しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを求めない

京都妙心寺の塔頭・退蔵院に所用のついでに特急観光したスマホ写真

親戚筋の法事が京都であった。法要後の饗応ってことで、精進料理をいただいた。その料亭が、妙心寺という有名寺院から至近だった。

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料理の写真は撮らなかったので、料亭の栞つかパンフレットより写真をお借りします。精進料理の「阿じろ」というお店です。妙心寺の精進料理御用達だそうです。

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季節が違うので写真の通りではないが、だいたいこれに似たコースが出た。揚げ豆腐、湯葉、丸めたソバを出汁で煮たもの、サトイモやマイタケの天ぷら、炊き込みご飯にシメジの味噌汁と漬物などなど、本当に肉類を一切使っていなかった!

 

食事後、妙心寺の塔頭である退蔵院というところが近いということで、特急観光してきた。京都の特急観光ネタは、以前もやったことがある。愛知から京都は近いし、いろいろとご縁があるので、けっこう頻繁に訪れている。

www.watto.nagoya

 

妙心寺の仏殿という建物。臨済宗妙心寺派の大本山ということで、敷地が広大だった。あとでHPを見たら、塔頭が46もあるとのことだった。

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今回は、この仏殿の左側に位置する退蔵院という塔頭を訪ねた。

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案内書。山門の左のほうに立っていた。

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OCRの力を借りて、恒例の文字起こしをやってみた。

 退 蔵 院
 越前(現在の福井県)の豪族・波多野重道が、妙心寺三世の無因禅師を開祖として、応永二年(一三九五)に創建した妙心寺の塔頭である。
 建物はその後再建され、現在の方丈(重要文化財)は慶長年間(一五九六~一六一五)の建築である。
 方丈西の庭園(国の史跡及び名勝)は、室町時代の有名な画家・狩野元信の作庭と伝えられている。二百平方メートルぼどの広さであるが、石組本位の枯山水庭園で、一見無造作に石や橋が配置されているように見えるが、全林として見事に絵画的な調和を保っている名園である。
 寺宝のうち瓢鮎図一幅(国宝)は、瓢箪でなまずを押えるという禅の公案(試験問題)を絵に表したもので、足利義持の命により如拙が心血を注いで描いた最高傑作としてよく知られている。如拙は相国寺の禅僧であったが、宋元画を学び日本の水墨画を開拓した先駆者で、雪舟もわが師と呼んで手本としたといわれている。
 ほかに、花園天皇、後奈良天皇の宸翰(重要文化財)などをを蔵する。
      京 都 市

ルビ省略しました。改行位置変更しました。以下同じ。

 

「見どころ案内」という看板も立っていた。

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退蔵院全景。

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だがこの全景図は、ブログ記事で位置を参照するには見づらいので、拝観料500円を払うと貰えるパンフレットつか拝観の栞より…

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境内の略図をスキャンして使わせてもらおう。怒られるかな? 怒られたら消します。

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略地図右下に、さきほどの写真の山門がある。そこをくぐると正面に庫裏がある。ただし非公開とのこと。

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庫裏の手前を左に折れ、庭園に向かう。

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順路。

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上の写真の反対側に、立派な観音像が立っていた。

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ここは檀家もあるらしく、2枚上の写真の土塀の向こうには墓地があった。そこにやはり立派な地蔵尊像も立っていた。だがそちらは、よそのお墓も一緒に写ってしまうので撮影は遠慮した。

 

庭園の案内書。

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文字起こし。

名勝及び史跡 退蔵院庭園
  通称 元信乃庭
 方丈の南と西に面して作庭されている。
 南面の庭は一面に苔が張りつめた平坦地に赤松を植栽されたのみで禅院の方丈前提に多く眤られる形態である。
 西面の庭は枯山水様式で、絵画的な構築の観賞本位の庭園である。
 池の中央部に中島を配した亀島を、西側に三導石、南西部に篷来島、手前に鶴島、北西部築山の奥には立石による段落ちの枯滝を組み栗石を敷いて渓流を表現している。
 中島の岬には二ヶ所の石橋が渡され、石組の表現は豪快華麗の中に閑静な趣がある。
 室町時代の画聖狩野元信の作庭と伝えられている。
  退 蔵 院
  丈化財保護委員会

 

通路をたどると、「方丈」という建物の縁側に出る。そこに瓢鮎図の模本が飾られていた。

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国宝瓢鮎図(ひょうねんず)
 如拙筆による日本最古の水墨画である。
画図は農夫が瓢箪で「なまず」をどうして捕らえるか?と云う禅の公案(問題)で上部に五山の高僧、三十一人による答えを自書している。
 その一つを意訳すれば「瓢箪でおさえた鯰で吸物を作ろう、ご飯がなければ砂でもすくってたこうじゃないか」云々故事にある。「瓢箪鯰=ひょうたんなまず」抑々の発想は、この瓢鮎図によって名詞化されたもので、ことわざとして世俗的に解釈するとその意味は、瓢箪で鯰を押さえるように、のらりくらりとして要領を得ないと云うこと又、骨折って功なく到底その目的を果たせない様を云うのである。
                    退蔵院所蔵

 

ガラスに入った瓢鮎図はぜんぜん見えないので、パンフレットの写真をスキャンしたものを貼る。これでも小さくて見えないかな?

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さきほどの案内書にあった高僧の回答とやらは、「小さな瓢箪で大きななまずをいかに捕えるか」という問題の回答になってないじゃないか!

私だったらどのような答えを思い浮かべるか、だって?

この農夫は、超人的な肺活量の持ち主ということにしてしまおう。それでヒョウタンの空気を吸い出して、中を真空にするのだ。そしてそのヒョウタンの口を、ナマズのどてっ腹に吸いつけてだな…なんだかナマズが可哀想になった。

 

順路に従って、庭園「余香苑」の門に至る。

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余香苑の門をくぐった左右には枯山水庭園があり、右手奥には「陰の庭」という案内板が…

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左手奥には「陽の庭」という案内板があった。

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上の写真の右奥に見切れている巨石。

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さらに歩を進めると、緑豊かな庭園が現れた。一本だけ、真っ赤に紅葉した木が!

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上の写真の右側から、あずまやが現れた。

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あずまや越しに紅葉を撮ってみよう。

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あずまやの反対側は、少し小高い丘のようになっていて、そこに水琴窟という案内板があった。

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飛び石づたいに坂を上がると、案内書が。反射で読めないけど。

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案内書を接写。

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水琴窟
(すいきんくつ)
「つくばい」の下深く瓶を伏せ込み、手洗水に使われた水が瓶に反響して、妙なる琴の音のように聞こえます。
 水琴の残響に耳を傾けた古人を偲び、あわただしい日暮らしの中、しばし「侘び」「寂び」の風情を味わって頂ければ望外の喜びです。
 院主 曰

 

この竹を耳に当てればいいらしい。

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水琴窟の音を聴くのは初めてじゃないけど、キンという高い音と、コォンというやや低い音が、ひっきりなしに聞こえる。水音なので不定期でありリズミカルではない。今ネットで流行りの「エコーチェンバー」というやつだな。違うか。

ふと「意味というものを遠ざけろ」というメッセージなんじゃないかと考えた。意味すなわち邪念である。我々はいつも、意味によって心をかき乱される。意味を遠ざけることによって心の平安を目指すなんて、なんとなく禅的ではないですか? 今思いついたことを適当に言ってるだけだけど。

 

ともあれ、池の奥まで歩くと行き止まりになっている。パンフレットの略図中に「藤棚」と書いてあるあたりだ。

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なおパンフレットによれば、この池の名を「ひょうたん池」と言うそうだ。この池の中にナマズがいれば、ナマズはおのずとヒョウタンのとりこになる。ということは「悟りは求めるものではなく、我々はすでに悟りの中にある。それに気づいたとき、悟りはおのずから我々の前に現れる」とかなんとか…やめとこう、おそらく何万人と知れぬ先人が、すでにそんな解釈を出していることであろう。それによって本当に悟りを得られた者は、果たしてありやなしや?

 

池に至る水路は、何段もの滝になっている。あずまやの配置も、ここからの庭全体の眺めを考慮したものだったのだ!

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パンフレットの表紙は、同じアングルからの、「紅しだれ桜」というのが満開の時季の写真だったのだ! 「藤棚」ということは、フジの季節にはフジの季節で見ごろがあるのだろう。

 

門まで引き返して、ふと気づいた。「陰の庭」を覆っているのはカエデじゃないか!

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接写。こちらが紅葉するのは、まだ少し先のようだ。

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季節ごとに見どころがあるなんて、なんと贅沢な、と思ってしまう。

しかし受付の職員が他の拝観客に語っていたのを小耳にはさんだところによると、毎日拝観開始前の5:00.a.m.から9:00a.m.まで4時間をかけて、職員たちが庭の手入れをしているのだそうだ。なんともはや。

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妙心寺のほうも、ちょっとだけ境内を散策した。

三門。容易にフレームに入りきらないくらい、でかい!

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「文化財愛護 重要文化財 妙心寺 山門、佛殿、法堂、大方丈、庫裏、浴室、経蔵(七堂伽藍)火気厳禁 HITACHI」と書いてある。

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右手前が「仏殿」で三枚目に貼った写真と同じ建物。左奥が「法堂」。

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反対側、すなわち仏殿や法堂が左手に見える通路に回ると、鐘楼がある。

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鐘楼の奥に、経蔵。

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軒下に「佛殿」という木札が掲げられているのに気づいた。

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法堂にも木札。奥に見えるのが「大方丈」だそうだ。

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「拝観・写経受付」の看板が立っていた。法堂の建物内部からは、なにやらマイクによるアナウンスが漏れ聞こえてきた。

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あとで妙心寺のHPを調べたところ、法堂と浴室という建物が拝観可能で、20分間隔で拝観案内があるのだそうだ。次の機会があれば、行ってみようかな。

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