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カント『純粋理性批判』も読む

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)』(講談社選書メチエ)の当該部を読み返してみた。
カントに先立って、イギリス経験論の祖ロックは「われわれの心は、初めはまったくの白紙であり、後にわれわれの心に存するようになるいっさいのものは、すべて経験からやってくる」(p37)と述べた。
ロックへの反論として、ドイツの哲学者ライプニッツは「経験に先立って、心にはあらかじめ何らかの概念や原理がそなわっているからこそ、認識が成立する」(p39)と主張した。これを合理論というのだそうだ。
で、我らがカントはというと、この両者を統合的に乗り越え、超越論と呼ばれる立場の確立を、『純粋理性批判』で目指しているのだそうだ(p42)。
これが、「第一版序文」における「女王の比喩」の部分に正確に当てはまるのかどうかは、わからない(実はロック・ライプニッツ以前にバークリーという重要な人物がいて、彼の主張するところは懐疑論である。つまり「物が存在するから、見える」ではなく「物を見るから、存在する」という主張である。つかそういう主張も矛盾なく成立することを指摘した、と表現するべきであろうか?黒崎書p32〜34)。だがどんなジャンルにも先行者というものが存在し、新しい思想や書物それら前史を踏まえて登場するものだ、という一般論だけを頭において、つかだいたいそんなことを言っているのであろうと勝手に納得して、先に進むことにしよう。

純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)

純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)