田舎の実家宛に、こんな封書が届いた。5月の下旬頃のことなので、もうちょっと早く書こうと思いながらタイミングを逸してしまっていた。現住所のある自治体からだ。
「市県民税特別徴収関係書類在中」という表書きがある。なんだこれは?
開封すると、送り状と、20ページほどの薄い冊子、15枚つづりの納入書、税額決定通知書、剥離シートによる本人通知書が入っていた。名称は適当です。
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送り状。
「本年度の市民税県民税が決定したので連絡する、決定通知書により毎月の給料から納付せよ」という意味のことが書いてある。嫌も応もあったもんじゃない。
冊子。
表紙をめくると、「おたくを徴収義務者に指定したのでよろしく」という意味のことが3行ばかり書いてある。あとは異動や名称変更の届出書だ。
特別徴収税額の決定通知書。二つ折りにしてスキャンした。折り曲げた方に税額が載っている。そっちは内緒。
剥離シートによる本人通知書の反対側。この裏側に、決定通知書に記載されているのと同じ納付額と、税額の根拠となる所得やら控除やらの数字が載っているけど内緒。
実家経由で税理士さんに問い合わせてもらったりして判明した結論を書くと、次のようなものだった。
これまで地方税は、個人で納付していた。これを「普通徴収」と言うんだそうだ。それを、滞納など取りっぱぐれのないようにとのことで、勤務先から徴収の方針にシフトしているんだそうだ。これを「特別徴収」と称するとのこと。かつてはある程度の規模の企業だけが対象だったが、近年は中小や零細にも拡がっているのだそうだ。確かにこれまでは年度初めに来ていた地方税の通知が、今年は来ていない。
検索すると、説明が出てくる。ここがわかりやすいかな。
私はたびたびブログに書いているように非正規労働者だが、実家で身内がなんちゃって法人を設立していて、名前だけそちらの役員ってことになっている。すげ~ありがたいことに、諭吉さん何人分かの役員報酬も貰っている。ほぼ不労所得である。
しかし何となく愉快じゃない。面白くない理由その1。自治体から送られてきた送り状や冊子をいくら読んでも、上に述べた事情はどこにも書いてない。自分で調べろってか?
面白くない理由その2。普通徴収か特別徴収かを選択できるのは、納税者ではなく徴収者側だけなのか? 過去に滞納した記憶なんかないのに、一方的すぎやしないか?
面白くない理由その3。なんで実家のなんちゃって法人を選択するんだ? 私の収入は、非正規とは言え勤務先からのほうがずっと多いぞ。
面白くない理由その4。法人名間違ってるぞ。「×× 株式会社」と書いてあるが、うちはマエカブなんだ。「株式会社 ××」が正しい。人の名前を間違えるのが失礼なように、法人名を間違えるのも失礼じゃないのか?
面白くない理由その5。納付方法が面倒くさいのだ。上掲の通知書に記載されている納付額を、納入書の6箇所に自分で書き込んで、金融機関に持って行かなきゃならない。
これまでの普通徴収は個人の口座から引き落としの手続きをしていたが、特別徴収では法人名義の口座からじゃないと引き落としができないとのこと。社長をやっている身内に、会社の口座からの引き落としにできないかと尋ねてみたところ「あんたの税金だからあんたが払え」とにべもなく断られてしまった。
税金の徴収に関しては、国や自治体は個人に対して、かくまで苛酷なのだ。これは有史以来、何ら変わりはない。
うちの場合事情がいろいろと特殊で、他の人の参考になるかどうかわからないが、これから起業しようとか会社を設立しようとかいう人がいるかも知れないので、エントリーとして公開します。