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ある日突然、私の口座に間違って約10万が振り込まれたときの話

「はてなブックマーク」で人気を博している「小説家になろう」のこの記事に乗っかります。「なろう」はブログカード出ないのかな?

ある日突然、私の口座に間違って二千万が振り込まれたときの話

ブコメでみんな言ってるけど、球団はカープだよね。

 

4630万円とか2000万円とか、そんな景気のいい話がそうそうあるものかと思い返してみたら、間違って振り込まれた経験が自分の人生でも一度だけあった。

ただしその額は約10万円と、だいぶショボくはあった。それでも大金は大金だ。

 

今から30年以上も前の、新卒で就職した会社での話である。

当時は余裕がある時代だったためか、その会社の新卒社員は1年ほど別の事業所で実習的な仕事をしてから、本配属の事業所に異動するのがルーチンだった。今はどうなっているだろう?

実習的と言いながら仕事のし方は他の社員と変わらず、残業もふつうに付いた。

 

ある月の残業時間が、一桁間違って計上されていた。2時間→20時間とか。

10万円には届かなかったと思うが、おかげでその月の月給の支給額は、一番上の桁が一つ違っていた。10万円台が20万円台とか。

 

使い込んでやろうという発想は、浮かばなかったな。

最初に思ったことは「ひょっとして会社は忠誠心を試しているのか?」ということだった。そんなことをしなくても、忠誠心なんてないけどな。

 

どうしようか、ちょっと考えた。

その会社では、課ごとに庶務さんがいた。在籍していた課の庶務さんは、40代くらいの女性だった。

給与明細を見せて「間違っているようですが」と申し出てみた。

庶務さんの第一声は「山分けしよ」だった。

 

もちろん冗談で、庶務さんは経理課に連絡をとってくれた。

何日かして、経理課から社内便が届いた。当時は電子メールなんかなかったから、紙の手紙である。

返金すべき金額と振込先の口座が記された、そっけないものだった。

 

さらに何日かして、都合のいい時に振り込みに行った。経理課からはそれきり連絡はなかった。「なろう」の作家さんと違って、菓子折りも届かなかった。

 

ちょっとは元を取れないかと思って、しばらく新入社員の飲み会のたびに話題作りのつもりで、給与明細を見せびらかすのを常としていた。1年目だから給料の差はほとんどないはずだから、見せたって構わないと思ったのだ。

多くの同期の反応は、一瞬沈黙して「わかるよね」というものだった。いずれ会社にわかるだろうという意味だ。

一人だけ「(支給額はもともと)こんなもんじゃない?」と言った奴がいた。そいつの勘違いだったのか、それともそいつだけそんなに貰っていたのかは、今となってはわからない。

 

ここまで読んでいただいた方の中には、当時私が勤めていた会社がだいぶ大きそうなところだと察せられた方もいらっしゃるのではなかろうか。しかり、過去にもごくたまに書いたことがあるはずだが、バブルの時代のことでもあり「日本を代表する」とまで言われたことのあるメーカーに間違って入ってしまったのだ。

 

だが入社してほどなく、人を人とも思わぬ驕りのような体質に、抵抗を感じるようになった。特に取引先の企業に対するパワハラとカスハラを悪魔合体させたような態度は、内部から見ていても辟易させられた。

 

いろいろと面白くない経緯があって、私は10年も経たぬうちその会社を退職した。その後のその会社の凋落ぶりは、今でもしばしばマスコミを賑わせている。そうした報道に対して内心快哉を叫ぶかつての取引先の担当者は、少なくないと想像する。

だがより大きな問題は、他の日本の大企業の体質も、大同小異のようであることだ。

 

サムネイルは いらすとや さんからお借りします。あるだろうと思ったけど、あるのか!

給与明細書のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや より

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