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晴|日記

尾形英夫『あの旗を撃て!―『アニメージュ』血風録』(オークラ出版)

あの旗を撃て!―『アニメージュ』血風録

あの旗を撃て!―『アニメージュ』血風録

著者は、2007年に故人となった『アニメージュ』初代編集長。
三流週刊誌編集部-アサヒ芸能と徳間康快の思い出』の佐々木崇夫と同じく『アサヒ芸能』編集部出身なのだが、『アサ芸』の話題は本書にはほとんど出てこない。『三流週刊誌編集部』には『アニメージュ』他の話題が少なかったのと好対照である。何度も繰り返すけど、どう考えても『アサ芸』は『アニメージュ』やジブリとは異質だよなぁ。なにせ最新号のリードが「上戸彩"火照る肉体"と"一棒主義"」だもんなぁ…あ、それは『週刊実話』か?^^;
『アニメージュ』や『ロマンアルバム』の母体となった『テレビランド』は、徳間書店が他社から編集スタッフごと買い取ったものである(本書には出てこないが『三流週刊誌編集部』(p295)によると、元は東映と密な関係にあったという黒埼書店)。
著者は『アサ芸』から『テレビランド』の編集長に抜擢されるが、当初『テレビランド』の業績は低迷し、徳間社長から廃刊をほのめかされたりする。
そこからアニメブームを先取りしてヒットを連発するサクセスストーリーは類書で述べられている通りだが、本書で描かれる、編集部を訪れる大学生を中心とする熱心な若いファンのエネルギー、才能と情熱を、上手に取り入れる手腕や、雑誌からアニメグランプリ、アニメグランプリから映画製作(『ナウシカ』)と、イベントを契機にビジネスを多角化するテクニックは、学ぶべき点が多いと思う(これらはさらに要約すると「顧客の生の声を聞く」という、あたりまえすぎるくらいあたりまえのことに行き着くと思う。しかし、本書でたびたび名が挙げられ、つまりは著者がそれだけ意識していた「メディアミックスの元祖」角川書店が、その後、経営者が神がかり的になったりして少なからぬ迷走を経験したのは、この基本中の基本を少なからずなおざりにしたからではないかと推測される節がある)。
ただし、著者らが次々に上げる華々しい成果に対して、徳間書店の他の部門の反応は恐ろしいまでに冷淡だったという。さもありなん。なにせ『アサ芸』の最新号は上戸はいそれは『週刊実話』ですすみません。
なお、本書の後半は、同業の老舗・新潮社と組んで『火垂るの墓』、ヤマト運輸と組んで『魔女の宅急便』、JALと組んで『紅の豚』e.t.c.を次々と当てるなど、やることなすこと上手く行き過ぎて、読者としてはちょっとつまらない。
それから本書では鈴木敏夫は、p16で「貧乏ゆすりの名人」として登場して、最後まで出ずっぱりである。『仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)』と読み比べると、内容が共観福音書のように対応している部分もあって面白い。
例えば鈴木が本書に寄稿している「公私混同の人」というコラムは、「『アニメージュ』は創刊までの準備期間が三週間しかなかった」というところを著者が「二ヶ月しかなかった」と改竄したと『仕事道楽』で暴露している(どこが共観福音書だ?
書き忘れたけど本書には、鈴木の他、高畑勲、宮崎駿、富野由悠季、安彦良和ら、著者と関わりがあったものすごい面々が、コラムを寄稿している。
また私が個人的には大好きな、徳間社長の「カネなら銀行にいくらでもある」というセリフは、本書ではp220に出てくる。著者が当時平社員だったK山という部下を、主任課長を飛ばしていきなり次長に抜擢しようと取締役会で提案をしたというエピソードは、本書ではp285の奥田誠治日本テレビ映画事業部長の寄稿コラムで、『仕事道楽』では(亀山修という実名とともに)p13で紹介されている。
三流週刊誌編集部-アサヒ芸能と徳間康快の思い出

三流週刊誌編集部-アサヒ芸能と徳間康快の思い出

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)

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