私はほんの数日前に何かのきっかけでぐぐるまで知らなかった!
結論を先に書いてしまうと、こういうことです。
| 曜日 | 惑星 | ||
| 日本語 | フランス語 | フランス語 | 日本語 |
| 月曜日 | lundi ランディ |
Lune リュヌ |
月 |
| 火曜日 | mardi マルディ |
Mars マルス |
火星 |
| 水曜日 | mercredi マルコディ |
Mercure メルキュルゥ |
水星 |
| 木曜日 | jeudi ジュディ |
Jupiter ジュピィテェール |
木星 |
| 金曜日 | vendredi ヴォンドディ |
Vénus ヴェニュス |
金星 |
| 土曜日 | samedi サムディ |
Saturne サテュルヌ |
土星 |
| 日曜日 | dimanche ディマンシュ |
- | |
主にこちらのサイトを参照しました。なおこのサイトによれば「日曜日だけdiが付かずdominica(ドミニカ)で主の日となります」とのことでした。ただし土曜日に関しては「安息日」(ラテン語の sabbatum)に基づくと解説するサイトが多いです。
そう言えば、はてなブロガーの 梅干爺(id:kaihuuinternet)さんは日曜日にアップされるエントリーに「主日」とタイトルされます。
ありゃ、今、確認したら例外がある…
なおスペイン語とイタリア語に関しても、検索すると曜日名と惑星名を関連付けたサイトが見つかりました。これらはロマンス語とグループされる言語です。
スペイン語です。
上掲ページから表のみ引用します。
| 曜日 | 惑星・恒星名 | ||
| (スペイン語) | (スペイン語) | ||
| 月曜日 | Lunes | 月 | Luna |
| 火曜日 | Martes | 火星 | Marte |
| 水曜日 | Miércoles | 水星 | Mercurio |
| 木曜日 | Jueves | 木星 | Jupiter |
| 金曜日 | Viernes | 金星 | Venus |
| 土曜日 | Sábado | 土星 | Saturno |
| 日曜日 | Domingo | 太陽 | Sol |
イタリア語です。
communicationdoodle.blogspot.com
やはり表のみ引用失礼します。
| 曜日 | 天体 | ||
| 日本語 | イタリア語 | 日本語 | イタリア語 |
| 月曜日 | lunedi | 月 | Luna |
| 火曜日 | martedì | 火星 | Marte |
| 水曜日 | mercoledì | 水星 | Mercurio |
| 木曜日 | giovedi | 木星 | Giove |
| 金曜日 | venerdì | 金星 | Venere |
| 土曜日 | sabato | 土星 | Saturno |
| 日曜日 | domenica | 太陽 | Sole |
いずれも土日は対応してないようですね。
以下、愚考をぐだぐだと開陳。
夜空を彩る天体に、回転はするが書き割りのように相対的位置は動かない恒星と、恒星の間を自由気ままに動き回る惑星があることを人類が発見したのは、紀元前に遡るという。彗星や超新星は、今は措く。
西洋人は恒星にも惑星にも神話の神々や人物の名を与えたが、古代中国人は5つしかない肉眼で見える惑星に五行説を適用して「木星」「火星」「土星」「金星」「水星」と名付け、それがそのま日本に輸入された。すなわちこれらの名前はたいへん古くからあるのだ!
ちなみに中国における五行説の存在感の強烈さについては、吉野裕子『ダルマの民俗学―陰陽五行から解く』 (岩波新書) という本が面白いです。あらゆるものを片っ端から五大元素に牽強付会しないと気が済まなかったようです。
中国暦の流れをくむ和暦にはもともと「曜日」というものはなかったが、西洋暦を導入するにあたって「惑星の和名」→「ロマンス語の惑星名」 →「ロマンス語の曜日名」という参照によって曜日の訳語が作られたのではなかろうか? 成立過程を記した文献は、ないことはないだろうけど見つけていない。
参考までに周知に近いと思うけどマルスは軍神、メルクリウスは商業神、ユピテルは最高神、ウェヌス(ビーナス)は美神、サトゥルヌスは農耕神で、いずれもローマ神話の神様である。
面白いことに、英語、ドイツ語などゲルマン語では、これらの過半が北欧神話の神々に置き換えられているのだ。
Tuesday は軍神テュールにちなむとされる。ドイツ語では Dienstag とかなり形が違うが、語源は同じとの由。
Wednesday は ゲルマン神話の最高神オーディンに基づくとされる。ドイツ語では Mittwoch(週の真ん中)が用いられるが、なぜかこの神の名が忌避されたらしい。Wodenstag または Wotanstag という古形があるというが、確認のため検索すると不安になるほどヒット数が少ない。いずれも英語版 Wiktionary に項目があるから間違いということはないはずだが。
Thursday(ドイツ語 Donnerstag)は雷神トールにちなむという。テュールと名前が似ているが別神だそうだ。なおトールは現代では「マイティ・ソー」の主人公として活躍している。
Friday(ドイツ語 Freitag)は女神フレイヤにちなむという。
Saturday はなぜか英語でもローマ神話のサトゥルヌスの名前が用いられているのが、よくわからない。ドイツ語の Samstag は、これもなぜかラテン語の安息日からのようだ。なおドイツ語では Sonnabend(日曜前夜)もよく用いられるという。
私は第二外国語としてドイツ語を学習したので、こっちのトリビアはよく見聞きする機会があったが、ロマンス語ほど体系的ではない。英語の Saturday が Saturn(土星)と似ているとか、Mercury(水星)は小文字で書くと水銀だから水曜日なんだろうとか、断片的に結び付けてなんとなく納得していた。
こういう「一部の人にとっては自明だが、別の一部の人はあんがい知らないこと」って、多いんだろうか?「iPhon ユーザーと Android ユーザーでは常識が違う?」というのをネタにしたことがあったが、あれは最近の社会現象であろう。
各国語の曜日の話をもう少し。日本と、それから韓国は、日月プラス五行説の曜日を採用しているのだが…
より、表のみ引用させていただきます。
| 韓国語 | 日本語 |
| 일요일 イリョイル |
日曜日 |
| 월요일 ウォリョイル |
月曜日 |
| 화요일 ファヨイル |
火曜日 |
| 수요일 スヨイル |
水曜日 |
| 목요일 モギョイル |
木曜日 |
| 금요일 クミョイル |
金曜日 |
| 토요일 トヨイル |
土曜日 |
五行説の本家である中国語では、なぜかこの流儀を採用していないのだ!
より、表のみ引用させていただきます。
| 曜日 | 中国語 | ピンイン |
| 日曜日 | 星期天 | xīngqītiān |
| 星期日 | xīngqīrì | |
| 月曜日 | 星期一 | xīngqīyī |
| 火曜日 | 星期二 | xīngqī'èr |
| 水曜日 | 星期三 | xīngqīsān |
| 木曜日 | 星期四 | xīngqīsì |
| 金曜日 | 星期五 | xīngqīwǔ |
| 土曜日 | 星期六 | xīngqīliù |
しかし「なんで曜日の名前に星が出てくるのだ!?」という疑問には、ヨーロッパ諸語の影響を持ち出さないと説明がつかないように思う。
もう一つ、ロマンス語の有力な言語の一つであるポルトガル語は、これがなぜか中国語と同じ流儀の曜日の呼び方をしている! 私は中国語の曜日は知っていたが、ポルトガル語の件はぐぐって今知りました!
より、表を引用させていただきます。
| ポルトガル語 | |
| 月曜日 | segunda-feira |
| 火曜日 | terça-feira |
| 水曜日 | quarta-feira |
| 木曜日 | quinta-feira |
| 金曜日 | sexta-feira |
| 土曜日 | sábado |
| 日曜日 | domingo |
土曜日が「安息日」、日曜日が「主の日」であることを除くと、順に「第二市場」「第三市場」「第四市場」…という意味だそうだ。
なんでそういうことになったかというと、上掲サイトにかなり詳しい説明がありました。もちろん中国語の曜日より古いです。
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