しいたげられたしいたけ

道を間違えているのが明白なのに、「きっと他の道はもっと間違っている」と進み続けたら、どうなる?

そゆえばモーリス・ルブラン原作「アルセーヌ・ルパン」オリジナルシリーズの映像化ってあったっけ?

今回は おっかーさん(id:paint_54da)さんのエントリーをマクラに使わせていただきます。すみません、うちのブログから言及する場合は本当にマクラにだけ使わせてもらって、あとは自分の好き勝手なことばかり言うケースが多いです。

www.paint-54da.com

フジテレビのドラマ『ルパンの娘』に関しては他のいろんな記事からも情報をもらっていましたが、失礼ながら「今さら深田恭子がメインなの? 確かに深キョンいいけど、平均年齢高くね?」というのが正直な印象でした。レビューを拝読して、主人公の泥棒一家の配役などを見るにつけ、脇役の人選に凝りまくっているようなのはわかりましたが「平均年齢高くね?」という印象をさらに強くしました(さらに失礼!

80~90年代あたりの全盛期のフジテレビだったら、こういうとき無名の若手俳優を何人かメジャーにしてやろうという姿勢を隠さなかっただろうとか、そもそもその頃のフジテレビだったら「ルパン」と名をつけた怪盗モノをテーマに選んだだろうかとか、次から次へと失礼な疑問が思い浮かびました。『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』といい長寿シリーズの『ルパン三世』といい、アルセーヌ・ルパンにちなんだ二次創作がいくつあるのか、という疑問も…

 

そこで、はたと思い当たった。モーリス・ルブラン原作による「アルセーヌ・ルパン」のオリジナルシリーズの映像化って、あったっけ?

 

ネットの時代は便利だ。検索すると、すぐに情報が出てくる。直近だと2004年の(それでもまあ古いが)wikipedia:ルパン (映画) というのがあったのか。これ知らんかった。

TVドラマでは1971~シリーズまで遡るのか(wikipedia:アルセーヌ・ルパン#テレビ)。これも知らんかった。どちらも日本語版吹替にはTVアニメ『ルパン三世』シリーズの声優陣がいっちょ噛みさせられているところが目を引く。

言いたかったことは、例えば「シャーロック・ホームズ」シリーズや、あるいはアガサ・クリスティ原作のミステリが繰り返し映像化されているのと比較すると、ちょっと寂しいのではということである。

 

どっかで「アルセーヌ・ルパン」シリーズは本国のフランスでは、忘れ去られたとまでは言いすぎだが、日本人が思うほど人気はないと読むか聞くかしたことがある。こちらはちょっと検索したけどソースと言えそうな情報はヒットしなかった。だがフランスでだって、新しいミステリは毎年次々と発表されていることであろう。

 

たまにやる妄想である。温故知新ってことで、ある程度原作に忠実な「アルセーヌ・ルパン」シリーズの映像化を、どっかやってくれないものだろうか? 本国でやってくれればそれに越したことはないが、日本だとアニメか、舞台を日本に翻案したドラマになるんだろうか?

ただしそういう映像化が困難である理由、過去にあまりなかった理由というのも、わりと容易に想像つく。歯に衣着せず言ってしまうと、「アルセーヌ・ルパン」の物語としての完成度はイマイチなのだ。「シャーロック・ホームズ」シリーズやクリスティ諸作品に比べると、どうしても見劣りを感じてしまう。ルパンがオールマイティ過ぎたりする。一介のコソ泥ふぜいが、どうやって国家機関にも匹敵する秘密組織を維持できたり当時の最先端技術のカタマリであった潜水艦を乗り回すことができたりするのか?(『ハートの7』以来、ルパンと言えば潜水艦だったんですよ、実は

ウィキペには、時期によって作風が大きく違うという意味のことが書いてあった。ですよね~。

それから案外、政治色が濃厚である。「アルセーヌ・ルパン」シリーズが発表された期間は第一次大戦をまたいだ「政治の季節」であり、ヨーロッパの国際情勢は複雑を極めた。ルブランは熱烈な愛国者で、その性格はルパンとその変身たちにも色濃く反映されている。

困難は魅力であり、ピンチはチャンスである。物語の矛盾は「合理的な解釈をつけてやろう」という野心を煽るし、当時の複雑な国際情勢に関しては、ていねいな解説があれば現代人にとっても教養として役に立つはずだ。

書いていて思ったけど、きちんとやろうとしたら、すげー難しそう…

 

そこまで要求しなくても、オリジナルの「アルセーヌ・ルパン」シリーズは、元ネタ供給の宝庫なんだよね。江戸川乱歩の『怪人二十面相』シリーズは「アルセーヌ・ルパン」シリーズから大量のネタをパクってるし(乱歩がパクリの名人だったことはさて措く)、『名探偵コナン』工藤新一の高校生探偵という設定がスムースに受け入れられたのは、先行する『奇巌城』の高校生探偵イジドール・ボートルレの活躍があればこそ…って別になくてもよかったか。

いやしかし「ああ、あのネタの元祖はコレだったのか!」という気づきは、ふんだんにあるはずだ。「怪盗は犯行予告をしなければならない」という、よく考えると無理ゲー的な縛りを始め…

 

と書きつつ、そもそも原作の「アルセーヌ・ルパン」シリーズが今も小中学校の図書館にあるかが心配になってきた。今を去ること50年近く前(ああ、いつもながらトシのことを書くと憂鬱になる)学校図書館にある人気シリーズは、他に「シャーロック・ホームズ」か「怪人二十面相」くらいしかなかった。当時は『ズッコケ三人組』シリーズも『かいけつゾロリ』シリーズも、まだなかったのだ。今はどんなシリーズが学校図書館の一番人気だろうか?

「シャーロック・ホームズ」は、何となくだがあまり心配いらないような気がする。「アルセーヌ・ルパン」は、前述の理由で当時から「ちょっと面倒臭いな」という気がしていた。新しいシリーズが次々と出てくるのは当然として、「アルセーヌ・ルパン」は「シャーロック・ホームズ」ともどもずっと残ってほしいものだと個人的には思っている。

スポンサーリンク