能登半島地震に際して、SNSでは前例のない現象が発生した。「現地に行くな」という声が大きくなり、一部では早期に現地入りした有名人に対する誹謗中傷まで発展した。
震源は(←よろしくない比喩だが他に思いつかなかった)石川県知事の発信であろうが、比較的被害軽微であった同県加賀地方の観光に風評被害による悪影響まで生じたという。
私のような特殊技能のない一般人ボランティアに対しては「出番はいちばん最後で、出番はできればない方がいい」と言われる。だが世の中にはプロ顔負けの装備と技能を持つボランティアNPOが存在し、私も報道経由の知識しか持ち合わせないが具体例には「ピースウィンズ ・ジャパン」さんは震災2日目から現地にヘリコプターを飛ばし医療スタッフを派遣したとNHK総合TV「ニュース7」が報道していた。NHKラジオ第1のローカル番組「夕刊ゴジらじ」によると、このような特殊な技能を持つ災害ボランティアNPOが日本では70団体ほど登録されていると言っていた(あとで確認のため検索したが裏は取れていない)。名古屋市に本部のある「レスキューストックヤード」さんはそのような団体の1つで、やはり1月2日に現地にチームを派遣したことが報道された。つかレスキューストックヤードさんの代表の方が夕刊ゴジらじにゲスト出演したときに、この話を聞いた。
何が言いたいかというと「ボランティアする気のない奴が叩くな!」と一言くらい文句を言いたいというか罵倒を返したいのである。
だが現地がどうなっているかは、実際に現地を見た人でないとわからない。その意味で私自身もネットで騒いでいる連中と、なんら変わりはない。
私のご縁のある団体は、弊ブログでしばしば言及している「愛知ボランティアセンター」さんだけで、ここは高校教師でもある久田理事長(肩書変わった! 以前は代表だったはず)始め市民の有志が運営している団体で特殊技能を持ったところではない。それでも公式ブログによると先遣隊を派遣して当初1月中のボランティアバス派遣を考えていたそうだが、諸般の事情により石川県の多くの自治体が一般ボランティアの受け入れを開始したのと同じ2月第2週がボラバス第一陣派遣とあいなった。
で、そのバスに乗って現地を見た私の印象
「あっ、これは無理はできない!」
ボラバス派遣先の七尾市能登島野崎町は、その名の通り能登半島の能登島に位置するが、ここは周囲をリアス式海岸で囲まれたような島である。一部幹線道を除く道は狭く曲がりくねっていて、平時でも行き違いに苦労する。しかも道路に走ったひび割れは修復途上で、バスは何度も大きく揺れた。通行止めを示す標識とカラーコーンも何度か見かけた。自分のバス以外の交通量は決して多くなかったが、それでも1度コミュニティーバスとの行き違いをやったときには、先方が何百メートル?もバックして道を譲ってくれた(ありがとうございます!
能登半島で渋滞が起きたか起きなかったかという議論もまたSNSではかまびすしかったが、こんなところで万が一にも渋滞が起きた日には目も当てられない! どうやって渋滞解消するんだ? 自治体の判断が慎重に傾くのも無理はないと思った。
政府や自治体の動きには思うところないわけではないが、ネットの議論にはできるだけ加担しないよう心がけ、微力極まりないが自分にできることを考えようと、何度目か改めて思った。
私が賛同する側の投稿に「いいね!」くらいはするけどな、と一言多い悪癖。
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ということで、2月9日付過去記事で書いた通り、同日深夜発「愛知ボランティアセンター」さん主催のボランティアバスに乗ってきた。
集合場所の東別院お茶所。写っているのは地元のローカルTVスタッフ。撮ろうとする者は撮られる。
勝手に恒例、乗らなきゃ撮れない車内の写真。定員45名ぎっしりだった。
東海北陸自動車道ひるがの高原SAでトイレ休憩。
雪!
能登島バス「健康センター」バス停に停まるボランティアバス。この付近に仮設トイレがあり、まともなトイレはそこが最後とのことだった。
今次被災地の特徴は、道路のみならず各種インフラの復旧が遅れていることだろう。特にトイレは自前で用意するよう事前に言われていた。携帯トイレを4回分準備したこともまた、前回拙記事に書いた通り。これで足りるか不安だったので、前日いや深夜発なので出発当日から水分を極力摂らないようにしていた。
果たして行き帰りのSA、PAのたびにトイレに行くよう心がけていたら、作業中は1度も用足ししなくて済んだ。正確には昼休み中に1度行っとこうと思ったが、休憩場所の地域コミュニティーセンターのトイレが激混み長蛇の列だったので諦めた(個室はあるが水が出ないのでそこで携帯トイレに用を足すよう言われた
体質によりけりで他人の参考にはならないが、自分用メモ。
弊ブログでは、被害にあった場所の写真は貼らないことにしています。ただし愛知ボラセンさんのスタッフの話によると、今回の派遣先では家主さんの許可を取っているので少しだったら撮ってもいいとのことでした。ただし「控え目に」とのことでした。
いずれ愛知ボラセンさんの公式ブログに写真が掲載されると思うので、その折に「追記」としてリンクを貼ります。
作業内容は、午前中はおもに被災民家からの廃棄物出しと分別、午後はおもに壁土落としと土のう詰めだった。
壁土と土のうの写真くらいなら貼ってもよかろう。
今回はもう一つ「素人の災害ボランティアの出番は一番最後」と言いながら、「実は一番最後でもない」と思った。
廃棄物出しして分別を行っても、回収と最終処分場への運搬は自治体の力を待たなければならない。
ボランティアのできることは微々たるものだと痛感する。また、よく考えないまま自治体などへの批判的言説をぶつことも控えるべきだと思った。
ただし大阪・関西万博、テメーはダメだ!…とまたしても一言多い悪癖。
岐阜県郡上発のボランティア給水車。現地に来て思い知る水の貴重さ!
あとマスクでメガネがよく曇った。次は簡易防塵マスクを持って行こう。呼気が下に抜けるので、多少はマシなはず。自ブログから何度目かの写真再掲。
ということは、すなわちまた行くつもりである。
来週末にもボラバス派遣予定はあるが、都合悪かった。2週連続はちょっとキツいし。
来々週末、2月24日(土) に愛知ボラセンさんとしては通算第4次の派遣を計画していると帰途のバス中で告知があったから、それに申し込む予定。
追記:
日テレさんの全国ニュースに現地の映像が流れました。
第4回(私にとって2回目)申し込みました。おせっかいです。地元ローカルTVニュースのURLがリンク切れでした。中京テレビさん https://t.co/40z4OgQLOn メ~テレさん https://t.co/ML2BObHBmN
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