3月14日付の拙記事は「だが私は(『シン・仮面ライダー』を)劇場では観ない」という関係者に失礼なオチで締めくくった。一言言い訳をすると、私は滅多に映画館に足を運ばないタイプである。
だが「劇場で見ろよ」と言わんばかりの偶然が重なったため、けっきょく劇場で鑑賞した。今回のエントリーはその経緯を記す。一般性皆無で他人には関係のないことではあるが、日記として。
きっかけは日雇い斡旋会社から(実はまだやってる)「朝4時集合、現地6時着、9時まで会場設営作業、16時から会場撤収作業、18時作業完了」というバイトを依頼されたことだ。
「若い人だったら大丈夫でしょうけど、このトシだとキツい」と断ろうとしたが、「どうしても」と押し切られて受けてしまった。頭数を余裕をもって集めたかったのだろうと想像する。
しかし、どうやって朝の4時に集合場所まで移動しろというのだ。担当者は「前泊手当が出ますから漫喫にでも泊ってください」と言うが、手当そんな額かい! ネットで調べたら、確かに漫喫には十分な額だった。だが車で移動してコインパーキングで24H上限料金を払った方が安くつき、かつ楽そうだったから、そうした。なかなか劇場鑑賞までたどり着かないな。今のうちに断っておこう、今回の本題は日記です。
会場設営作業は滞りなく終わった。次の問題は、撤収作業開始の集合時間までどうやって時間を潰すかだ。現場へは何台かのバンに分乗して移動したが、私の乗ったバンは、近所にあったかなり大規模なショッピングモールに行けばなんとかなるだろうということになった。モールに着いてからは自由行動となった。
モールにはシネコンが併設されていた。集合時間までは1本鑑賞するのに十分である。しかしネットで話題になった作品は何作も上映されていたにもかかわらず、上映開始時間を考慮すると『シン・仮面ライダー』一択となった。私がタイトルを知っている作品では同作一択と表現した方が、より正確であろうか。
3月14日付拙過去記事で、言わなくてもいいことを言った祟りかも知れない。
映画の内容については、深入りは避ける。うちのブログはあえてネタバレはしない方針なので。ネタバレ皆無ではないけど。
いくつか短めに。
1点目、3月14日付拙過去記事の自己採点をおこなったところ、そこそこの高得点だったと自己満足している。予告編ですでに解禁済みのネタがいくつもあったじゃないかという突っ込みは黙殺する。
完全に外したのは「米国政府機関が出てくる」「わけわからん漢字が充てられている」「クラウド的な力の集結でショッカーを倒す」くらいか? 細かいところを厳密に採点すれば、減点幅はもっと大きくなる。SHOCKERがアクロニム(wikipedia:頭字語)だったことを当てられなかったのは、ちょっと痛恨。これだけでもけっこうなネタバレかな?
2点目、もう一歩ネタバレに踏み込むと、本作はヒロイン緑川ルリ子が実質主人公で、緑川家のセカイ系ストーリーとして仕上げられていた。さすが「google:セカイ系」という言葉の生みの親(?)の手になるものだけある。
3点目、作品自体は、とてもよくまとまっていたと感じた。原作マンガorTVシリーズを知らない世代にもわかるように配慮されていたように思う。だが原作をリアルタイムで観ていた層を狂喜させる仕掛けは、満載されていた。
ほんの一例だが、石ノ森キャラの予想外の客演を喜べたのは、あの年代だけじゃないかな。驚いたいっぽう、なんでこのキャラ? という疑問も浮かんだ。ラスボスが青いチョウの怪人だというのなら、もう一人出せたキャラがいるだろう。やり過ぎたら邪魔だけど。
阿豆らいち(id:AzuLitchi)さん、アイさんジェイさんが出てきましたよ、と唐突な私信。
とにかく『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』、『シン・仮面ライダー』と続くリメイク三部作(で終わらないかもだが)の中では、原作に対するリスペクトは最も高かったんじゃないかと思った。テーマソングもオリジナルではなくTVシリーズのものを使用していたり。
特に最後のほうの、公安調査官が名乗りを上げるシーン(くそっ、ここもやられた!)あたりからラストのショットまで、きれいに完結していると言いながら個人的には「これは続きがあるんだな」と受け止めた。「続編がある」という意味ではない。ここから『仮面ライダーV3』に始まる昭和シリーズ、『クウガ』に始まる平成シリーズ、『ゼロワン』を経て連続的に令和に移行して現在に至るシリーズに続くのだ。視聴者一人一人のライダー経験に応じて、それぞれ今現在までの時系列を脳内再生させる仕掛けなのだ。
一言で言えば、庵野秀明 監督始めスタッフの仮面ライダー愛が濃密に感じられた作品だった。
最後に3点目の関連だが、入場者特典として「シン・仮面ライダーカード」を貰ったことも「やられた!」感を痛烈に感じた。
なんで「やられた!」と感じるかというと、 wikipedia:仮面ライダースナック というののおまけについていた「仮面ライダーカード」がブームを巻き起こし、カード欲しさにスナック菓子を食べずに捨てる子が続出して社会問題にまでなったことを原作リアルタイム世代は覚えているからだ。
少し下の世代の「ビックリマンシール」現象に似ているかも知れない。さらにその下の世代だと、AKB総選挙の投票券ほしさにCDを…はちょっと違うか。


右側の裏面から、一部文字起こし。改行位置、変更しています。ルビ省略しています。以下同じ。
カード全20種
※ 1パックで全てのカードは揃いません。
※ カード全20種のうちノーマルカード10種と、キャスト自筆による役名入りレアカード10種が存在します。
中味を載せるのは自重しようかなと思ったけど、全20種類とのこと「他のも見たい」と思われる方がいるかも知れないので、私の貰ったものをスキャンして上げます。どっかから怒られたら消します。
表面。


裏面。


本郷猛
演:池松壮亮
スポーツ万能、頭脳明晰であるが、人とのコミュニケーションがうまくとれず、無職である。大学時代は緑川弘博士に師事していた。その優しさゆえ、たとえ相手がSHOCKERであっても暴力で解決することへの葛藤を抱えている趣味はバイク。一人旅をよくしており野宿はお手のもの。
提供「シン・仮面ライダー」製作委員会
ハチオーグ(変身後)
演:西野七瀬
仮面ライダーと同じく、緑川グループの昆虫合成型オーグメント.サナギ状態から羽化することで現在の姿となった。触れることによって、相手のプラーナを奪うことができる。刀を武器とする戦闘スタイル。戦いにおいては公平な考えを持っており、仮面ライダーに対しても刀を与え、同じ条件で勝負をつけようとする。
提供「シン・仮面ライダー」製作委員会
ところでアソシエイト貼ろうとAmazon商品紹介から「シン・仮面ライダー」で検索したら、こんな商品がゾロゾロ出てきた。なんだこれ?
ひょっとして私のも売れるのか? 売らないけど、もし欲しいって人で住所知られてもいいという人がいたら、無料で郵送します。袋は捨てちゃいました。