もう一件、収集癖ネタを。今度は言葉ネタです。
X旧ツイッターのFFさんで、本職の日本語学者である KAMMERA Yuta@mera85326 さんが、次のポストをリポストされていました。
学校文法で、副詞は絶対に名詞を修飾しないと教わることってあるの?!
— 住吉那巳枝 (@kotonohasya) 2023年11月13日
陳述の副詞と状態の副詞は名詞を修飾しないが、程度の副詞は名詞(と副詞)を修飾するよ? だから、文法書にも「おもに用言を修飾する」と説明されているはずなのだが?
生徒の書き間違い・聞き間違いだと信じたい。
そして、ご自身でも次のようにポストされていました。
RT 自分の記憶では、教科書にも「主として用言を修飾する」みたく書かれていると思うけどなあ。生徒の勘違いか、教師が単純化して教えてしまったかだと思う。
— KAMMERA Yuta (@mera85326) 2023年11月14日
「『とても早い』とはいうけど『とても学校』とは言わないでしょ? だから副詞は名詞にはつかないんだよ!」的な言い方はよくされていそうなので、それがどこかで誰かに拡大解釈されたかなあ。
— KAMMERA Yuta (@mera85326) 2023年11月14日
私は言葉ネタが大好きですが、専門家さんたちを相手にまともに太刀打ちできるほどの力量はとうていありません。
一例として最初に引用したポスト中の「陳述の副詞」、「状態の副詞」、「程度の副詞」という分類は、このポストを見るまで知りませんでした。
にもかかわらず KAMMERA さんのポストに、こんなリプをつけるという蛮勇をあえて行いました。
まさに外道
— しいたけ💙💛しいたげられた (@wtnb4950) 2023年11月14日
まるっきりパラダイス
ゆっくり生首
あかん、探し始めるとハマりそう。
蛇足ながら「まさに外道」の元ネタは、ぐぐると 漫☆画太郎 氏のマンガ『地獄甲子園』とのこと。
「まるっきりパラダイス」は、洋楽 "Just Like a Paradise(David Lee Roth)" の邦題である。
goo辞書のブログカードを貼るのは、なぜか必ず検索トップに表示されるからという理由にすぎず、どのweb辞書にも「副詞」と品詞が表示される。
そうしたところ KAMMERA さんからリプいただきました。
「ゆっくり生首」は「ゆっくり」がもはや固有名詞の扱いかも……と早速マジレス(←これも一例?)。
— KAMMERA Yuta (@mera85326) 2023年11月14日
なんつーか、さすが専門家。
そこで思い当たることがあったので、にわかにぐぐってリプを返しました。
私も恐る恐るマジレス返し。
— しいたけ💙💛しいたげられた (@wtnb4950) 2023年11月14日
ひょっとして、ありがちな「英語の品詞名」と「日本語の品詞名」の混同が発端ではないでしょうか?
「副詞」でぐぐると英語に関するサイトが上位を占め「名詞を修飾するのが形容詞」「それ以外を修飾するのが副詞」と説明されています。
いっぽう日本語は、活用の有無が…
その可能性はありますねえ。日本語の時制を説明するのに「完了形」など英語のタームを使うことはよくあるので、同様の混同が起きているかもしれません。単に国文法の定義を狭めて解釈してしまった可能性もありますが……。
— KAMMERA Yuta (@mera85326) 2023年11月14日
私なりの結論は2つ上のポストである。140字制限で書ききれなかった部分を補足すると、日本語文法の副詞は、活用がないことにより活用のある形容詞や形容動詞と区別される。いっぽう英文法では、名詞を修飾するのが形容詞(adjective)、名詞以外を修飾するのが副詞(adverb)として区別されるのだ。
だから、日本語の副詞と英語の副詞はまったく別物である。言語が違うのだから、しごく当然である。
しかし両者には相似た部分があるからこそ、同じ語が採用されているのだろう。日本語の副詞も、名詞を修飾するケースは比較的少ないように思われる。
そのことは 住友 さんポストの「陳述の副詞、状態の副詞、程度の副詞のうち、名詞を修飾するのは最後のもの」という記述で説明できるように思われる。
しかしケースが少ないとなると、KAMMERA さんの言うように固有名詞とするであるとか、また複合語の造語成分であるとか、ひとつひとつ個別に「副詞ではない」とし「日本語の副詞も名詞を修飾しない」と主張する説が存在するかも知れない。
それが一学説として成立しうるのか、それとも素人の強弁どまりなのかは、それこそ専門家の判断を仰ぐしかないだろう。
私はそのシロウトの方なので、とっさには思いつかなかったがあとで「こんなのもあったぞ」というのを集めて面白がるのが本稿の主目的である。
つか、とっさとは言え3つしか思いつかなかったことが、なんか悔しかった。しかも1つはネタだし。
以下「収集癖」とカテゴリーした拙エントリーの常で、あとから追記する可能性があります。
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「まるっきりパラダイス」つながりで思いついたのが「思いきりアメリカン」。杏里 さんの邦楽の題名である。
この場合「アメリカン」は何だろう?「アメリカ人」という意味なのか、「アメリカの~」という形容詞なのか、歌詞を読む範囲では判断つかないが、ウィキペによるとアメリカンコーヒーのことらしい。
どうでもいいけど「まるっきり…」が1987年、「思いきり…」が1982年と古いな。年寄なんで新しい楽曲わからないんですすみません。
もっと古いので1974年「のんびり自転車」というのも思い出したぞ。さすがにYouTubeにはなかった。
楽曲のタイトルは、他にいくらでもありそう。
追記:
X旧ツイッターで「ちょこっとLOVE」(1999)というのを教えて頂きました。
追記おわり
次に思いついたのは「ほぼ日刊」と「やや日刊」。「イトイ新聞」は前者で、「カルト新聞」は後者である。
はてなブロガーぶっだ(id:buddha01)さんのところは「だいたい日刊 覇権村」である。唐突な言及、失礼します。通知お騒がせします。
飲食チェーン店名では「いきなり!ステーキ」を思い出した。感嘆符が挟まっているから「いきなり」が「ステーキ」を修飾しているとは言えないかも知れない。
ウィキペによると、この「!」はそれが可能な環境ではロケットの絵文字🚀に置き換えられているそうだ。
確認のため検索していたら「やっぱりステーキ」というチェーン店もあるそうだ。申し訳ないけど、こっちは知らんかった。
飲食店名をもう1軒。「マルデナポリ」というイタリア料理店が、東京、横浜、名古屋に店舗を構えている。
かつて名古屋の隣市である人口10万に満たないわが市にも、なぜか支店があったが、残念ながら撤退してしまった。
ただし「マルデ」は日本語の副詞ではなくイタリア語で「~の海」という意味だそうだ。
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