しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを要求しない

バクシーシ山下『ひとはみな、ハダカになる。 (よりみちパン!セ 29)』(理論社)

ひとはみな、ハダカになる。 (よりみちパン!セ 29)

ひとはみな、ハダカになる。 (よりみちパン!セ 29)

一冊読んで面白いと、すぐに類書や同じシリーズを買い込む悪癖が…「よりみちパン!セ」シリーズをまた買ってしまった。
著者はAVの元男優にして監督(すみません、この人の出演作品も監督作品も観たことはないんです)。AV業界の実態を中高生向けに語る…いいのか?しかし「事実を事実として語る」という姿勢は、若干の説教臭さが鼻につかないでもない『いのちの食べかた (よりみちパン!セ)』よりは好きかもしれない(いや、『いのちの…』も嫌いじゃないんだけどね。でなきゃまた買わない)。
例えば著者は、高校を卒業して芸能界に憧れたりして地方から上京し、いつのまにか方向違いのAVにスカウトされビデオに出る女の子たちを、間近で大勢見ている。そういう女の子の一人から、卒業アルバムを見せてもらうと、クラスでもかわいい女の子だったのだなとわかる(p81)というくだりを読んで、けっこうな衝撃を受けた。
昔、明石家さんまがどっかで「吉本興業には、クラスでも一、ニを争う面白い奴らが全国から集まってくる」という意味のことを言っていたのを思い出した。結論は「だからヨシモトが面白くないわけがない」だったのか「だから芸能界の競争は熾烈なのだ」だったのかは忘れた。結論が問題なのではなく、その説明がリアルでイメージしやすかったことが印象的だったのだ。
神社の敷地で撮影しようとして「バチが当たる」と泣く女優さんをスタッフが必死に説得したりとか、撮影で使うロバを動物プロダクションから借り出してマンションの廊下を連れまわしたらマンションが部屋を貸してくれなくなったとか、この業界のヘンテコリンなエピソードを次々と語る著者自身も、ヒンディー語で「喜捨」を意味する「バクシーシ」という芸名を名乗ったりしているあたり、相当に変わった人のようである(←褒め言葉です)。
いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)