🍉しいたげられたしいたけ

NO WAR! 戦争反対!Ceasefire Now! 一刻も早い停戦を!

Twitter社大量解雇ニュースに見る「日本の解雇規制は厳しい」言説に対する疑問および鈴鹿大学裁判署名サイトの拡散

イーロン・マスク氏がTwitter社を買収して早々に、従業員が大量解雇されたというニュースがSNS上に溢れるようになった。日本法人も対象のようである。

時代の記録のつもりで、いくつかブログカードを貼る。ブックマークもしたけど。

最初に見たのが、なぜかこれだった。「はてなホッテントリ」経由。

blog.nagayama.dev

 

以降、たまたまトゥギャッターとITメディアニュースが交互になってしまったが、ブックマークが多くついたものを私も後追いでぶくました。

togetter.com

www.itmedia.co.jp

togetter.com

www.itmedia.co.jp

 

それぞれの記事についたブックマークコメントに目を通して、どうにも気になることがあった。「日本の解雇規制は世界一厳しい」という言説である。たしか 竹中平蔵 氏あたりが言い出たんじゃなかったか。そして「だから日本は雇用流動性が低くそれが日本の経済成長の足を引っ張ている」と続き、派遣業界への規制緩和や非正規労働者の増大といった政策につながったような。

結果として日本の経済成長の足を引っ張ったのは、むしろそれらの政策だったのではないかという疑念を強く感じるが、それでも「日本の解雇規制は厳しい」という言説自体は生き残っているのが不思議だ。

 

今年5月22日付の日本経済新聞の記事には、OECDの指標によると正社員の個別解雇は37か国中緩い方から12番目、集団解雇は7~8番目という数字が出ていた。決して厳しい方ではない。

www.nikkei.com

 

上掲日経記事には、大企業がなぜ「解雇規制は厳しい」と感じているかや、中小零細企業においては解決金を支払うだけで解雇が日常化していることなど、多方面にわたる分析が述べられている。

 

記事にはあまり詳しく書かれていないことだが、雇用側が違法な解雇をしたとき労働者側がそれに対抗する手段が、日本ではとても限られているように体感する。

 

ときどき書いているように、私はリアルで鈴鹿大学における不当解雇裁判の原告側を支援している。

過去に何度か書いたことの繰り返しであるが、鈴鹿大学は労働契約法18条に基づいて無期転換契約を交わした非常勤講師に対して、一方的に「契約は終了した」と通告し講義のコマを与えなくなった。地域労働組合が団体交渉を通じて「これは解雇なのか?」「解雇だとすれば、その理由は何か?」と何度も説明を求めたが、回答は拒否された。

 

やはり繰り返しになるが google:合意の契約は拘束力を持つ というのは民法の基本原則の一つである。一方的な破棄は認められない。

労働契約に関しては google:整理解雇の4要件 というのがあるが、要件を満たすためには大学側からの説明が不可欠である。

よって私は、鈴鹿大学の行為は明らかに違法であると考える。

 

だがこれまでまだ書いてなかったことが2件ある。

一つは解雇された非常勤講師は7人であり、提訴に踏み切ったのはそのうち2人だけだということだ。

提訴しなかった講師がみな、解雇を唯々諾々と受け入れたわけではない。誰の目にも触れる可能性のある公開ブログなので詳しくは書けないが、当事者の中には精神的に不安定になっている人もいると間接的に聞いた。

裁判というのは、訴える者にさまざまな意味でたいへんな負担を強いる。それに耐えられる人ばかりではないのだ。

 

もう一つは、いきなり裁判を起こしたわけではなく、地域労組を通じた団体交渉をおこなう一方、労働基準監督署への訴えも行っているということだ。

ところがこれが遅々として進まない。

訴えた結果、県の労働委員会による委員調査というのが行われることになった。

だがその委員調査が行われる頻度が数ヶ月に1度であるうえ、委員調査にあたっては何種類もの書類を準備しなければならない。

そこまでしても、県労委はあくまで労使間中立という建前らしく、委員調査はすでに数次にわたって行われているにもかかわらず、一向に目に見える事態の改善が現れてこない。雇用回復につながっていないということだ。

 

これでは違法解雇した者が勝ちではないか!?

海外との比較は、違法解雇された労働者に対する法的救済システムまで含めた比較なのだろうか?

いろいろ疑問が立ち上がるが、ただちに調べられるものではなさそうだ。息長く関心を維持して情報収集に努めるしかあるまい。

 

ところで鈴鹿大学裁判に関しては 10月25日付拙記事 で電子署名のサイトが立ち上がったことを告知しましたが、レンタルサーバー上に構築したcgiがうまく動作しなかったそうで、チェンジ・オーグへ引っ越したとのことでした。

弊ブログにリンクを貼るとともに、拙過去記事のリンクも貼り換えました。ご関心をお持ちいただいた方がいらっしゃいましたら、ご協力いただければ幸いです。

もし旧署名サイトに署名していただいた方がいらっしゃいましたら、私からもおわび申し上げます。大変申し訳ありませんでした。

www.change.org

なんで私がおわびするかというと、拡散は拡散した者も拡散した内容に元発信者と同等以上の責任を持つからです。そういう裁判の判例が積み重なっています。

もし鈴鹿大学側の誰かが私のブログを提訴したら、全力で受けて立つことを宣言しておきます。

スポンサーリンク