しいたげられたしいたけ

ルワンダ虐殺の責任を問われたラジオ局DJの弁明「殺せなどとは一言も言っていない。俺はただ、危ないぞと言っただけだ」

アニメ版『ポプテピピック』は『ウゴウゴルーガ』? 『セサミストリート』? それとも…?

年寄りが若い人の流行りを理解するのは難しい。「これが流行っているのかな?」と思うと外すことがあるし、外していなくても、あっという間に旬を過ぎてしまう。何より「なんでこんなものが受けてるんだ?」と理解に苦しむことが多い。

前二者は諦めるしかないとして、最後のものについては、過去にあった何かに似ていると考えることで、理解しようとするおっさんおばさんは、私以外にも少なくないように思う。

 

去年人気が出たアニメ『けものフレンズ』に関しては、「ポストアポカリプス」という表現を、たびたび目にした。「黙示録後の世界」=「破滅後の世界」ということで、ま『猿の惑星』だ。

もう4年も前になってしまったが、『キルラキル』というアニメを猛烈に推している若いネット知人がいた。いわゆるマイミクさんだ。mixi は退会してしまったけど。この作品については、『男組』という古いマンガとの類似の指摘する人がいた。絶対的な権力を持った生徒会長率いる生徒会に支配された学園に、主人公が転校してくるという物語だ。生徒会長はラスボスではなかったというところまで一致している。ちなみに『男組』の原作は雁屋哲、作画は池上遼一という濃いスタッフだった。

 

いずれもそれなりに「なるほど」と思った。

で、コレだ…

出会い

アニメ版『ポプテピピック』は、「はてな」ホッテントリだとか twitter のタイムラインとかに、やたらと情報が流れてくる。「クソアニメだと思ったらクソアニメだった」のような、褒めてないんだか貶してるんだかわからない評価(一緒だ一緒だ)ばかりだったのでスルーしようかと思ったが、ついリンクを踏んで、一話、二話と視聴してしまった。内容に関しては、「ねとらぼ」さんのこちらの記事であるとか、すでにレポートが多々アップされているので、拙記事では端折らせていただく。

nlab.itmedia.co.jp

オープニングのチート、AパートとBパートが声優だけ入れ替えた再放送といったギミックはさて置く(それにしても「二回以降もやることはないだろう」という疑問は感じないでもないが)。肝心の内容だが、不条理系、パロディ多用ということはわかるが、正直これのどこが面白いのか私には理解不能なものが多かった。どこが面白いのかわからない作品は世の中にあふれているにしても。

しかし、幼児に見せたら喜んだというツイートを偶然読んだことで、なんとなく腑に落ちたような気がした。他の人のリツイートかファボがタイムラインに流れてきたもので、知らない人のツイートだったが。

そう、CMのように短い間隔で寸劇が切り替わるのは、子どもには観ていて快いのだ。たぶん大人にとっても。しかし大人の場合、「いまのオチはどこ?」と考えてしまう分だけ、快さが削がれるのではないか。人によっては「オチがない!」と怒り出すかも知れない。オチというフォーマットを必要とするだけ、大人は子どもより楽しめなくなるのだ。

 

それで思い出した。これはかつての『ウゴウゴルーガ』だ。

1990年代前半にフジテレビ系列で放送された『ウゴウゴルーガ』は、やはりコーナーが短い間隔で切り替わる形式だった。子ども番組と言いながら幅広い年齢層にファンを獲得したのは、こうした形式自体にどこか魅力があるんだと思う。放送時間帯が朝で、出勤前の好きなタイミングで視聴を打ち切ることができるという条件もあったかも知れないが。

内容も、なんてことのないものが多かったよね。「ミカンせいじん」って結局何だったんだ? 「ぷるたぶちゃん」って何だったんだ?(確認のために検索したら、「ぷるたぶちゃん」のキャラデザは「おしりかじり虫」の うるまでるび だったの!? 知らんかった!

さらに遡ると、『ウゴウゴルーガ』のお手本は米国の子ども向け番組『セサミストリート』だと言われる。日本では長らくNHK教育テレビで吹き替えも字幕もなしで放送されており、後にテレビ東京系列に移籍した。もともと移民の子など英語やアルファベットが達者でない子ども向けに制作されたと言われ、私も英語上達を期待して定期的に視聴していた時期があった。私の英語は全く上達しなかったけど。

これも念のために検索したのだが、『セサミストリート』をモデルに制作された日本の子ども番組は、他にもいっぱいあるようだ。

   *       *       *

『ウゴウゴルーガ』や『セサミストリート』にはなくて『ポプテピピック』にあるものもある。コーナーの切り替えのたびに挿入されるアイキャッチだ。私に思い出せるのは、さらに古い番組だ。1969年放送開始の『巨泉×前武ゲバゲバ90分! 』である。これくらい遡ると、私自身の子ども時代に重なる。食い入るように視聴した記憶が残っている。日本テレビ系列で放送されたこのバラエティ番組は、短いショートコントを、アイキャッチでつなぐ形式だった。アイキャッチは、こちらのDVDパッケージに載っている「ゲバゲバおじさん」と呼ばれたキャラが「ゲバゲバ」と言いながら舌を出すだけのアニメだったり、あとミュージシャンのハナ肇がヒッピーの格好をして「あっと驚くタメゴロー」とだけ叫ぶ実写だったりであった。

巨泉×前武 ゲバゲバ90分! 傑作選 DVD-BOX

巨泉×前武 ゲバゲバ90分! 傑作選 DVD-BOX

 

ナイター中継を売り物にしていた日テレ系列が、プロ野球のオフシーズンのいわば埋め草として制作した番組である。だから90分という、他にあまり見ない放送時間になっている。それが意外に人気を博したのだ。いや、大橋巨泉、前田武彦、萩本欽一ら当時の人気タレントを多数起用していたので、埋め草呼ばわりするのは失礼で、それなりに本気だったのかも知れない。

若い方でも、こちらの「キリンのどごし生」のCMに使われているBGMが「ゲバゲバ90分のテーマ」だ、と言えば、へぇ、とくらいは思っていただけるのではないだろうか?


香椎由宇  CM キリンのどごし生

思うに、ストーリーの原型がとうに出尽くしていると言われるように、テレビ番組のコンセプトも単独で全く新しいものを考え出すのは、今や至難なのかも知れない。しかし、素材は有限でも組み合わせは一気に数が増える。「ミステリだと思ったらホラーだった」「ホラーだと思ったらミステリだった」「クソアニメだと思ったらクソアニメだった」といった具合に。最後のは違うが、「久しぶりにこのギミックを使ったか!」「このギミックとこのギミックを組み合わせたか!」という可能性は、いろいろ想像するだけでも楽しめるんじゃないだろうか。

「ニセOP」や「BパートがAパートの再放送」は、もういらんけどな。

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