早い話が小ネタ集です。「卍〔まんじ〕を含む漢熟語」「続・卍〔まんじ〕を含む漢熟語」「『中央』以外に『央』を含む漢熟語はないかと考えた思い出」と漢字ネタを3回続けてやったところ、材料はつぎつぎと集まったものの収まりが悪くてエントリーに使えなかったが、さりとて捨てるには忍びないものも数々あった。
とはいうものの、「たまたま」私の観測範囲に「このタイミングで」浮上したから面白く感じただけで、他人から見たら面白くもなんともないネタばかりかも知れない。いつも言い訳していますが「弊ブログの主目的は自分用備忘メモ」ということでご理解いただきたく存じます。
目次
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ウィキペディア「熟字訓」
ときどきあるウィキペの読みでのある項目。熟語を探す過程でヒットして読みふけってしまった。うちのブログでも「収集癖」を名乗る以上は、このくらい集めるべきかも知れない。そもそも「熟字訓」という言葉を知らんかった。ご存知でした?(誰に訊く?
卍党(『仮面の忍者 赤影』)と卍丸(『魁!! 男塾』)
固有名詞つかフィクションを許すのであれば、ということで。
拙記事「卍〔まんじ〕を含む漢熟語」に、おしょぶ~(id:masaru-masaru-3889)さんから
卍〔まんじ〕を含む漢熟語 - しいたげられたしいたけ
うわ~わっと節さく裂記事ですね。結局「卍」は漢字で良いと言う理解で良いのですね^^おれが恐らく「卍」を最初に見たのは、子供の頃のテレビ番組「忍者 赤影」だろう(笑)
2021/05/30 10:31
というブコメをいただきました。ありがとうございました。
「卍党」ですよね。円盤形の飛行要塞「大卍」なんてのも出てきました。
かつての緑の国の住人さんで、ツイッターのFFさんである いじ @Ezeight さんからは
忘れてましたが、我々の世代だともう一つ pic.twitter.com/dcjH5tKIjW
— いじ(次の選挙でゼロ自民) (@Ezeight) 2021年5月29日
というご指摘を、リプでいただきました。ありがとうございます。
『魁!! 男塾』の登場人物「卍丸」ですね。ピクシブ百科事典 には「魍魎拳の使い手」と書いてありました。
そゆえば 京極夏彦 氏に『魍魎の匣』というミステリがあるし…
「魑魅魍魎」のうち「魍魎」は二字熟語として使われるケースが多いのかも知れない。
そうすると「魑」の立場がますます気の毒になるな。そんな同情いらんか。
轀輬車〔おんりょうしゃ〕
特定の熟語でしか使われない漢字つながりで。
もちろん膨大な数あるのだが、昨日(6/2)放送されたNHK総合テレビの『歴史探偵』という番組の後半だけを、たまたま観ていたら出てきた。
一連の漢字関連拙エントリーを書くきっかけになった デイリーポータルZ さんの記事「『戸籍統一文字』の見たことない漢字はいったいなに?」に則天文字の話題が出てきた。
皇帝が作った文字は他にもなかったかなと思って、思いついたのがこの語だった。
蔵書を調べてみた。
車輔は小さな宮殿のように装飾がほどこされていたが、どういう技術者が設計したものか、多くの窓を自然に開閉することによって車室の中の寒暑を調節することができた。この車は、特別な名でよばれた。
「轀輬車」
という。轀も輬も、この車のために文字がつくられたのではあるまいか。
司馬遼太郎『項羽と劉邦(上)』(新潮文庫)P11 ルビ省略しました
司馬遼太郎だったか…史実としては信用できないんだよな。
以前、司馬は『史記』を通読しないで『項羽と劉邦』を書いただろ、というエントリーを書いたことがある。
引用した部分だけでも、車偏を氵〔さんずい〕偏に変えると「轀」→「温」、「輬」→「涼」か、なるほど、てな具合で読み物としてはメチャ面白いんだけど。
裏を取るつもりでいろいろ検索したが、始皇帝の業績の一つとして「漢字の統一」というのは大量に出てくるが、始皇帝自身が作らせた漢字かどうかという情報はヒットしなかった。
代わりにつか、現代中国語では「寝台車」「霊柩車」という意味で使われているらしいことがわかった。
獲象
直近の海外ニュースで、こんなのがあった。
このニュースに関しては、はてなブロガーの 黄大仙(id:deepredrose)さんの記事が詳しくてわかりやすかったので、勝手ながらリンクを貼らせていただきます。
これは白川静『漢字 生い立ちとその背景』(岩波新書) の読者としては、ピクンと反応するニュースである。同書中に最初に出てくる甲骨文の例文(P10)が「不雨」(雨ふらざるか)…「獲象」(象を獲らんか)なので。かつて中国大陸にゾウが広く生息していたことは、同書にも黄大仙 さんのエントリーにも記述がある。
『漢字』中の当該箇所に関しては、検索したらよくまとまっているブログ記事がヒットしたので 自分が楽をするために ブログカードを貼らせていただきます。
デイリーポータルZ さんの元記事にも名前が出てくる中国古代の字書『説文解字』は、確か編纂された動機の一つが、始皇帝によって六国の文字が廃止されたことを惜しんでじゃなかったかな?
ちょっと手元の本を調べて、わかったら追記します。
いっぽう白川博士の偉業は、『説文解字』はじめ歴代の王朝で編纂された字書というルート以外の、出土した獣骨、亀甲、金属、陶器などに刻まれたいわゆる「金石文」を手がかりに漢字の成立を探ったことだったと思う。
私も十分理解しているとは言えないが、学者の業績を理解するためには理解しようとする側にもある程度の知識つか力量が要求されるのだったなと、今さらながら改めて思った次第。
英語の特定の熟語でしか用いられない単語
漢字以外も考えてみようと思いついた。
とりあえず知ってるつか調べなくても思い出せるのは…
"wouldn't budge"/"can't budge"(ぴくりともしない)の"budge" と…
"to and fro"(あちこち)の "fro" くらいだけど…
ちょっと検索してみたが、漢熟語ばかりが上位に並んで、思ったようなサイトがなかなかヒットしなかった。
英語のサイトを検索しなきゃと思って拙い英語でやってみたけど、やはりダメだった。
どこかにごそっと集まってそうな気がするのだけど。
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