しいたげられたしいたけ

空気を読まない 他人に空気を読むことを求めない

板東英二『プロ野球知らなきゃ損する』(青春出版社)をプレゼントとしていただきました

身バレ住所バレしている「はてなー」さんからプレゼントをいただくことがあります。過去記事は、ここから芋づる式にたどれるはずです。

www.watto.nagoya

 

今回は事前に「何か送るよ」というメッセージをいただいていました。およ、ある意味見慣れた「もったいない本舗」の封筒?

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予想外のものが出てきました! 1984(昭和59)年初版なので、マーケットプレイスから入手するしかなかったのですね?

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プロ野球知らなきゃ損する―ドえらいこの事実すべて実名です (プレイブックス)

プロ野球知らなきゃ損する―ドえらいこの事実すべて実名です (プレイブックス)

 

まずはお礼を。ありがとうございました。

え? なんでこの本? と思いつつ、読み始めると、一気に引き込まれた。プロ野球というものに思い入れの深い時期というものは人によって違うだろうけど、たまたま私個人としては、この本が発行された前後の1980年代前半が、実生活の様々な記憶と結びついてとりわけ印象深く記憶に残っているので。

 

当時ジャイアンツはV9の時期が終わり、混迷の長嶋監督一期時代や「空白の一日騒動」などを経て、なんやかんやで「球界の盟主」とやらに返り咲いた時期。実はその頃、私は熱烈なアンチ巨人だった。東京を本拠地としているというだけの理由で、TV中継と、結果として人気を独占していることに対して反感を抱いたのだ。ジャイアンツがプロ野球界に君臨し続けている背景にはもっと複雑な事情があることを知るのは、もう少し後のことになる。

だからといってパ・リーグを応援するまで行かないのが、我ながらいつも中途半端なところ。水島新司は『あぶさん』にパ・リーグの選手を実名で登場させたり、一時期は自腹で賞金を出すなんてことまでしていたというが。あ、今回は敬称略で失礼します。

それはともかく、80年代前半だったらセ・リーグのいくつかのチームの、上位打線くらいなら、今でもだいたい諳んじられる。ジャイアンツだと松本、河埜、篠塚、原、クロマティ…だったかな、ドラゴンズなら'82リーグ優勝の時が田尾、平野、モッカ、矢沢、大島…タイガースなら'85日本一の時が真弓、北村、バース、掛布、岡田…もちろん異論はあると思う。

現在のオーダーは、ぜんぜんわからない。辛うじて去年までのカープの打線がタナ・キク・マルと呼ばれていたのを手掛かりに、田中、菊池、丸、鈴木、誠也…鈴木と誠也で一人だ一人!

 

『プロ野球知らなきゃ損する』の話だが、まずは初版当時の各チーム主力選手に関するゴシップが披露される。江川の「元祖・投げる不動産屋」っぷりであるとか(P19~)、大家族育ちの中畑が孤独に耐えられない寂しがり屋であることとか(P22~)、婚約破棄事件で一騒動起こした篠塚の艶福つか女難についてであるとか(P26~)、いくつかのエピソードは、今でも「言われてみれば、そんなことがあったな」と思い出せるものがある。もちろん全然知らなかったものもある。

 

だが本書でやはり光彩を放つのは、なんと言っても著者が現役ピッチャーとして対峙した同時代の選手達に関する記述だと感じる。P187~の、V9時代のジャイアンツ戦に先発する前夜、眠れぬままに相手打線との対戦をシミュレートする箇所は、本書の白眉だと思う。

トップバッター柴田を、著者は「単純なほう」と断じる。アウトコース高めに「いまのストライクですか?」と文句を言わせるような臭いタマを投げてから、インコースにスライド気味のタマを投げると、きっと引っかけてセカンドゴロを打ってくれるであろうと想像するのだ。

二番土井は「非力」と断じ、真ん中高めのストレートで力勝負すれば外野フライどまりだろうと。

問題はONである。王に対して言うことがいい。王は、決してボール球に手を出さない。王が見逃したタマは、審判がボールと言うからであると。よってフォアボール。

四番長嶋。「この人は何やるかわからん。攻め方を考えるだけ無駄ちゅうもんですわ」というのが著者の談(P188)。連続四球でツーアウト一、二塁。

五番森は足が遅いから、落ちるタマで内野に多少深くてもゴロを打たせればアウトが取れるであろうという皮算用である。

現実にはどうなったか? トップバッターの柴田は、著者の目論見通りセカンドゴロを打ってくれた。しかしドラゴンズ二塁手の名手と言われた高木は、実は正面のゴロにめっぽう弱かったそうで、エラーで一塁に出してしまう。

そうすると、次打者の土井はバントの名手でおまけに柴田はやたらと足が速い。次に控えるのはONである。けっきょく著者は、1イニング持たずして監督から「おまえ、代われ」(P191)と言い渡されるのである。

 

昨日(9/8)、こんなホッテントリがあった。弊ブログではときどき「大脳はあらゆるものを認識するのに特化した部分(専用回路)を作る」という怪しげな脳理論を開陳している。その補強材料である。

wired.jp

ブコメに「ポケモンに特化した回路はないが、ウルトラ怪獣や昭和ライダーの怪人に特化した回路はあるかも」という意味のものがいくつかあったので、スターをつけて回った。 

 

少し前だが、こんなツイートが流れてきたのを見て印象深かったこともあった。FF外から引用失礼します。

 

プロ野球というものの認識に関しても、かつての多くの日本人は必ずや脳内に専用回路を構築していたであろうし、かつてドラゴンズのエース投手の座にあった著者の脳内に構築された専用回路は、その解像度・解析能力において、一般のファンのそれをはるかにしのぐ性能を持っていたであろうことは、容易に想像ができる。 

ただし、著者には他人に見えないものがどんなふうに見えていたのかを、私は想像することができない。

他人に見えないものが見えている状況や、それまで見えなかったものが見えるようになってゆくプロセスには、とても興味がある。だがそういうテーマに対して、どのようにアプローチしたらいいのか、どのように認識を深めたらいいのか、見当がつかない。

 

ところで 板東英二 - Wikipedia 中の以下の個所は

板東は著書[要文献特定詳細情報]の中で、星野の人となりについても「闘志あふれる男と言われるがあれは星野の実像ではない。交代も自分から替えてくれと言った方が多いのではないか。ホントは気の小さい男なのだ」「巨人相手に投げるのが生き甲斐だなんて言っているが広島戦[注 12]の方がよっぽど一生懸命投げていた。その方が勝星につながるからだ」などの記述が見られる

本書 P130~131 が出典のようです。

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私はウィキペをいじる権限を持っていないし、いじる権限を獲得する意思もありませんが、もし「自分が」と思われる方がいらっしゃいましたら、どうぞ。

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