよかったっけ?(誰に訊く?

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Cmglee, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 

上掲ウィキメディア画像の上側は左から右に水を流そうとしたところだが(逆方向)、乱流が発生し流水抵抗が増すのでスムースに流れないという。いっぽう下側は右から左に水を流しているところだが(順方向)、乱流が発生しないので比較的スムースに流すことができるという。

ナゾロジーさんの記事によると、形状だけで流れを制御するため一般的なバルブと比べて非常に耐久性が高くメンテナンスフリーという特長を持つとのことだ。

 

そして近年、ニューヨーク大学クーラント数理科学研究所の レイフ・リストロフ 准教授らの研究チームは、テスラバルブを用いて電気回路のダイオード・ブリッジに似た流体回路を構成することによって、ちょうど電気のAC(交流)をDC(直流)に変換するように流体の振動すなわち「波」を一方向の「流れ」に変えることに成功したという!

 

ナゾロジーさん記事P2より図を孫引きさせていただきます。一部トリミングしています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/watto/20210520/20210520201127.jpg

テスラバルブで作られたAC-CDコンバーター - ナゾロジー より

上掲図左側 'a electric'(電気回路)のダイオード・ブリッジに倣って、拙記事中では右側 'b fluidic'(流体回路)をテスラバルブ・ブリッジと呼称してみる。

ダイオード・ブリッジ(およびテスラバルブ・ブリッジ)による整流作用の原理の説明は、省略させていただく(不親切

 

これで海の波を用いて水力発電機を回せば、再生可能エネルギー界に期待の超新星が爆誕だ!…となるかというと、簡単にはいかなそうだ。複雑な形状の構造物を海水に沈めると、即座にカキやフジツボや海草などなどが付着してたちまち用をなさなくなるだろう。

じゃあどうすればいいか? ということで、よくやる妄想をたくましくしてみた。

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上掲図右側 'b fluidic' を、純水を満たし完全に閉じた循環系として構成する。ちょうど原子力発電所の一次冷却水系のように。

同図 'PIV section'(「流速測定部」の意?)の部分に、水力発電機を設置する。

そして同図の "reciprocating piston"(往復運動ピストン)の部分を、下図イメージのように構成するのである。

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図中央の水色の部分は純水を満たしたパイプで、緑色の円柱は中空により比重を純水と同じにした鉄製のシリンダーである。

黄色い円環はフロートで、磁石を固定している。イメージなのでわかりやすいよう磁石を馬蹄形に描いたが、もし本当に作るとしたらたぶん回転機の固定子のような形状になるだろう。

自分で描いといてなんだが、小学生の男の子が描きそうな絵だな。まあいい。

 

このパイプを海面に垂直に立てフロートを海面に浮かべると、海面の波によってフロートが上下し、フロートに乗った磁石に引っ張られてパイプの中のシリンダーが上下運動する。すなわちパイプの中の純水が振動する。

これをテスラバルブ・ブリッジにより一方向の流れに変換し、負荷の発電機を回そうというのである。

 

純水を完全な密閉系にすることは、原子力発電所ですでに行われている技術なので不可能ではないどころか、高温かつ高放射線量の核燃料と接触しないだけ技術的な難度はかなり低いのではなかろうか?

密閉系の内側はほぼ完全なメンテナンスフリーを目指すとして、外側すなわちパイプの外壁・フロート・磁石などは特殊な構造を必要としないから、まめに掃除すれば維持できるのではないだろうか?

 

言うまでもなく日本は海洋大国で、港という港には防波堤が廻らせてある。その外側にこんなパイプを林立させフロートを浮かべて波力発電を行えば、温室効果ガス排出46%削減の目標達成の一助になりませんか? ダメ?(誰に訊く?

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