id:fish_after_fish さんから、前回のエントリーにこんなコメントをいただきました。ありがとうございます。
小ネタの在庫処分 - しいたげられたしいたけ
台湾ラーメンって名古屋地区しか通じませんよ。確認のため東京横浜在住の知人20人にメール送って聞いたら、全員知りませんでした。関東進出してない名古屋メシですね。
2016/06/22 11:13
台湾ラーメンというのは、醤油味スープで挽き肉とニラと丸のままの唐辛子を揚げたものをトッピングしたラーメンである。なんでこれを台湾ラーメンと呼ぶのかは知らない。
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台湾ラーメンの元祖とされる名古屋の中国料理店「味仙」に関しては、まりお (id:topbwoy)さんが詳細なレポートを書かれている。感謝しつつリンクを貼らせていただきます。
実はこちらのブコメ欄でも、私が次のようなブコメを投入したところ…
名古屋名物「味仙の台湾ラーメン」 - バカは風邪をひく。
名古屋にはベトナムにはない「ベトコンラーメン」もありますね。
2016/03/19 22:47
fish_after_fish さんから次のようなご教示をいただいたのだった。
名古屋名物「味仙の台湾ラーメン」 - バカは風邪をひく。
え?ベトコンラーメンはベストコンディションラーメンの略でしょ。
2016/03/19 23:25
若い人には通じないかも知れないのでヤボを承知で解説すると、「ベトコン」というのはベトナム戦争時代の旧南ベトナムにおける反政府勢力「南ベトナム解放民族戦線」に対する蔑称で、PC的には明らかに問題ありなのだ。そのへんを踏まえていないと fish_after_fish さんのすっとぼけは面白くない。
しかしこのベトコンラーメンという名称は、現在も堂々と使われている。これはうちの市内にあるラーメン店。開店は数年前。わりと最近のはずだ。
これまで入ったことなかったので、食レポのため入ってみた。
手前がくだんのベトコンラーメンで、軟らかく茹でたニンニク、大量のモヤシ、それに写真からはよくわからないが赤トウガラシの粉末がちりばめられている。スープはやはり醤油味。
奥の小ライスとサラダはランチサービスとして100円増しでつけることができる。
ニンニクもモヤシもトウガラシも、何よりラーメン自体も、ベトナムと関係があるのかないのかよくわからない。だがこちらも自信がないから、「これがベトナムだ!」と強弁されれば「はあそうですか」と引き下がるしかない。今どきであれば、ベトナム料理と言われて思い浮かぶものは何品かあるのだが。フォー(米麺)とか、ゴイクン(生春巻き)とか、ホビロンとか(をい
それでも「ウチではこれをこう呼ぶのだ」という姿勢には、やはり何がしかの恥ずかしさを感じないではいられない。「ウチはウチ、ヨソはヨソ」という「ムラ意識」みたいなものを想起させられるからだろうか。
* * *
どうしてもダメなのがこれ。いつまで経っても抵抗を感じるのがこれ。
鶏肉を一口大に切って味付けたものを「鶏ちゃん(ケイチャン)」と呼んで、岐阜県の特に北部(飛騨地方、美濃地方北部)の名物として売り出している。
「ケイジャンチキン」という米国料理がある。SUBWAYの人気メニューだったこともあり、松屋もケイジャンチキン定食というのを売り出したことがある。ウィキペによるとケイジャンというのは、最初カナダに入植し後に米国南部のルイジアナ州に移動したフランス系移民の子孫をさすのだそうだ。
どう考えてもそれをどっかで小耳にはさんで、深く考えないまま地元の料理に命名したとしか思えない。
いや、ブタの腸を焼いた料理を「豚ちゃん(トンチャン)」と呼ぶことがあるから、それに対抗した可能性もあるのか。
どっちにしろ、ケイジャンチキンの知名度は「鶏ちゃん」より圧倒的に上のはずだ。よそから来た人が「鶏ちゃん」という名前を初見したときの印象を想像すると、あえて意地の悪い書き方をするなら「ものを知らない田舎者が(・∀・)ニヤニヤ」てなことにならないか?
それに対して「ヨソはヨソ、ウチはウチだからこれでいいのだ!」と開き直るとしたら、その心情もいかにも「ムラ意識」っぽい気がする。
まあそれを言い出したら、ヨーカンをカステラで挟んだどう考えても和風だろというお菓子を「シベリア」と呼んだり、鉄板で焼いた溶き卵の上にケチャップで味付けしたうどん風パスタを乗せ「ナポリタン」と呼んだりと、全国区の現象なのかも知れない。「日本は世界の田舎者」という言い回しは、「田舎者」のところを具体的な地名に変えたりして(「名古屋」とか)、繰り返し言われていることではある。
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