🍉しいたげられたしいたけ

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お百度参りについて(その1:33/100)

ずいぶんと前のことだ。ことによると10年以上経っているかも知れない。確か新聞掲載のエッセイで、こんな話を読んだ記憶が残っている。

ある女性の幼いお孫さんが、先天性の障害にともなう重い疾病を患っていたそうだ。お祖母さんはお孫さんのために、お百度参りをしようと思うと主治医に相談したところ、主治医はそんなことをしても何の影響もないからやめなさいと止めたという。

エッセイの著者もお医者さんで、確かに医学的には、お祖母さんがお百度を踏むこととお孫さんの病状には何の因果関係も期待できないとはいえ、その主治医の対応は人情としてどうだろうという疑問を投げかける内容だったように記憶している。

著者名などそれ以上詳しいことは、何も覚えていない。朝日新聞土曜別刷り「be」には、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、亡くなる直前までエッセイを連載していたが、日野原氏ではなかったような気がする。

世の中には正解のない問題が溢れている。学校の勉強ではないのだから、それは仕方がないとはいえ、問題を投げられっぱなしでも困ってしまう。我々は、我々が直面した問題に対して、自力で解答を考えるしかない。そして自分で考えた解答が正解であろうが不正解であろうが、その結果を受け入れるしかない。その連続である。

このおばあちゃんに対しては、何と答えればよかっただろうか? 愚見によると、看病、看護には、大変なエネルギーが必要なのだから、おばあちゃんやご両親、ご家族には、お百度参りで体力を消耗するより、お孫さんのために体力を温存することを勧めるべきように考える。たとえそれが、物の言いようの違いに過ぎないにせよ。

お百度は、私が踏む。

 

ところでお百度参りって、どうやればいいのだ? 検索すると、もともとは百日詣と言って、文字通り神社仏閣に100日かけて参るものを簡略化したという説が出てきた。ということは、一度にまとめて100回お参りしなくても、何度かに分けてもよさそうだ。

参拝先は有名社寺か地元の神社、できれば氏神がいいようだ。実家の氏神は知っているが、ちょっと遠い。現住所から近いところを選ぶことにした。今年に入ってからのホッテントリにこういうのがあったが、仮に自分の氏神を知らなかったとしても、そこまですることはないように思う。あくまで個人の意見として。

「氏神神社に行かないとお願いが届かない」と聞いて自分の氏神神社を探したら最終的に法務局まで行くことになった - Togetter

ただ、本殿と百度石というのを往復するということは以前から知っていたが、現住所周辺で百度石があるところは知らない。また市内に30件くらいある神社のうち、どこが何の神様かというのも、よくわからない。一件だけ選ぶのではなく、歩いてお参りできるところを何件か選んでお百度をかければいいか。

お参りしているところを他人に見られてはいけないとか、だから丑の刻参りをするべきとか、裸足でおまいりすべきとか、ハードルを上げる条件はすべてパス。

 

まずは、自宅から最も近いと思われる、歩いて10分ほどのところに行ってみた。古くて小さなお社である。

下の写真で、坂の上に杜が見えるところだ。正面鳥居の前に民家が建っていたりする。

いつものことでスマホカメラのフォーカス悪いです。すみません。

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神明社という名称だ。伊勢神宮系である。伊勢神宮から比較的近いせいか、うちの周辺は神明社だらけである。いらんことだが寺院は浄土真宗がやたらと多い。

鳥居を写すには、民家の裏手に入り込まなければならない。不審者みたいだな。

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鳥居はないが、敷地の横手から入ることはできる。

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摂社末社もある。

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神社を一角とする長方形の区画の、対頂角にあたるところに消火栓を見つけた。

これを百度石の代わりに使えばいいか。

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あとでグーグルマップに物差しをあてて計ると、区画はおおざっぱに言って約120×40mの長方形をしていた。

まずは二礼二拍手一礼、ゆっくり歩いて一往復4~5分かかった。

お参りスタートは2:45p.m.頃だったかな、暗くなったら中止して、続きは後日やればいいと思った。

そうそう、スマホのブラウザに、あるwebページを表示して、コートの内ポケットに入れておいた。これが今回の意図だから。

万が一不審尋問されたら、ブラウザの写真を見せれば、多分納得してもらえるだろうということも考えた。できればそれはやりたくないけど。

 

最初の10回までが長かった。時計を見れば1時間くらいなんだけど。アルバイトで単純作業をしているときの感覚に似ているかなと思った。

区画が長方形ということは、経路が二種類あるということだ。経路をときどき変えるだけでも気分転換になることが、ちょっとだけありがたかった。

どちらの道を選んでも、短径は坂になるのだが。

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この日、私の他に参拝者は一人しか見かけなかった。髪をグレーに染めた若い女性だった。それ以外に、氏子なのか、市のゴミ袋を持って落葉を集めている人がいた。4:00p.m.頃から30分くらい作業していただろうか? 何か言われるかなと思ったが、何も言われなかった。

 

冬至は過ぎたといえ、日が暮れるのはまだまだ早い。5:00p.m.過ぎには暮れなずみ始めた。24回目だったかな。

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30回目だったっけ。本殿前。

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結局この日は、6:30p.m.まで、計33回参拝した。続きは今週末以降にやろう。

ここを100回コンプリートしたら、別のところも参拝するつもりだが、一度くらいは1日で100度コンプリートにチャレンジしようかな。ルートを短くすれば時間短縮はいくらでも可能だが、百度石がないときルートはどういう方針で決めればいいもんだろう? 「お気持ち」というやつでいいのかな?

あと、いらんことを言うと「丑の刻参り」というのは嘘だな。よくよく短い経路でもない限り、2時間以内で100度の参拝はできないから、丑の刻というのを過ぎてしまう。

 

帰り道にファミマがあったので夕食を買って帰った。

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そう言えば「忖度弁当」というのを買いそこなったなと、どうでもいいことを思い出した。

簡単にパンにした。

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