🍉しいたげられたしいたけ

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国籍法改正案は成立するべきだと思う

他人の日記のコメント欄を汚すのは何なので、自分のブログのエントリーにします。
とりあえず下記サイトを参考にさせてもらいました。あらゆる要約は(特に私の要約は)間違っているのですが、一応、自分なりの要約を付けます。
「国籍法改正について語るための基礎知識(2):裁判官たちは何を争い、何を国会に託したのか」
http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20081116/1226827321
現行法の問題点のわかりやすいまとめ。
1)両親が結婚
2)両親が結婚せず胎児のうちに認知
3)両親が結婚せず出生後に認知
4)両親が結婚せず出生後に認知、その後、両親が結婚
のうち3)のケースのみ日本国籍が与えられないという不合理があった。
「○○○!知恵袋 国籍法は改悪なんでしょうか?」
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/55815187.html
国籍法改正によって偽装認知が増えるかを、ケースに分けて分析。
結論は、差はないか、または「かえってめんどうなことになったのです」。
念のために書いておくと、偽装認知は今も改正後も違法。
「国籍法3条1項の改正に反対することはエネルギーの無駄である」
http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2008/11/post-7b2f.html
仮に国籍法の改正を阻止したとしても、最高裁判例と同じケースの国籍取得届が出されたときには、法務局が認めないと通知を出すことは不可能との結論。
以下、私の考え。
ネット上の国籍法「改悪」反対論で常に引用される、偽装認知により実際に国籍を取得しようとしたケース。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008102700371

 同庁組織犯罪対策1課は、子供に日本国籍を取らせることで、「定住者」などの在留資格取得を容易にし、日本で働き続けようとしたとみて捜査。こうしたケースが確認されたのは初めてという。

つまり確認されているのは1件。
一方、
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080604/trl0806041513002-n1.htm

 未婚の日本人父とフィリピン人母との間に生まれ、出生後に父から認知を受けた計10人の子供が、「生後認知に加え、父母の結婚がなければ日本国籍が取得できないと定めた国籍法は憲法違反」として、日本国籍の確認を求めた2件の訴訟の上告審判決が4日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎(にろう)長官)であった。大法廷は「父母の結婚」を国籍取得要件とした国籍法の規定を違憲とする初判断を示した。

つまり6月の最高裁判決により日本国籍が確定された子どもだけで10人いる!
URLを貼らせてもらった inflorescencia さんのブログによると、日本国民を父・外国人を母とする子の出生数は平成15年の数字で12,690人。また同年の非嫡出子の出生率は1.9%。だから単純計算しても、現行法で日本国籍を得られない可能性のある子どもが毎年240人(≒12,690×0.019)ほどいることが推定される。この子どもたちの全員が日本国籍を希望するとは限らないし、希望しても胎児のうちに認知を受けられないとは限らないけど、オーダーとしては毎年数十〜百人くらいの数字になるだろう。
ハインリッヒの法則により、1件の事件の背後に29件の事故と300件の異常の存在を推定したとしても、国籍法の改正ですんなり日本国籍が得られることにより救済される人権の方が、はるかに重いことになりませんか!?
(240という数字は「毎年」ですよ、念のため)
こんな数字を挙げなくても、そもそも偽装認知は犯罪として取り締まるべきであって、人権救済をなおざりにすることと相殺はできないのだけど。
なんだか生活保護の0.3%の不正受給をあげつらって、カバー率(生活保護を受けている世帯数÷生活保護が必要な世帯数)20%程度という現実の方には目を向けないネット世論と同根のものを感じて、抵抗を感じる。
あと、いらんことだがJ-CASTニュースのこの記事を思い出した。
「日本は混血のハーフ社会に? 欧米人選ぶ20〜30代女性急増」
http://www.j-cast.com/2008/08/09024718.html

赤ちゃん30人に1人は混血のハーフであることが、厚生労働省の統計調査で浮き彫りになった。さらに、国際結婚は、東京都区部や大阪、名古屋両市だと、10組に1組の高率。専門家によると、欧米人を選ぶ女性がここ5年ほどで10倍以上にも増えているというのだ。日本は、ハーフが当たり前の社会になるのか。

いわゆる「DNA主義」については触れなかったが、もし「日本人のDNAを守る」みたいな幻想があったとしたら、それはまさしく幻想でしかないと思う。「そもそもそんなものがあるのか」というところから始まって、いろんな意味で幻想でしかないと思う。我々は「多様性がもたらすデメリット」より「多様性がもたらすメリット」に目を向けるしかないんじゃないかと思う。
追記:(11/20)
「国籍法改正に関する反対意見の稚拙さ」
http://self0507.blog52.fc2.com/blog-entry-834.html
の「(日本が承認している)国際法との整合性」という視点も、参考になりました。
しかしこの手の話題は、専門家と争ってもケンカにはならね〜だろうな(どの分野でもそうだろうが)…
追記の追記:(11/22)
「偽装認知というのは全然簡単じゃない!」「偽装結婚のほうがむしろ簡単」という突っ込みも。
今さらですが、自分の備忘用に貼らせてもらいます。
http://www.yhlee.org/diary/?date=20081115

 認知は、自分の実子であると法律的に宣言することだから、認知した親のほうからは取り消しできないし、養子縁組のように離縁することもできない。その影響は一生涯及ぶ。当然、実子であるから扶養する義務もあるし、相続人ともなる。生活保護を申請しても、認知した父がいるのなら、まずそっちに扶養してもらってくださいよ、と役所に言われるのは間違いない。
 外国から子供を不正な手段で日本に呼びたいのなら、認知するより子供の母親と偽装結婚するほうが、よっぽど簡単な気がするが。入管の審査をうまくくぐり抜けて、母親が「日本人の配偶者等」の在留資格を得ると、その子供は、日本人との親子関係がなくても「定住者」の在留資格を得る。とりあえず、日本に適法に在留できれば、そういう悪い人たちの目的は達するのだから、なにもわざわざ子の日本国籍にこだわる必要はないだろう。偽装結婚やら偽装養子縁組ならば、用がなくなれば離婚や離縁で解消すればいいだけだしね。

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