🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戦争反対!Ceasefire Now! 一刻も早い停戦を!

【童話】スーとお花ばたけ(その3)

蛇足

「その1」でいただいたブクマに、画像を「いらすとや」さんからお借りしたことに反応を何件かいただきました。画像検索して適切そうなものを使わせてもらっただけで、何か意図があったわけではありません。でも「いらすとや」さんマジ有能で、今回の連載に必要な画像はすべてこちらで揃いそうなので、これも何かのご縁と思って統一することにします。

スポンサーリンク

 

 

16

「おまえをたべちゃうぞ」

こえのぬしは、きょだいなイモムシでした。

牛ほどの大きさの、みどりいろのぶよぶよしたイモムシでした。

スーはたずねました。

「なぜわたしをたべるの?」

17

イモムシはこたえました。

「おれたちのなかまは、ようちゅうのときに花をたべると、花のもようのちょうちょになれる。

ねずみをたべると、ねずみのもようのちょうちょになれる。

ねこをたべると、ねこのもようのちょうちょになれる。

いぬをたべると、いぬのもようのちょうちょになれるのだ」

18

「だが、女の子をたべて、女の子のもようのちょうちょになったイモムシは、まだいない。

だからおれさまは、おまえをたべるのだ」

たべられてはたまりません。スーはにげだしました。

19

イモムシはおいかけてきました。さいわいイモムシは、そんなに足がはやくないようです。

ところがスーのバスケットから、だいじなししゅうのどうぐが、ぽろっとおちてしまいました。

「いけない!」

スーはおもわず立ち止まりました。

20

ししゅうのどうぐはイモムシが、とげのような、つめのような前足でひろって、めずらしそうにながめています。

スーは言いました。

「それをかえして。それはわたしのだいじなものよ」

21

イモムシは言いました。

「きれいじゃないか。おまえはこんなもようをたべたのか?」

スーは言いました。

「ちがうわ。わたしたちは、なにもたべなくても、きれいなもようが作れるのよ」

22

イモムシはたずねました。

「どうやって、そんなことができるのだ?」

スーは言いました。

「それはわたしのいちばんだいじなものよ。あなたのいちばんだいじなものを、見せてくれたらおしえてあげる」

23

イモムシは言いました。

「しかたがないな」

イモムシはむねの合わせ目の、ふところのようになったところから、大きな目ざましどけいを取り出しました。

「これがおれさまの、いちばんだいじなものだ」

(つづく)

f:id:watto:20160108211355p:plain

かわいいフリー素材集 いらすとや 様より

追記:

続きです。

www.watto.nagoya

スポンサーリンク