『参政党が創る新日本憲法(構想案)』(以下、参政党憲法案) に対して、koichi_kodama 氏のnoteと…
弁護士ほり 氏のnoteが相次いで公開されたので、目を通した。
両noteとも、参政党憲法案の条文が33条と少ないことの指摘から始まっていた。また現行憲法で保障されている権利の多くが同案では明文化されていないことへの指摘も、共通していた。
私は見ていないが他にも多数の批判が寄せられているようで、作業用に流しっぱにしている動画配信サービスの選挙演説からは、参政党党首の神谷宗幣氏がそれらに反論している場面が流れてきた。
両noteには書かれていないが「参政党憲法案では国民主権がなくなって、代わりに主権国家が入っている」という批判に対する反論で、「主権国家と国民主権は同じもの、国民主権は明記しなくても当たり前、国家主権を明記しないことこそおかしい」というような趣旨だった。
元動画をサルベージしてないので、うろ覚えに頼った内容だから不正確な部分はあるだろうけど、「主権国家と国民主権は全く別の概念で、現代世界においても明確に主権国家でありながら国民主権にあらざる独裁国家はいくつもあるだろう」と脳内突っ込みを入れたのだった。
参政党憲法案では消されている多くの国民の権利に関する条文も、明文化されていることが重要だというのが、koichi_kodama氏と弁護士ほり氏noteの共通の指摘でもあった。もしそうでなければ、国家権力のやりたい放題になってしまう。
それはそうと神谷氏の演説は饒舌かつ情熱的で、肌に合わない人はドン引きだけど惹かれる人はのめり込むんだろうなと思いつつ、元「はてなー」さんで今はnoteとX旧ツイッターに活動の軸足を移している ブースカちゃん さんの、一連の参政党研究noteにも目を通した。
そのうち、このnoteを読んで…シャンプー・リンス1万円て…
そして腑に落ちた。ああ、あれはマルチだ! 催眠商法だったのだ!
やはり今は「はてな」での活動を休止中のロバート・熊さんの、こんな本を読んだことがある。
同書から巻頭マンガの一部を引用します。

この手の説明会には友人に誘われて行ったことがあるので、雰囲気は知っている。誘ってくれた相手には悪いけど、内心その手には乗らないぞとブレーキを掛けていた。そうしないと、わかっていても危なかった。
もっと言っちゃうと、現代日本において催眠商法、霊感商法、マルチ、スピリチュアル関係の業者はめちゃ多い。雑居ビルの空きテナントで何かやってる業者は、たいていそれだ。
騙される人は、もっと多いということである。
そうやって考えると、街頭演説でオレンジ色のビブスを着たスタッフに高齢層が意外と多いのは、その経路から入党したりシンパになったりしたのだろうと想像すると腑に落ちる部分がある。そして資金源も…
参政党憲法案に話を戻すと、神谷党首は選挙演説で同案批判への反論として「現行憲法には食糧や農業、環境に関する条文がない」という趣旨のことを言っていた。「そう反論すると、相手は下を向いて黙り込む」という言わなくてもいいことまでつけ加えて。
神谷党首ら参政党憲法案の策定に関わった人たちは「憲法-基本法-一般法・特別法」という法体系に関する知識がないのだろうか?
同案から、食糧・農業に関する部分のみ、テキスト化して引用する。
(食糧と生活基盤)
第十条 食糧は、主食である米作りを中心に、種子や肥料も含めて完全な自給自足(11)を達成しなければならない。
2 国は、農林水産業及び国民の生活基盤となる産業と従事者を保護育成する。
3 農林水産業は、自然との調和を重視し、健康、文化の継承、国土の保全、食料安全保障等、国の重要な基盤として尊重されなければならない。
(11) 自給率百パーセント以上をいう。
参政党 -sanseito- | 新日本憲法(構想案) より
この内容が実現可能かどうかはひとまず措くとしても、あのー、「農業基本法 (食料・農業・農村基本法)」って、ご存知ありませんでした? 仮にも参議院という立法府に身を置くお方が。
下を向いて黙り込んだという相手は実在しないような気がするが、もし実在したとしたらその相手は笑いをこらえていたか、ひょっとすると共感羞恥で身もだえしていたのかも知れない。「傍ら痛い」というやつである。
そんな調子で、参政党憲法案の条文には本来基本法や一般法・特別法で規定すべき内容が、多数含まれている(現行憲法に「法律でこれを定める」という言い回しが多いことを想起すべき)。そうすると33条とただでさえ少ない条文は、さらにスッカスッカになる。
しかも基本法と考えるとしたら、さらにぜんぜん足りない。農業基本法は56条ある。
国民の要件を定めたと主張する五条についても何か書こうと思ったが、猛烈に気分が萎えたのでやめた。ちょっとだけ書くと、現行法である「国籍法」は20条あり、AIに訊いたら特別法に分類されるとのことだった。
もし万が一にも参政党憲法案がそのまま新憲法として施行されたら、日本の既存の法体系はたちまち機能不全をきたし、行政と司法は大混乱に陥るだろう。
参政党の急伸は、よくナチスに例えられる。当時のドイツの知識層が「あんな連中は、まともに相手するべきでなない」と無関心を装っている間に、全権委任法が成立してしまった。
だがあえて言うと、ナチスより悪い! 行政が機能しないのだから、歴史上比較できる対象を探すとしたらポルポト政権以外にないのではないか? ポルポト政権の所業は、参政党憲法下だったら許容される。またポルポト政権下のカンボジアは、間違いなく主権国家だった。
すでに多くの人が言っていることを、私も繰り返して今回の締めにしよう。現行の日本国憲法こそが、実によくできているのだ。
法秩序の維持という観点では、戦前からある六法のうち他の五法を始めとする膨大な法律の大部分と接続し、旧陸軍法、海軍法、治安維持法など一部は廃止し、各法の改定を繰り返しながら今に至っている。
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