💙💛しいたげられたしいたけ

нет войне! NO WAR! 戦争反対!

もし故中村哲医師の方法を中国がアフガニスタン経営に採用したとしたら(前編)

まだ誰も言ってなさそうなことを言いたいためだけのエントリーです。そういうことを、たまにやります。

1月8日付で、なんだかヘンなニュースがホッテントリ入りした。

jp.ign.com

ブックマークコメントでは、エンベッドされたPVに  google:image:例のプール が登場したことへの言及が多かったが、私にわかったものだけでもグレンラガン、鬼滅の刃無限列車編、ファーストガンダム、耳をすませば…などのパロディだかオマージュだかも含まれているようだった。次元と五ェ門もいなかったっけ。ゲームなどサブカルに詳しい人だったら、もっといろんなことに気づいたことだろう、このわずか3分弱のPVの中に。

もちろん米国サブカルの影響も濃厚であろう。

 

本題からはズレるが、一言しないではいられない。やはりホッテントリ入りした1月4日付このニュースとの整合性は、どうつけられるのだろう? 中国国外への販売は別口ということだろうか?

japanese.engadget.com

 

話を戻して、とにかく中国国内には米国や日本の熱心なウォッチャーがいることは確実なのだ、当然ながら。

ウォッチするどころか、その観測結果を製品に反映させられる力がある。それが真に恐るべきことだと思う。

 

昨年末、どうにも気持ち悪いニュースがあった。武蔵野市の住民投票条例案が否決されたという報道である。

www.nishinippon.co.jp

 

この件に関しては、自民党の佐藤正久参院議員の反対ツイートが話題になったり、武蔵野市に多くの外国人ヘイト団体が集結したことが報道されたりした。FF外から引用失礼します。

有権者数15万人の都市で過半数を獲得するとしたら15万人を転居させる必要があるだろう、というのは単純ミスとしても

  • 住民投票は法的拘束力を持たないから選挙で牛耳りようがない
  • すでに同等の条例を持つ自治体は複数あるがそんな事態は起きてない
  • 対象となる在日外国人は中国人以外が多数派

ということで、この批判はまるで的外れのように思われる。

だが条例案は否決されてしまった。そのことは中国に対してなんらダメージとならないばかりか、日本で働き日本で納税している外国人を失望させたという点で日本こそがダメージを受けたのではないか?

 

念のために言っておくが、私は香港、チベット、ウイグルにおける民主主義と人権の抑圧には強く反対するし、中国国内における人権派弁護士に対する弾圧のニュースも深く憂慮するものである。天安門事件の正当化を、決して許すつもりはない。

だが日本国内に猖獗するゼノフォビア的なヘイトは、合理性、合目的性を逸しているものが多すぎはしないか? 品のない喩えを使えば「尻に目薬」というやつで、百害あって一利ない。

 

中国に対して何を恐れるべきかに関しては、かの国の国内政策として報道される「共同富裕」というのはEV国際市場における覇権の奪取を目的とした中国版フォーディズム(フォード主義)ではないかという自ブログ記事を書いたことがある。

www.watto.nagoya

 

今年に入ってからの報道で、世界の食糧市場で日本が中国に圧倒的に「買い負け」ているという記事があった。国際競争はとにかくスケールが大きい。

www.news-postseven.com

ヘンな言い方だが「中国を正しく恐れる」ことは意外と難しいように思われるし、現状は「間違った中国の恐れ方」をして中国以外の国からの好感度を低下させるとかもっとダイレクトに国力を消耗するとかの自傷行為を繰り返しているように思えてならない。

 

中国の日本ウォッチャーは私のブログなんか見ていないだろうけど、佐藤議員のツイートはおそらく捕捉しているだろう。ウォッチャーはどんなふうに考えるだろうか? おそらく鼻で嗤うのではなかろうか? それだけの人的資源を投入するのであれば、もっと有効なことに使うだろうと。

例えば…?

もし8万人(ということにしておこう)の人間を3ヶ月間海外に派遣するのに相当する予算を使えるとしたら、どんなところに使うだろうか?

 

アフガニスタン!?

 

米国が撤退し再びタリバン政権の手に落ちたアフガニスタンに、中国が興味を示していることはすでに報道されている。いわゆる「一路一帯」すなわち中央アジア、中東、さらには欧州に及ぶ広域経済圏構想を実現する上で欠かすことのできない要衝に位置する上、すでに「共通の敵」インドの存在を背景に「中パ経済回廊」と呼ばれる親密な関係を構築しつつあるパキスタンに、さらにアフガニスタンが加われば地理的には鬼に金棒というものであろう。また(私としては実にイヤな話だと感じるが)新疆ウイグル自治区の「過激派」対策としても有効性が期待されるのだそうだ。

www.jiji.com

 

だが周知のごとくアフガニスタンは「大国の墓場」の異名を持ち、ここに進出した大英帝国、旧ソビエト連邦、そして米国はさんざ痛い目に遭っている(ただし誰よりも迷惑してきたのはアフガニスタン国民であることを、決して忘れてはならない)。

しかし中国の為政者にしてみたら、もし自国がアフガニスタン経営(ここで経営という語を使うのは傲慢に過ぎるかも知れないが)に好首尾を収めることができたら国際的に一目も二目も置かれるに違いないと、野望をたぎらせるさまを想像するのは不自然ではあるまい。

 

でもどうやって?(逆説 逆接*1の接続詞が多いな)

ヒントとなるのは、およそ35年にわたってパキスタン、アフガニスタンで医療活動と用水路開削など地域支援活動に従事し、2019年に殉難した中村哲医師の事跡であろう。

中国の日本ウォッチャーがゲームやサブカル以上にウオッチしていることは確実である。

 

私は中村氏の活動を支援するペシャワール会という団体の会員である。会員といっても年3,000円の個人会費を払い年4回発行される「ペシャワール会報」に目を通しているだけであるが。

会員は誰でもなれる。みんな大好き中国のエージェントも、たぶんなれる(一言多い 

www.peshawar-pms.com

ペシャワール会報を読むと、報道だけではわからないアフガニスタン現地の状況が、より鮮明にイメージできるように思う。

 

一例としてこれは中村医師最後の寄稿として西日本新聞に掲載された記事だが、私はペシャワール会報に転載されたものを最初に読んだ。

www.nishinippon.co.jp

中村医師らがアフガニスタンで運営するPMS(ペシャワール会医療サービス)という団体が、いかに現地で信頼を得ているかが読み取れるが、私は米国に支援された前アフガニスタン政権が再末期になぜあああっけなく覆され、アフガニスタン全土の地図がタリバン支配下を示す一色に一気に染まったのかが、間違っているかもだがおぼろげに理解できたような気がした。

前アフガニスタン中央政権の行政組織は全土に及んでおらず、アフガニスタンの大部分はその地域地域の小規模な有力者の主権下にあるのだ。

我が国に類例を求めると、戦国時代の状況がそれに近いように思われる。各地の土豪、地侍が、情勢を見て有力大名に就いたり離れたりする。一例を挙げるのが不自然なくらいだが、武田氏滅亡と本能寺の変の直後(天正壬午の乱)、徳川家康が駿遠甲信の広大な武田家旧領の大部分を短期間で支配下に収めたのは、真田氏のような例外あれど有力者が一斉に徳川氏に就くと旗幟を掲げたからだろう(弊ブログ天正壬午好きだね。言及これで何度目だ?

 

もちろん歴史状況は国と時代ですべて相異なる。米軍による反政府勢力掃討作戦が多数の誤認攻撃と民間人犠牲者を生んできたことと、それに対するアフガニスタン国民の反米感情の高まりのようなことは、あたりまえだが日本の戦国時代にはなかった事象だ。

これもほんの一例を。結婚式や葬儀の車列を攻撃したという報道もあったはず。

digital.asahi.com

digital.asahi.com

ペシャワール会報にしか載っていない記事からいくつか文字起こしをしたいので、一旦ここまでを公開します。この項続きます。

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*1:訂正しました。b:id:ranobe さんご指摘ありがとうございました