しいたげられたしいたけ

選択的夫婦別姓の早期実現を求める

谷口克広『織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで』(中公新書)

織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで (中公新書)

織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで (中公新書)

タイトルのつけ方がうまいよね。内容的には織田信長の生涯をほぼ時系列順に辿ったものなのだが、合戦に明け暮れた戦国武将の生涯を忠実に辿れば確かにタイトルのようなものになるのだろう。聞いた話だが、最近の新刊本は、タイトルによる「つかみ」に成功したものがベストセラーになる、というか、タイトルの「つかみ」に失敗すると売れないのだそうだ。
それにしても、印象に残るのは登場する人名の夥しさである。羽柴、明智、柴田…あるいは浅井、朝倉、武田…などのビッグネームもあるが、大部分はなじみのないものである。考えてみれば当時の社会情勢はと言えば、今の市区町村かそれより小さいくらいのコミュニティにそれぞれ有力者がいて、彼らは武将だったり名主だったり有力社寺の住職や神官だったりするのだろうけど、それが織田側につくか対立する大名側につくかで戦をしていたわけである。今なら選挙でやっていることである。戦という力ずくで意思決定をするか、選挙というシステムがうまく機能しているかの違いがあるだけで、案外人間のやっていることは今も昔も大して変わらないのではないかという気が少しした。