一週間にも満たないパック旅行に行っただけで逆カルチャーショックもないもんだ…と自己突っ込みを入れながら。
帰国した翌週の週末が8.30国会前集会だった。せっかく久しぶりに東京に行ったのだから、ちょっとくらいウロウロして来ようと思った。
日比谷公園西南隅「かもめの広場」ってところの噴水。
日比谷公会堂では何かイベントをやっていた。
適当に歩いていたらJR新橋駅前に出た。C11SL。
妙な一杯飲み屋があった。看板もメニューも全部手書き風。
おばちゃんかお婆ちゃんがやっているんだろうな、と思って覗いてみたら、肌をこんがり焼いた、綺麗なおねーちゃん…と反射的に言ってしまったがPC的にNGなので…もとい、若い女性がやっているではないか!
東京というところは、こういうところが田舎者の感覚では計り知れない。
ここまで前ふりで本題はここから。恥ずかしながら実は銀座を見たことがなかったので、見てみようと思った。
東京都内には短期間(と言っても年単位)住んだことがある。しかし新宿とか渋谷とかのターミナルは何度も何度も行ったが、銀座は方角が違うので足を踏み入れたことがなかった。東京駅から近いんだし行けばいいだけなのに、とりたてて用事がないから行かなかったのだ。このへんがインドア人間の情けないところ。
JR新橋方面から歩くと、とっつきは7丁目である。ここから歩行者天国も始まる。
忌憚なき第一印象、しょぼっ!Σ(゚Д゚;
ここが銀座? ぎんざ? GINZA?
今日は日曜日でしょ? 休日でしょ? 夕方でしょ? これって人がまばらなんじゃないの?
何と比較して人が少ないなんて言うかというと、プラハやウィーンの旧市街中心部の記憶が新しかったのだ。あちらは平日の午前中だった。天気が良くなかったのも偶然一緒だ。でも、いずれも混み合っているところは、他人と体をぶつけなければ歩けないほど混んでいたぞ。
東京は人口で比較すればプラハやウィーンの何倍も大きい巨大都市だけに、新宿や渋谷の盛り場は時期によってはもっと、それこそ立錐の余地もないほど混み合うことも知っているけど、それも何か違うしなぁ…新宿や渋谷は観光地とは言えまいし…そう言えば銀座は観光地なのか? 東京に来た観光客は、どこを見に行くものなのか? 秋葉原?
銀座中の銀座、四丁目。
振り返りざまに五丁目方面も撮ってみた。
これは二丁目あたり。私でも知っているような、錚々たるブランド店は並んでいるんだけど。ブルガリにヴィトン、写ってないけど対面にはダンヒル、シャネル、吉野家…
ヨーロッパ諸都市の中心部は、どこも一年中歩行者天国だ。土日祝日だけなんてケチなことは言わない。まあそもそも都市の構造が違って、一定区域内には車が入りたくても入れないかもだが。
また歩行者天国が、銀座四丁目というど真ん中で一旦ぶった切られるのも物足りない。晴海通は止められないって? トンネル掘って地下を通せ地下を! 中央通りも車は地下を通して終日ホコテンにしろ! …などと無責任なことを考えるが、このあたりはすでに縦横に地下鉄が走っているから、地下にこれ以上自動車道なんて作ろうと思ったら大深度を通すしかないか。
物足りないと言えば、他にも何か物足りないものが…少し考えて、ヨーロッパの古い都市には必ずある、広場と寺院がないことに気づいた。銀座はまっすぐに伸びた一本の道にすぎないのだ! 広場がほしけりゃ近くの日比谷公園に行け、寺院がほしけりゃ日比谷公園とは反対側だがやはり近くに築地本願寺というのがあるぞ、と反論はすぐ浮かぶが、ヨーロッパの都市ではメインストリート、広場、寺院は必ずワンセットになっている。西洋文明におけるキリスト教の存在の巨大さは言わずもがな、ヨーロッパ諸都市における広場の役割の重要さを日本で指摘したのは羽仁五郎だったかな。どんなことを言っていたかは忘れた。
まあそんなことは私が心配することじゃない。銀座のネームバリューも経済規模も、私が物足りなく感じたくらいでいささかも揺るぐものではあるまい。通りの左右に並ぶ名店では、目の玉の飛び出るような値札のついた商品が日々飛ぶように売れていることであろう。
でも本質的に、何が違うんだろう、何が物足りなく感じるんだろうと、あれこれ考えたが、今のところ結論は出ていない。そもそも都市の起源や構造そのものに差異があるような気がするのだが…
そのまま京橋から八重洲口まで歩いて、新幹線で帰宅しました。
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