東海地方の平野部では、ソメイヨシノが満開を迎えつつある。
今年は実家から近い市民の森羽島公園というところで、花見をしてきた。あまり混んでなさそうで無料駐車場があるから、ここを選んだ。
のっけからいらんこと言いの悪癖発揮だが、門標後ろの看板の文言がなんか怪しい。
弊ブログ勝手に恒例文字起こし。
この公園は、市民の
楽しい憩いの広場です。
豊かな「みどり」と
美しい「花」を守り、
香り高い文化と
宇宙の真理に
直接ふれあいましょう。
奉仕とは宇宙の心の
実践の姿である
〝MOTTAINAI〟
もったいない
育てよう
心豊かな青少年
おかげさま
ありがとう
いちおう弁明をすると、ここは「宇宙庭園」「万葉庭園」など区画ごとにテーマが設けられていて、宇宙云々というのはそのうち宇宙庭園を踏まえたものと思われる。
以前に説明文の文字起こしをしたことがあった。
上掲の門標は敷地東側の入口に設けられていたものだが、拙過去記事では北側の入口をスタート地点にしていることが多い。深い意味はない。
万葉庭園と名付けられた区画のソメイヨシノが満開だ!
過去記事では葉桜の写真ばかり載せていた。
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上掲写真に背を向けると椿庭園という区画があり、ここは何度かネタにしたことがあった。
ソメイヨシノ一辺倒のサクラと違い、ツバキは種類がさまざまなので盛りの時季も少しずつ違うようだ。
ルビは省略します。以下同じ。
ゆく春や
逡巡として
遅ざくら
蕪村(春)
「蕪村」の後ろに「(春)」とあるのは、こういうことらしい。
蕪村俳句園
この庭園には春夏秋冬にわけ、40句を、表示してあります。
青柳や
芹生の里の
せりの中
蕪村(春)
上の写真左奥の看板に接近。
秋風や
薮も畠も
不破の関
芭蕉(秋)
芭蕉の句じゃないか! 区画が違うのかな?
40句をコンプリートするわけにいかない。万葉庭園の方に戻る。
投句箱というのは、これのことだと思う。
手作りのおはぎの届く彼岸かな
春寒やさらりと流す子の苦言
ロウバイの大樹となりし空家かな
初旅や隣りの町の美術館
四歳が読み聞かせする春隣
来賓の祝辞少なく卒業す
子の爪を切りつつ夫の日向ぼこ
限界の村に若者つくしんぼ
絶滅は人のなす業春の闇
服一枚脱ぎては春を呼びにけり
作者名は省略しました。
季語が春ばかりだから、入選作は入れ換えているのだと思う。
この区画にもツバキが混じっていた。
花の季節じゃないと、なかなかこっちには足が向かないなぁ。
そんなわけで、こんなのあったっけという気づきが多くて面白かった。
野球禁止!
(やわらかいボールでの
キャッチボールは可)
周りの人の迷惑にならないよう遊びましょう!
少し色の淡めのサクラ。ときどき見かけるが品種名はなんと言うのだろう?(「白っぽいサクラ」で検索するとオオシマザクラというのがヒットしたが、これがそうかはわからない)
「利休庭園」という大きな看板がかかっていた。どういう趣向があるのかは、わからなかった。
万葉秀歌は万葉庭園のほうのギミックだと思う。
まつ(まつ まつ科)
巻二 一四一
磐代の
浜松が枝を
引き結び
真幸くあらば
また還り見む
有馬皇子
やまぶき(やまぶき ばら科)
巻十七 三九七四
山吹は
日に日に咲きぬ
愛しと
吾が思ふ君は
しくしく思ほゆ
大友池主
いね(いね いね科)
巻十四 三四五九
稲舂けば
皹る吾が手を
今夜もか
殿の若子が
取りて嘆か
東 歌
なぜか一茶の句の看板があった。
はつ袷
にくまれ盛に
はやくなれ
一茶(秋)
「一茶庭園」という看板は見当たらなかった。まさか利休は茶人だから一茶というわけではあるまい。
目出度さも
ちう位なり
おらが春
一茶(春)
ユキヤナギとツバキの向こうにある看板は…
菜の花の
とっぱづれなり
富士の山
一茶(夏)
多くの看板が立っており、スマホ写真を撮ったのはごく一部である。
人来たら
蛙となれよ
冷し瓜
一茶(夏)
最初に写真を示した東口から退出した。
敷地の外(駐車場側)からも、サクラはよく見えた。
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