🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戦争反対!Ceasefire Now! 一刻も早い停戦を!

哲学

あまり自信ないまま言うのだが霊感商法への対抗方法として伝統宗教にある程度の力があるのではないか(その3)

なかなか手がつかないと言いながら、書き始めてみると今度はいくらでも書けてしまいそうでキリがない。 もし知識がなかった人が 前回の拙記事 を読まれたら、どんな感想を抱かれただろう?「信じられない」「荒唐無稽」といったところだろうか? 浄土三部経…

バートランド・ラッセルと東浩紀氏

書きたかったことはピンポイントだが、ブックマークコメント100字やツイッター140字の制限には収まらなかったので、自ブログにまとめる。 問題の背景は あままこ(id:amamako)さんのエントリーにソースが追跡できる形でまとめられているので、ブログカード…

中公文庫『大乗仏典(12)如来蔵系経典』所収『不増不減経』の構造はカント哲学とそっくりではないか?

あいかわらず蔵書の「裁断機でバラす」→「ScanSnap で電子化」(いわゆる自炊)という処分を、ちびりちびりと進めている。 そのうちの一冊『大乗仏典〈12〉如来蔵系経典』(中公文庫) をバラした際、同書に収録されている短い経典をいくつか読み返した。 確か…

「検証も反証もできない命題は科学の対象外」とする「ポパーの反証主義」について

なんでもやることが遅いのが悪い癖で、「松本零士『ミライザーバン』と「ニューカムのパラドックス」(後編:「自由意志は存在するのか?」という問題)」というエントリーを書いた直後から、「書かなくちゃ」と思っていたのに、3週間以上も経ってしまった。…

松本零士『ミライザーバン』と「ニューカムのパラドックス」(後編:「自由意志は存在するのか?」という問題)

前回のエントリー で述べた「ニューカムのパラドックス」と「マシュマロ実験」の相似に関しては、パラドックスの本質というかパラドックス提唱者の意図というかを、はぐらかしているという自覚がある。パズルやパラドックスに対しては「はぐらかし」も戦術の…

竹田青嗣氏の著書に関する思い出

今回は dk4130523 (id:cj3029412)さんのエントリーに乗っからせてもらいます。 dk4130523.hatenablog.com dk4130523 さんの思想遍歴というべき幅広い内容を扱っているのですが、その中に竹田青嗣氏についてごく簡潔に触れている部分があって、ピンポイント…

「もし命題Aだと思えば命題Aの否定が成立する」という形式のパラドックスについて

「もう一人の自分自身の正体は誰か?(その5:たぶん完結) - しいたげられたしいたけ2」で完結させずに中断してしまった話題に関して、実は例によって「はてなダイアリー」の方にその続きみたいなことを書いていたので、再掲になりますがこちらにもまとめ…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(後奏曲〔ポストリュード〕)

「その5」の末尾が(つづく)だったので誤解を招いたようですが、「もう一人の自分自身の正体は誰か?」の残っている原稿は、あれでおしまいです。続きはありません。 ただし書いた本人が12年の経時劣化を伴って存在していますので、もしご質問、ご意見等あ…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(その5:たぶん完結)

蛇足 未公開の原稿をアップします。前回分と同様、問題を無駄に拡げただけで畳もうとしていません。「間奏曲〔インテルメッツォ〕」で述べた通り、問題を相対化あるいはワン・オブ・ゼムにしようとの試みです。 私なりの「もう一人の自分自身の正体は何か?…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(その4)

蛇足 ローカル読書サークル会報に公開した文章は、今回が最後です。ご覧のとおり尻切れトンボです。これは連載が思ったほど評判良くなかったことと、この頃恥ずかしながら読書サークルのメンバーとつまんないことで諍いをやらかして人間関係が悪化し、ほどな…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(その3)

言い訳 このへんから、再掲するかどうか迷う内容がどんどん出て来ます。今回は冒頭に唐突にヴィトゲンシュタインなんて名前が出てきたりします。ヴィトゲンシュタインは分析哲学の人で、第一回目にタネ本として述べた現象学とは別系統になります。哲学のある…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(間奏曲〔インテルメッツォ〕)

自分の書いたものを自分で再読した感想です。 わかりにく~っ!(TДT; 仮にも人様に読んでもらおうというものを、自分で「わかりにくい」とはなんたる言語道断! 三行でまとめろ! ごもっとも。ということで、ちょっとでもわかりやすく書き直せないかもう少…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(その2)

言い訳 原稿は全4回分あります。ただし前回提示した問題に対する私なりの一応の結論は、今回の第2回目に示しました。その意味で今回が一旦の完結となります。3回目と4回目は敷衍で、しかも未完結であることを今のうちにお断りしておきます。 スポンサー…

もう一人の自分自身の正体は誰か?(その1)

前口上 ネットの話題で触れておきたいと思いながら時機を逸してしまった話題です。時機を逸したどころか、元ネタがどれだったかも失念してしまった始末です。確か「はてな匿名ダイアリー」(「はてな」内部での通称「増田」)だったはずです。後でもう少し探…

備忘的に

歴史の必然がナポレオンを生んだという説明は、それなりに理解できる。 それでは、なぜ私はナポレオンではないのか?遺伝子が自分自身の維持のために「私」という意識を生んだという説明は、それなりに理解できる。 それでは、なぜ私は「私」なのか? 弊ブロ…

カント『純粋理性批判』も読む

篠田訳『純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)』p18半ば以降、カントは経験というものに依存しないで、理性の働きだけを問題にする旨を述べる。そんなことができるのだろうかという疑問は湧く。カントは「普通の論理学」も模範になってくれるという意味のこ…

カント『純粋理性批判』も読む

ちょっと間が空いてしまったけど、前回の茶々入れに自ら訂正を加えると、テレビのクイズ番組の正解というのは「経験」により与えられるものの部類であり、形而上学の守備範囲ではない。形而上学とは(『純粋理性批判』の序文の、ここまでの部分による限り)…

カント『純粋理性批判』も読む

篠田訳『純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)』のp17は、めずらしくすらすらと読める箇所が続く。読めるところは読むしかない。 カントの言わんとするところは、「批判」という唯一つの手段を用いて、形而上学の課題で解決されなかったものは「ただの一つも…

カント『純粋理性批判』も読む

篠田訳『純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)』p16原注の後ろ5行。 カントは、ここで自分の言う批判というのは(原注直前の「純粋理性批判」の語に含まれている「批判」という語を指すと思われる)、理性能力一般に対する批判なんだ、そしてそれは「原理」…

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門』(講談社選書メチエ)

カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)作者: 黒崎政男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/09/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 24回この商品を含むブログ (32件) を見る再読。しかし初読と変わんないわ。前に読んだときの…

カント『純粋理性批判』も読む

篠田秀雄(訳)『純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)』のp16に、原注がある。 前ページの「判断力」という語にかかる注釈である。判断力という語は、「形而上学に対する無関心は、軽薄な考えの結果ではなく、見せかけの知識に釣られない現代の成熟した判断…

カント『純粋理性批判』も読む

前回は篠田秀雄(訳)『純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)』の「第一版序文」の、p15前半まで読んだ。カントの生きた「現代」において、形而上学が一旦「倦怠とまったくの無関心」のどん底まで落ちたことが述べられている。 上掲書p15後半では、だいたい…

カント『純粋理性批判』も読む

篠田秀雄(訳)『純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)』p15の前半は、カントの生きた時代に、形而上学がいったん倦怠との無関心の中に打ち捨てられ、いわば落ちるところまで落ちた状態が述べられている。だが落ちるところまで落ちたということは、再スター…

カント『純粋理性批判』も読む

黒崎政男『カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)』(講談社選書メチエ)の当該部を読み返してみた。 カントに先立って、イギリス経験論の祖ロックは「われわれの心は、初めはまったくの白紙であり、後にわれわれの心に存するようになるいっさいの…

カント『純粋理性批判』も読む

純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)作者: カント,Immanuel Kant,篠田英雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1961/08/25メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 93回この商品を含むブログ (79件) を見る見出しが宮沢章夫氏の『『資本論』も読む』のパクリのま…

カント『純粋理性批判』も読む

純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)作者: カント,Immanuel Kant,篠田英雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1961/08/25メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 93回この商品を含むブログ (79件) を見るちゃんと読んでますよ、ええ。 前回までを要約すると、我…

カント『純粋理性批判』も読む

難しい本にチャレンジするときに、よくある現象なんだけど、本を閉じて小口*1を眺めると、前の方ばかりが手垢で汚れていて後の方が真っ白であることに気づく。んでもって昔はよくそれを反省して、「前の方ばかりに注力するのではなく、全体に均等に注力しな…

三浦俊彦 『ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学』(岩波新書)

ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学 (岩波新書 新赤版 (975))作者: 三浦俊彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/10/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (51件) を見るうわっ、これは面白い!ラッセルは、なんとなく…

カント『純粋理性批判』を読む

三日目である。 ようやくこれで三日坊主の資格ができた。だがまだ一ページ目も読み切っていない。しかしそんなことは驚くに値しない。なにせ30年かけて読めばいいのだ。 ちなみに『純粋理性批判』を読破したら、次は『存在と時間』を読もうと思っている。な…

カント『純粋理性批判』を読む

をいをい、いいのかよホントに始めちゃって… 最初くらい、思いっきり受けを狙った進め方をしてみようと思う。無理をしても続かない。無理をすると、そのときだけは頑張れちゃうけど、結局長続きしない。これは経験が教えてくれる鉄則である。 そして万が一ラ…