🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戦争反対!Ceasefire Now! 一刻も早い停戦を!

東雲鈴音『おじいわんソーヤ』(講談社)珍しくAmazonの誤配で届いたので読みました

昨日、郵便受けを覗いたら、発注した覚えのないAmazonからの荷物が届いていた。 

f:id:watto:20190519100810j:plain

他人のブログを読むとこういう場合「欲しいものリストからのプレゼントだ~!」というのがパターンだが、私は欲しいものリストを作っていない。

誤配かな?

マーケットプレイスで購入した古書のカバーと中身が入れ替わっていたというトラブルだったら過去に経験したことがあるが、Amazon物流センター発送商品の誤配というのは記憶にないな。

マケプレのトラブルの件は、過去記事にしていた。約10年前だった。

amazonマーケットプレイスでトラブル - しいたげられたしいたけ

結局、再読 - しいたげられたしいたけ

 

念のため問い合わせることにした。Amazon のどれかのページから、フッタの「ヘルプ」「問題が解決しない場合は」「カスタマーサービスへ連絡」をたどると、フォームが開き登録してあるメールアドレスから問い合わせのEメールが送信できるようだった。

このフォームからお問い合わせいただくと、ご本人確認を短縮でき、スムーズにご案内できます。

 

次のような文面を入力し、送信した。

注文した覚えのない商品が届きました。「ほしい物リスト」は公開していません。
ISBN978-4-06-513699-7 東雲 鈴音 (著)高籏 将雄 (絵)『おじいわんソーヤ』(講談社)
お問い合わせ伝票番号****-****-****

 

自動受付メッセージによると12時間以内になんらかの回答をするとのことだったが、実際にはもっと早く回答が届いた。

私信なので全文引用は遠慮するが、

  • 迷惑をかけたことをお詫びする
  • 伝票番号を知らせてくれたことに感謝する
  • 調査の結果、第三者が発注したものだった
  • よって誤って配達された可能性が高い
  • 代金引き換えでない限り料金は発生しない
  • 商品はそのまま引き取るか、回収かを選択してくれ
  • 回収希望の場合はこのメールに返信するか、次の電話番号へ

 というような内容だった。もちろん丁寧な言葉で書かれていた。

「ではお言葉に甘えて、当方で引き取らせていただく」と返信した。

 

おじいわんソーヤ

おじいわんソーヤ

 

さっそく読ませていただいた。

著者はツイッタラーの 東雲鈴音@goen0414 さんという方で、約6年前に推定年齢10歳で引き取った保護犬の ソーヤー との暮らしを綴った書であった。

ソフトカバーで高さは新書版とほぼ同じ、幅は新書版より1cmほど大きいだけという小型本だった。ページ数は96ページだった。

各ページに写真1~2枚とツイッター風の短文、それに時々 高籏将雄 さんという方のペン画が挿入されるという造りだった。

 

言葉で説明するより、何ページか写真を示した方が早いかな? 著作権法に抵触しない範囲のつもりです。

前半のほうから2ページ。

f:id:watto:20190519100907j:plain

この電柱のお手紙はいつも熱心に読む。
今日は何かに思いをはせるような
遠い目をしていた。
お手紙の内容は教えてくれない。

上掲書P17より

えっ、これ、すごくよくない?(゚Д゚;

 

後半のほうから、もう2ページ。

f:id:watto:20190519101441j:plain

ソーヤを迎える前からわが家にいた先輩ウサギのコロン。
2匹を庭に出してあげると、つかず離れず遊んでいたっけ。
(コロンは2015年11月に永眠)

P78

おじいわんは昼も夜もよく眠る。
コロンが遊んでほしそうにしていてもおかまいなし。
ぐーぐー。

 P79

 

そのほか、ところどころに1~2ページほどの短いエッセイが差し挟まれる。

どれも印象深かったが、とりわけ胸に来たのは、P71に記された次のようなくだりだった。

著者が何の気なしにある言葉を口にしたところ、床で寝ていたソーヤーが反応し、後ろ足で立ち上がって芸を始めたことがあったそうだ。

その様子がせつなくて、著者宅ではその言葉を封印したとのことであった。

ソーヤーが著者宅に来るまでの10年間を、共有することのできない悲しみ。

 

本書を最後まで読むと、著者の 東雲 さんが、どうしてもこの本を書かないではいられなかった気持ちが痛いくらいに伝わるような気がした。

そしてその思いに応えた講談社の編集者さんにも、心からの敬意を感じた。

 

何かを称賛するとき別の何かを貶めるなとは言われるけど、現今ネットで話題になっている某大手出版社の社長と編集者の言動を思い起こさずにはいられないなぁ。そりゃこの出版不況と言われる時代にベストセラーを連発する出版社や編集者は偉いのかも知れないが、彼らは本というものに込められた著者や関係者たちの思いを、どこかに置き忘れているとしか思えない。

 

東雲 さんとはいわゆる「FF外」ですが、これも何かのご縁ということで拙い書評記事のようなものを書かせていただきました。

ところで本書を本来発注した人のところには、ちゃんと届いてますよね Amazon さん?(←心配性

スポンサーリンク