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E・T・ベル、河野繁雄(訳)『数学は科学の女王にして奴隷 1 天才数学者はいかに考えたか』(ハヤカワ文庫)

数学は科学の女王にして奴隷 1 《数理を愉しむ》シリーズ (ハヤカワ文庫 NF)

数学は科学の女王にして奴隷 1 《数理を愉しむ》シリーズ (ハヤカワ文庫 NF)

数学の一般向け解説書にしては珍しくと言うか何と言うか、数学上の基本的な概念やら定義やらが、数式の形で載っているのがありがたい。
例えば『ガロア理論講義 (日評数学選書)』の第1章に出てくるa+b√m(a、b、mは有理数)が体をなすという話は、本書ではp142で出てくるし、同じく第2章に登場する置換群の記号((abc)は〝aをbに、bをcに、cをaに〟と読む、というやつ)は本書ではp295ページで登場する。本書p300の(abc)=(ab)(ac)、(abcd)=(ab)(ac)(ad)…なんて『ガロア理論講義 (日評数学選書)』p26の問題2.4と同じだよ!
ただし本書では角の三等分線や立方根が作図不能であることの証明は扱われていないし、また例えば群の定義が登場する第9章ではひととおり群の定義の紹介が終わったら量子力学への応用が「普通の言葉で」語られるし、第10章ではリーマン幾何学の紹介が終わったら一般相対性理論の話が「普通の言葉で」語られる。やはり一般向け解説書なのである(でなきゃこんなに早く読み終わるわけがない)。
とは言うものの、私の目下の個人的な事情からすると、『ガロア理論講義 (日評数学選書)』を読み進める上では本書はたいへん役に立った。数学専攻の学生には基礎的な知識でも、門外漢には慣れていない用語や記号や表記法を調べるのに、大変便利だからである。
ハヤカワ文庫版の初版は2004年と最近だが、原書の出版は1951年と古く、刊行時にはフェルマーの大定理も四色問題も証明されていなかった。
ガロア理論講義 (日評数学選書)

ガロア理論講義 (日評数学選書)