こんなニュースがあった。
閉幕後と言わず直ちに建設を中止、解体して集合材を仮設住宅に利用してください。
森林ジャーナリスト田中淳夫さんの記事によると、大屋根リングに必要な木材約2万立方メートルは、国産の構造用集成材の年間供給量の6割を占めるのだそうだ。そこで主にフィンランドのアカマツ材による集成材が多く使われることになったとのことだが、それほどの量を使用するなら仮設住宅用とバッティングしないわけがない。
またこの記事の執筆時点で完成しているのは木造構造部分の約35%とのこと、加工済みの集合材は再利用が難しいそうだから、中止は早ければ早いほどいい。
「仮設住宅4000戸分」という記事も見つけた。試算ないわけなかった。
本当にそう応募しようと思っていたら応募できるのは企業や自治体、公的機関だけで、個人は応募できないのか。ちっ。
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能登半島地震の復興と大阪・関西万博の準備は、集合材だけでなく多くのリソースが競合することは、すでに多数の指摘がある。そうでなくても「2024年問題」による人手不足が言われていたところに加えて、万博会場の夢洲は電気・上下水道などインフラ整備が間に合っていないと伝えられるが、これらは被災地が多大なダメージを受けた分野でもある。
万博延期の声は、いろんなところから上がっている。閣僚からは高市早苗経済安保相が岸田文雄首相に対してそれを進言したことが報じられた。
それに対し日本維新の会の馬場伸幸代表は「万博延期を主張するなら辞職しろ」と発言したとの由。
閣内不一致が理由だそうだけど、高市氏が「首相の判断に従う」とも言っていることはSmartFLASHの記事も朝日新聞デジタルの記事も伝えている。そもそも閣僚になるほど政治家歴の長い人物が、その程度の予防線を張らないはずはない。馬場氏の発言は稚拙で反感を呼ぶだけだと思う。
リング状構造物が陳腐でありふれていることは、拙過去記事に書いたことがある。利用者からしたら遠回りになるだけでメリットなく、上空から俯瞰したときのビジュアルくらいしかアピールするものがないのだ。「世界最大級」「木造」という謳い文句が、どれほど来客を引きつけるというのか？
2020東京オリンピックやドバイ万博がコロナ禍で1年延期された前例があるのだし、大阪・関西万博は最低2年程度延期するのが現実的ではないだろうか？
そして万博の目玉として、円形リングの撤去した跡地は舗装の色を白かなにかに変え上空からよくわかるようにし「使用予定の木材はすべて被災地の仮設住宅に利用しました」という銘盤を随所に設置したほうが、来客にははるかに強いインパクトを与えるのではないかと考える。
逆にこのまま大阪・関西万博を進めたら、必ず前代未聞のコケ方をするだろう。
そのとき「助けてくれ」と言っても、誰も助けてくれないだろう。被災地を助けようとしなかったのだから。
ところでX旧ツイッターで、こんなポストを見かけた。
みんな。ちょっといい？
— 大阪が好きやねん#入管法改悪反対＠維新にこれ以上大阪を壊されてたまるか！ (@oosakahaoosaka) 2024年2月1日
大阪万博の大屋根やけど、スプリンクラーついてないねん。 pic.twitter.com/lJ2l6R8RcN
ええっ！？ いくらなんでもガセでしょ？
確認のつもりで「大屋根リング スプリンクラー」で検索したところ、直接的に「スプリンクラーがない」と述べた報道はヒットしなかった。
ただし、こんなpdf文書がヒットした。傍証になるかも知れない。
2025年日本国際博覧会における建築基準法第85条第6項及び第7項の規定に基づく仮設建築物許可基準
スプリンクラーに言及があったのは、P2「内装制限」の項(3)、(4)。(3)で火気使用室については建築基準法施行令「スプリンクラー設備等」の規定を適用するが、(4)にはそれ以外の区画には適用しないと書いてあった。
たいへん痛ましいニュースを思い出さざるを得ない…
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