米国政治には専門家が多数いて、素人が口を挟む余地はさらさらないだろう。だが予測が難しい状況に直面したとき「自分を納得させるor安心させる」目的で、乏しい材料の中から愚考を巡らすことにも価値は皆無ではない、と思いたい。
最近では(3年前だが)ロシアのウクライナ侵攻に際して「ただちに第三次世界大戦になることはないだろう」というのをやった。もちろん戦争が続く限り、安心することはできないが。
就任したての米国トランプ大統領が、傍目にも危なっかしい政策を次々と打ち出している。
はてなブックマークコメントの多くついた記事を選んだら、見事にCNNばっかりになった。そりゃそうか。
ただし本記事を書くきっかけになったのは、「なんJ政治ネタまとめ」さんのこのエントリーだった。
いちおう元記事のブログカードも貼る。
「なんJ政治ネタまとめ」さんに、次のようなブコメを投入した。本稿はその敷衍である。
トランプ、米国王に即位 : なんJ政治ネタまとめ
素人の予測にすぎないけど、米国連邦政府の弱体化は避けられないだろうが彼の国には州政府という受け皿があるから、字義通りの「合州国」、EU本部と欧州各国みたいになってゆくのかな? つかその程度で済んでほしい。
2025/02/23 19:42
米国の州が、国家に準じる強大な権力を持っていることは、常識レベルの知識だろう。
確認のため検索したところ、意外にも(?)財務省の次のpdf文書がわかりやすかった。
アメリカにおける連邦・州・地方の役割分担 (pdf)
米国の州は、課税徴収権(!) を持ち、州憲法と三権を持ち、軍隊を持っているのだ! ほとんど国家と変わらないじゃないか。
ただし米合衆国憲法が、連邦政府の権力が州の権力に優越することを定めているという(第6条第2節)。なんやかんや言いつついつも愛読しているwikipedia記事は、連邦政府と州政府の権力争いの略史のようになっている。
検索すると他にも多数の記事がヒットし、知らなかったことだらけだから少しずつ読まねば。
「パーキンソンの法則」という古い本がある。はるか昔のサラリーマン時代に、当時の上司に勧められて読んだ本だから、現在Amazonマーケットプレイスに出品されているものよりさらに古い版だったはずだ。
この本によると、官僚は常に自らの組織を肥大化させる傾向があるという。よって官僚の仕事は常に増大し、人員は常に不足し、予算は蕩尽してなお足りずより多くを要求し、納期は余裕をもって設定しても常に超過するという。
今にして思えば、この理屈は現代社会を蝕む新自由主義の理論的支柱の嚆矢の一つとなっているような気がしないでもないが、その論点は今はさて措く。いやトランプ流改革の底流にもなっていそうだから、いつかは論じなきゃならないか。
もしこのパーキンソンの法則が米国の連邦政府と州政府の関係にも適用できるとしたら、長期的にはともかく短期的には連邦政府の混乱と弱体化は避けられないわけで、その空白を州政府がいそいそと埋める結果につながるのではないだろうか? そしていったん入手した権限をやすやすと手放す奴は誰もいないから、連邦政府と州政府の権限争いは彼の国に長い禍根をもたらすのではなかろうか?
カリフォルニア州なんか、GDPは日本より大きいし、トランプ大統領と仲が悪そうだし。
私は the United States of America の訳語として「アメリカ合衆国」ではなく「アメリカ合州国」の方が適切だと思っていると、過去記事 に書いたことがある。
いらんことだが、当時まだ一般的ではなかったChatGPTに聞いてみた。一部、引用。
「United States」を直訳すると、「連合した州」という意味になります。日本では19世紀後半から20世紀初頭にかけて、西洋の国名を漢字で訳す際に、中国の訳語を参考にすることが一般的でした。
中国では、「United」を「合」、「States」を「衆国」と訳し、「合衆国」という言葉が使われるようになりました。この訳語が日本にも伝わり、そのまま定着したのです。
DeepSeekにも聞いてみたが、同じような回答だった。どちらも具体的な出典までは教えてくれなかった。中国起源説は、紙の本でも読んだ記憶がある。本多勝一『アメリカ合州国』じゃなかったかな。違っているかも知れない。
ということで、比較的穏健な予測として、米国は今後、国名通りの「アメリカ合州国」の色合いを強めていくのではないだろうか。あるいはEU本部とヨーロッパ各国みたいになってゆくのではないだろうか。
むしろ、その程度で済んでほしいという願望を込めて書いている。10年ほど前の安倍政権下で、集団的自衛権を容認する安全保障関連法案が、当時衆参両院で多数を占めた与党の強行採決により成立したことを、思い出さねばならない。
トランプ政権が外交において火遊びを始めたとき、もし日本にも派兵が要請されたら、日本は断るすべを持たないのだ。
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