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アベノマスク未使用分と保管料がペシャワール会の過去と未来の活動費を上回るという試算結果

同じようなネタを何度やるのかという気もするが、冗談で計算を始めたら本気で腹が立ってきたというか情けなくなってきたので、過去記事に追記するとともに独立したエントリーを起こす。

きっかけは朝日新聞デジタルのこの記事だった。

digital.asahi.com

 

1月22日付拙記事 に、冗談のつもりで「広さの単位としての東京ドーム、税金ムダ遣いの単位としてのアベノマスクみたいに、ペシャワール会の活動費を比較対象とするとイメージが広がらないか」と書いた。ペシャワール会とは故中村哲氏主催によるパキスタン・アフガニスタンでの医療活動や灌漑事業を行う団体である。

ところがアベノマスクにかかった費用がいくらだったか確認してなかったので、この際検索してみた。

 

上掲朝日新聞デジタル記事には未使用分のコストは載ってなかったが、TBSのサイトによると…

当時1枚およそ140円という調達コストなので金額にしてざっと112億円分。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4430333.html より

megalodon.jp

NHKのサイトによると…

しかし、今年10月末の時点で全体の3割、8130万枚(113億円相当)が配られないまま余っており≪後略≫

www3.nhk.or.jp

とのことだった。保管料6億円という数字は朝日、TBS、NHKとも共通だった。

 

ペシャワール会の予算規模は、同会会報に載った会計報告の数字を 1月11日付拙記事1月22日付拙記事 に載せた。

2020年度の予算規模は約5億7千万円、

2019年度の予算規模は約5億1千6百万円、

2018年度の予算規模は約4億6百万円、

とのことだった。

おそらく知名度が上がったことにより、この3年間は毎年約1割ずつ増えている増えている。しかし中村医師を喪ったことの影響が、今後どう出てくるかはわからない。だが今はそれは措く。

初期の頃は現在より規模は小さかったと思われるが、年間平均予算をおおざっぱに毎年5億円とする。

灌漑事業に限定すると「現地活動|ペシャワール会」によるとペシャワール会現地法人が事業に着手したのは2003年からとのこと。事業は2022年現在も継続中である。

 

TBSの112億円説を採るにせよ、NHKの113億円説を採るにせよ、ペシャワール会の推定累積活動費5(億円/年)×19(年)=95(億円)をゆうに上回る。

 

また保管料6億円はTBS、NHKとも「今年三月時点で」という但し書きがついているから年額という意味だと推定される。過去3年のペシャワール会予算規模より大きい。

 

つまりアベノマスク未使用分費用と保管料は(もし今のまま保管を続ければだが)、ペシャワール会の過去と未来の灌漑事業費を上回るのだ。

 

以前も一度引用したが、ペシャワール会HPから灌漑事業の実績を短く引用する。

灌漑事業
2001年、医療事業と併行し、"水源確保事業"として開始。
2003年に用水路建設に着手。干ばつで荒れた農村にて、耕地16,500haの安定灌漑、65万人の農民の生活を護る「地域復興モデル」を目指し、長期的な復興事業を展開して現在に至る。

http://www.peshawar-pms.com/index_act.html より

 

2019年
2月 ガンベリ西部にシギ排水路工事着工。カマⅠ・Ⅱ堰第4次改修完了。PMS方式取水堰の標準設計が確立。
6月 ジャララバード北部穀倉地帯16500ヘクタール、65万人の安定灌漑を達成。
7月 PMS作業地全域で記録的な水稲栽培。

http://www.peshawar-pms.com/acts/water_index3.html より

 

ここでもう一度最初に貼ったブログカードの朝日新聞デジタル記事を見返していただけないだろうか?

拡大写真を順に表示させると…

「アベノマスクを使えば、カイワレも育てられる。@tonkotu0621さん提供」

「アベノマスクにお気に入りのスタンプを押してコースターに=ネクストエージ提供」

「ワクチン接種後に腫れてしまった場合など、保冷剤をいれて患部を冷やせる」

といったキャプションが一緒に出てくる。

怒りを通り越して悲しくならないだろうか?

これらの試みを行った人たちに対してではない。このような愚策を実行し、なおかつ過ちを認めて改めようとしない政府に対してである。

 

もう一つ比較対象になりそうな数字を見つけた。

私は公益財団法人日本骨髄バンクの賛助会員でもある。年額1万円の賛助会費を支払えばなれ、年2回の会報「日本骨髄バンクNEWS」と年1回の事業報告・決算報告が送られてくる。

日本骨髄バンク | 募金ご協力のお願い

 

手元にある最新の「令和2年度事業報告」P1によると、同法人が仲介した骨髄移植の件数は2020(R2)年度が1,096件、前年の2021(R1)年度が1,232件だったそうだ。

 

ペシャワール会に公金は入ってないが、日本骨髄バンクは公益法人なので国からの補助金が出ている。

「令和2年度決算報告書」P2の正味財産増減計算書によると、2020(R2)年度の経常収益計が約14億6千万円、前年の2021(R1)年度が約15億1千万円とのことだった。

額の多い勘定科目は「受取寄付金」「受取補助金」「受取患者負担金」「受取保険財源収益」であるが、このうち受取補助金の細分科目は「受取国庫補助金」ひとつで2020(R2)年度の額が約4億9千9百万円、前年の2021(R1)年度が約4億6千2百万円と記されていた。

 

アベノマスク保管料の方が高い。

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