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湯浅治久『戦国仏教―中世社会と日蓮宗』(中公新書)

戦国仏教―中世社会と日蓮宗 (中公新書)

戦国仏教―中世社会と日蓮宗 (中公新書)

「鎌倉仏教」という言葉があり、現代の日本で多くの門信徒を擁する多くの宗派の祖師は、鎌倉時代に登場し活躍した。しかし彼らが啓いた宗派がただちに日本社会に受容されたわけではなく、彼らの法門が広く民衆の間に基盤を獲得するのは、戦国時代なのだそうである。そこで史学会では「戦国仏教」という概念が提唱されているのだそうだ。そう言われれば、浄土真宗は本願寺八世の蓮如の時代に教団の勢力を大いに伸ばしたことは私も知っている。本書で多くのページを割いて扱われる日親は、蓮如と同時代人のようである。
ただしサブタイトルの通り本書で主に扱われるのは日蓮宗で、残念ながら私のこの宗派に関する知識は多くない(さすがに日親は「鍋かぶり日親」と言われると「ああ、あの」と思い出すが)。従って本書で紹介される歴史エピソードも、私にはもう一つぴんと来ないものが多い。