まだ誰も言ってなさそうなことを、とにかく早く言いたいだけのエントリーのシリーズです。一言で言えば「妄想」です。
中国からの報道で「共同富裕」という文字を目にする機会が増えている。
NHKの解説記事へのブログカードを貼る。
不正確さを恐れず雑に要約すると
「貧富の差の拡大に対する国民の不満を和らげる」
「巨大IT企業に巨額の拠金をさせることで力を弱める」
などの狙いが記されている。
不動産税の新設を報じるメディアもあった。
だが隠された真の狙いは、自動車産業における「EVシフト」という名の破壊的イノベーションにおいて「(誰もが車を持てるようにする)フォード主義」の導入による国内市場拡大をテコに、国際的覇権奪取を確たるものにすることではないか?という考えが頭に浮かんだ。
「フォード主義(フォーディズム)」と言っても確認のため検索すると、規格化とライン製造による大量生産などさまざまな側面があるようだ。ここでは従業員の給料を上げることにより社員が自社製品のオーナーになれるようにすることを意味するつもりで用いている。
「自動車王ヘンリー・フォード、二度の挫折からどうやって「大逆転」したのか?(早見 俊) | マネー現代 」P4より引用させていただきます。
フォードは莫大な富を得ますが、従業員にも還元します。それまで、米国の工場労働者の平均賃金は日給2ドルでした。フォードは、自社の労働者の最低賃金を日給5ドルに引き上げます。彼は「賃金の引き上げではない、利益を分配しているのだ」と言いました。労働者の生活を豊かにし、彼らも自動車のユーザーにしていったのです。
また、労働者の生活が豊かになることが米国の繁栄だ、とも、フォードは信じていたのです。彼は「私たちが繁栄しているから自動車を持てたのではない。私たちは、自動車を持っているからこそ繁栄したのだ」と語っています。自動車産業の興隆イコール米国の繁栄だと信じて疑わなかったのです。
いらんこと言いの悪癖発揮だが、上掲 gendai.izmedia の記事は次の webCG の記事とそっくりだった。後者は匿名になっているが同じ著者なのだろう。
約13億人の国内市場を持つことは中国産業界の大きな武器だが、富の偏在により自家用車を保有できる層は、まだまだ限られているのではないか?
国内需要の喚起に成功したら、それをテコに徹底したコストダウンを図り海外に打って出るという戦略だろう。
最終目標は、自動車産業界における国際的覇権の奪取である。
こうした中国版フォーディズムが成功したら、恩恵を受けるのは自動車産業だけではあるまい。中国のIT産業界が当局の意向に唯々諾々と従っているのは、政府を恐れているからだけではなく、おこぼれにあずかることを期待しているからではないか。期待できる利益はおこぼれどころではないだろうけど。
自動車産業の国際的EVシフトは連日メディアを賑わせているから、一つ二つ記事を選ぶのがかえって不自然なくらいだが、東洋経済の記事へのブログカードを。
欧州が積極的、少し遅れて米国、さらに遅れて日本と中国という現状分析は、本稿の論旨とはやや矛盾するが。
気になったのは記事末尾で述べられているトヨタ自動車の、EV・水素エンジン・燃料電池車・プラグインハイブリッド車という「全方位戦略」である。
うっかり前半を見逃がしたが先週末(11/14)オンエアのNHKスペシャル「EVシフトの衝撃」のラストにも「トヨタの全方位戦略」が出てきた。
EVシフトと一口に言っても地域による温度差は激しいようだから、トヨタの戦略は確かにシロウト目にも理にかなったもののように思われる。
だが競争相手がもし、巨大な国内市場を背景にEV一点集中と徹底した低価格化という戦略で襲い掛かって来たとしたら、この戦略で対抗しきれるものだろうかと憂いるのは心配性に過ぎるだろうか?
しかし「じゃあどうしたらいいんだ? 対案を出せ」と問われたら、沈黙するしかない。こういうことって、他にもあったような気がする。何だったっけ…?
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